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日本のユニークな精神的価値観


人々よ。

本作は三島由紀夫氏が自殺する前年に発刊された一冊。

定規を当てたような綺麗な、精緻極まる文体を駆使する耽美派の彼が、べらんめぇ調で語るエセー、メッセージ、対談集。

氏の言葉を引用すれば、「時務の文」とのこと。

前半を読んでると、オヤジの小言にしかきこえず、これなら池波正太郎の方が耳あたりは良いなと思ったが、後半の対談集は中々に悪くなかった。

自殺した作家は芥川や太宰と数々いるが、三島由紀夫はどうも印象が異なる。

一人の作家やその作品について、個人個人の感想が異なるのは当然のことだが、どうも三島評に関しては、他と異なる。

三島由紀夫が当時願った数十年後の日本の未来の若者が、ほぼその形になっていますよ。

ハンバーガーをパクつきながら、日本のユニークな精神的価値を、おのれの誇りとしている、と。

いや、グローバリズムは遥かに進み、ボーダレス社会だ。が、だからこそ、文化の回顧も必要なのでしょう。

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