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タイムカプセル 20年後の自分へ


人々よ。

平凡な日常を送る片田舎の旅館の小学生の息子。

卒業の記念にタイムカプセルを校庭の片隅に埋める。20年後の自分へというありがちなタイトルの手紙が書かれる。

卒業して数年。
ある同級生の女の子と言葉を交わす様になる。が、この女の子は壮絶ないじめを受けていた。

それも小学生の頃から。
小学校から持ち上がりのため、メンツは変わらず。しかしながら、主人公の彼はその事実は全く知らなかった。

言葉を交わす様になり、敦子はタイムカプセルを掘り返して中身を入れ替えたいと申し出る。

その内容は、自分をいじめた子達を実名で出し、誰が何をしたかを詳細に記したものであった。

そして、自殺をする。

32歳になった当時の子供達が、そんな事実を忘れ大人になりウキウキしながら掘り起こした時に復讐するために...

その自殺決行の場所は主人公の祖母の曰く付きの場所であった。半世紀以上、嘘を重ね続けなければならなかった地。

子供達の冒険譚だと、重松清氏が涙を誘い読了感が爽やかだが、道尾秀介氏だと、含蓄が多いというか、思春期の子供達が主役ではあるが、人生の機微が散りばめられているな。

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