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書籍紹介

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蔵書です。 個人の所感ですので、悪しからず。
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#満州

『もし、日本が中国に勝っていたら』

『もし、日本が中国に勝っていたら』

歴史にもしもはないと言われるが、戦後数十年を経た現在、改めてもしもあの時、こうしていたら、戦争は避けられたのではないか、被害をもっと抑えることが出来たのではないかと次代に向けて鑑みることは重要ですね。

本作を日本人がこのタイトルで書いたなら、全く違う結論になっていただろうか。

本書終盤の、日本のような中国、中国のような日本という国があったなら、あの時欧米列強は座視しただろうかという一節、実に感

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現在の日本の民主主義は満州事変に端を発すると言っても過言ではないのか

現在の日本の民主主義は満州事変に端を発すると言っても過言ではないのか

人々よ。

1931年9月18日、中国東北部で勃発した紛争に世界は震撼した。

国際連盟は実情把握のため、リットン卿を団長とする調査団を派遣する。

日本、中国、満州、朝鮮。

一行は行く先々で昭和天皇、張学良、溥儀ら錚々たる面々と会い、また名もなき民衆の生活をまのあたりにした。

本書はもちろん、一部抜粋である。

これまで、満州関係の著書は日本人によって書かれたものしか読んだことがなかったが、

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13年5ヶ月で消滅した満州帝国。10歳の少年が戦地を独り生き抜くその奇跡は手に汗握る

13年5ヶ月で消滅した満州帝国。10歳の少年が戦地を独り生き抜くその奇跡は手に汗握る

人々よ。

日本人である福岡県柳川の旧家柳川藩立花家の名門一家の父と、ロシア帝国最後の皇帝ニコライ二世直属のコサック近衛騎兵を務めたロシア人を父に持つ母、サムライとコサックの混血、白系ロシア系日本人のビクトル古賀のノンフィクション。

41戦全て一本勝ちのサンボの生ける伝説のビクトル古賀の満州からの日本までの引き揚げを綴る。

満州関係の文献になるとどうしても、陰鬱にならざるを得ない。

が、この

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戦後を全力で生きるというのはこういうことか。活力をもらえます。

戦後を全力で生きるというのはこういうことか。活力をもらえます。

人々よ。

女優熊谷真実、松田美由紀の母にして、故松田優作の義母である熊谷清子の半生を綴った一冊。

二歳で満洲から引き揚げ、山口県で幼少期を過ごし、静岡での女工時代、多感と言うよりは腕白な青春を過ごし、文通から出会い、東京で後に旦那になる男と出会うわけだが、そこで手籠に...

しかし、結婚早々、式の宴席中に実は結婚歴ありの子供ありの新事実発覚。結婚するも妾、二号、愛人と、奔放な亭主。

どこか

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本当の話 娘売ります

本当の話 娘売ります

人々よ。

紹介しよう。

昭和7年3月、東アジアに忽然と出現し、昭和20年5月に跡形もなく消え去った人造国家、満州。国土面積は日本列島の3.4倍にものぼる。

昭和初期の大不況によって、「娘売ります」の看板を出さなければならないほど経済的に追い詰められた東北の農民たちにとって、五族共和、王道楽土を標榜した満州は、貧しさを脱するきっかけとなるかもしれない新天地だった。

阿片密売の総元締めとして、

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