もって瞑すべし
人々よ。
シリーズ14作目。
15年前のシリーズ開始一作目の登場人物相関図が11人から本作では46人に。
これだけ登場人物が増えると、とっ散らかってキャラがぼやけそうなものだが、そこは小路氏の筆力なんでしょうな。
すんなりと頭に入ってくるし、それぞれの個性が存分に表れている。
家族ものとして、非常に心温まる作品。
登場人物も皆、成長し、人間らしい営みがまま見える。生きていれば、当然死にゆくものもいる。
一作目では生まれてもいなかった子供たちが、本作では大学生に。回を追うごとに家族が増えてゆくのを見守るのも楽しみの一つ。
語り部の柔らかさも非常に心地好い。
作中に出てくる初老の名言「もって瞑すべし」
最期にこの言葉を言えるような人生を送りたいものです。