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書籍紹介

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蔵書です。 個人の所感ですので、悪しからず。
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#文化

陰陽五行の式神『鴨川ホルモー』

陰陽五行の式神『鴨川ホルモー』

人々よ。

戦に敗れたその瞬間。

自らの意識とは別に、口から叫ばされる言葉。

力の限り咆哮する「ホルモーーーーッッ!!」
陰陽五行の式神による災いか。

記紀や歴史書に載らぬ、その土地土地の語り部の口伝によってのみ言い伝えられる文化、儀式。

もしや、あるのかもと思わせるそれ。

また、呪術的な謎の言葉。

万城目学節が全開な一冊でした。

戦争における正義、責任、国による文化的差異、教育の脅威、その示唆は実に富む

戦争における正義、責任、国による文化的差異、教育の脅威、その示唆は実に富む

人々よ。

舞台は巣鴨プリズン。

戦犯達を裁くための拘置所。

現在池袋サンシャインの旧跡だ。

戦時中に消息を絶った知人の情報を得るため巣鴨プリズンを訪れた私立探偵。

調査交換条件に、囚人貴島の記憶を取り戻す任務を命じられる。

貴島なる囚人は恐ろしく頭脳明晰だが、戦争中の記憶が失われており...

拘置所内で立て続く服毒殺人事件の果てに...

一冊のミステリとして面白いことは間違いないが

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江戸の下半身事情

江戸の下半身事情

人々よ。

一口に江戸時代と言っても300年近くあるわけで。

鎖国により、完全ではないが外からの文化流入が狭まると、独自の文化、風俗が発達する。

そこに、大量の外の文化が入り込むと、進化、そして、また同時に淘汰、侵食も始まる。

善し悪しは別として。

さて、タイトルの通り。実に面白い。

町人文化ってのは、本当に笑わせてくれる。

とある馬を引いて歩く酩酊状態の男がいたと。

たまたま出くわ

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日本は外国人にどう見られていたか

日本は外国人にどう見られていたか

人々よ。

江戸時代から明治への開国期。

何を見て、何に驚き、何を考えたのか。

数多ある外国人が残した日本見聞記の総集編。

外国人による日本見聞記を読みたかったので、とっかかりとしては非常に有用だった。参考文献が非常に満載だ。

ただ、引用部分が全て太字なので、やや読みづらいのが玉に瑕。

開国期の変遷を見ると、改めて日本の良いところ変わってしまったところがよく分かる。

衣食住のどれについ

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