悪行に手を染めていた浮浪孤児達も、まともに商いに精を出し、学校へ通えるようになった矢先、またあの暗い生活に戻ってしまうのか
人々よ。
戦争が終わり、全てが瓦礫と化した街。
大阪の闇市で、出会ったのは戦争孤児、ヤクザの親分、五百円で売りに出されていた6歳の少女。
無一文、正に裸一貫から商売を始める。
徐々に復興の兆しが見え始め、経済正常化の為に闇市も解体へ向かう。
明日を生きる為に、悪行に手を染めていた浮浪孤児達も、まともに商いに精を出し、学校へ通えるようになった矢先、またあの暗い生活に戻ってしまうのか。
江上作品にしては、あまり悪人が登場しなかったが、人々が“生きる”ということにシャカリキになっていた様が胸を熱くする。
現代の日本は、戦後の焼け野原の様に食べ物がなく飢えるということはないはずだが、一方、公立小学校の給食費すら払えない世帯も存在する。
ネカフェ難民なんて言葉も何だか、さして珍しいものではないような感覚麻痺も否めない。
アベノマスクで、あの金の使い方は妥当なのだろうか。有事の際は、あちらこちらで色々な発言が飛ぶ。民主主義だから当然だ。
しかし、何だか難癖としか言えないような歪んだ正義漢を喚き散らすものもいるな。
とにもかくにも、食は生きる上にはなくてはならない。食は人々に笑顔を生む。