マガジンのカバー画像

書籍紹介

310
蔵書です。 個人の所感ですので、悪しからず。
運営しているクリエイター

#歴史

『もし、日本が中国に勝っていたら』

『もし、日本が中国に勝っていたら』

歴史にもしもはないと言われるが、戦後数十年を経た現在、改めてもしもあの時、こうしていたら、戦争は避けられたのではないか、被害をもっと抑えることが出来たのではないかと次代に向けて鑑みることは重要ですね。

本作を日本人がこのタイトルで書いたなら、全く違う結論になっていただろうか。

本書終盤の、日本のような中国、中国のような日本という国があったなら、あの時欧米列強は座視しただろうかという一節、実に感

もっとみる
台湾人。かつて日本人と呼ばれた人々

台湾人。かつて日本人と呼ばれた人々

人々よ。

国の事情で翻弄された人々。

1895年から五十年間に渡り、台湾は日本の統治下にあった。

日本人として教育され、兵に出征し、多くの血を流した。

そして、日本の統治が終わると、今度は敵国である中華民国の人間になる。

民族アイデンティティ。

自分は日本人なのか、中国人なのか。

また、台湾を統治下に置くべく蠢く各国とは別に台湾原住民がいる。

一番の被害者は彼らだろうな。

現在、

もっとみる
戦国と幕末の転換期を生き抜いた男たち

戦国と幕末の転換期を生き抜いた男たち

人々よ。

戦国と幕末の歴史の転換期を生き抜いた男たちを綴った歴史エッセイ。

関ヶ原決戦から大坂落城、忠臣蔵、赤穂浪士から、幕末の新撰組へと。

日本史の教科書よりは余程面白いとは思うものの、司馬氏観ではないが、池波観があるので、ユニークと捉えるか。

新撰組の中で大正四年まで生き続けたのが永倉新八。77歳まで生き、孫を連れて映画を観たそうな。
こっちの方が面白そうだな。

歴史上マイナーだが、くせものと呼ばれた男たち

歴史上マイナーだが、くせものと呼ばれた男たち

人々よ。

依田信蕃、佐々成政、伊達与兵衛、今村掃部助、松平忠直、久世但馬守、野本右近、本多富正、御宿勘兵衛。

歴史上、関連書籍が少なく割とマイナーな人物が多く登場する。

信長、秀吉、家康の天下人三人の流れの中で、北条の滅亡から大坂の陣までを、御宿勘兵衛を軸にくせものと言われた男たちが活躍する。

マイナーだからこそ、自由に物語の中で活躍できるな。

若き作者の蓑輪諒。

彼の人選が実に粋なこ

もっとみる
公判370回

公判370回

人々よ。

日本の過去15年を裁く世紀の大裁判、極東国際軍事裁判。またの名を東京裁判。

戦勝国が敗戦国を裁く。
開廷以来2年半余り、370回に及ぶ公判。

戦史については読み聞きはしてきたものの、東京裁判そのものについて取り上げられたものを読むのは初めてだったが、その実情は何とも形容しがたい。

時代というか...

毎年、首相の靖国参拝がメディアに取り沙汰されるが、この裁判が素地にあると思うと

もっとみる
本当の話 娘売ります

本当の話 娘売ります

人々よ。

紹介しよう。

昭和7年3月、東アジアに忽然と出現し、昭和20年5月に跡形もなく消え去った人造国家、満州。国土面積は日本列島の3.4倍にものぼる。

昭和初期の大不況によって、「娘売ります」の看板を出さなければならないほど経済的に追い詰められた東北の農民たちにとって、五族共和、王道楽土を標榜した満州は、貧しさを脱するきっかけとなるかもしれない新天地だった。

阿片密売の総元締めとして、

もっとみる