百軒長屋 貧乏神の絵師が福の神に
人々よ。
所は天下の台所、大坂は福島羅漢まえ。
四軒長屋、八軒長屋どころか計画なしのやたらめったら増築し過ぎた百軒長屋。
「日暮らし長屋」と呼ばれるボロ家に棲まう絵師は貧乏神と呼ばれ、大名家のお抱え絵師であったが、今は筆作りの内職で糊口を凌ぐ日々を送る。
そんな長屋に一枚の絵がある。
付喪神となった疫病神が絵の封印から飛び出し、不思議な日々が巻き起こる。
長屋の長男たちのすったもんだの珍事が頻発する中、ひょんなことから福の神と呼ばれる若旦那と出会い、毎度の珍事を解決してゆく。
長屋の心温まる人情もの。
えてして、世の中ネガティブなことも多々起こるが、気の持ちようで何とでもなるよなと無責任だが優しい示唆を拾うことができる一冊でした。