黒服の日々 窃盗事件 キャスト詰め
どこにでも手癖の悪い人間はいるもの。
対価とリスクがどう考えても均衡しないにも関わらず。ある種の病と言える。
先日の狂犬の乱で、彼は解雇された。
元々曰く付きの人間だったようであるが、様々な理由から雇わねばならなかったようだ。
しかし、ここにきてようやく解雇できる理由ができ、お役御免に。
その間に消えた物は、従業員の財布、鞄、高級香水、高級スーツ。総計すると中々の額に及ぶ。
確たる証拠がないので、詰めることはできず。
さて、そんな件に続き、先日、キャストによる窃盗事件が発生した。
パクった物は、他キャストの私物の靴だ。
金額的には二十万弱。
盗みを働いたキャストは大胆にも、堂々と手に持って出て行ったらしい。見上げたものだ。
しかしながら、そんな杜撰な運びでバレないはずもなく、目撃者多数で、秒で発覚。
被害者当人から、社員、幹部、代表による話し合いが設けられる。事の経緯、対応策。
実にスピーディーだ。
この辺りの対応の速さは、役所関係や、無駄な生産性のない会議に時間を割いている一般企業も、ぜひ見習うべきだ。
当然、ダメでしょ、コラ。
という注意で終わるわけもなく。
詰め方をどうするか。
盗みを働いたキャストは、ある人物の紹介者であるらしく、こちらの対応策を複数検討の上、紹介者に事の経緯説明と事後対応策を報告。
盗みを働いたキャストへの事実確認方法を検討。
バックれられては元も子もないので、先の先を取る。
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