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コマ劇前 カセットテープ 骨太

人々よ。


KSP、歌舞伎町特別分署。

新署長が赴任の朝、署の正面玄関前で、容疑者を連行中の刑事が雑居ビルから狙撃される。

歌舞伎町、ヤクザ、チャイニーズマフィアと、一聞きすると手垢のついた構成だが、ハードボイルドの中に人情派が見え隠れし、骨太が好ましい。

しかし、登場する小道具がMDでもCDでもなく、カセットテープという時代を感じさせる描写が尚良い。もう10年もするとコマ劇前って何?なんて読者も出てくるのかね。

前半部は中弛みか読む速度が落ちたが、後半からの惹きつけ方は素晴らしい。

歌舞伎町を題材にした作品は多いけど、街の描写が時代時代で変わって行き、あーそんなのあったななんて懐古も楽しみ方の一つですね。

初めて読む作家だったが、これからは手に取っていこう。ぜひとも、他の作品も読んでみたい。

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