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書籍紹介

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蔵書です。 個人の所感ですので、悪しからず。
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#中国

『もし、日本が中国に勝っていたら』

『もし、日本が中国に勝っていたら』

歴史にもしもはないと言われるが、戦後数十年を経た現在、改めてもしもあの時、こうしていたら、戦争は避けられたのではないか、被害をもっと抑えることが出来たのではないかと次代に向けて鑑みることは重要ですね。

本作を日本人がこのタイトルで書いたなら、全く違う結論になっていただろうか。

本書終盤の、日本のような中国、中国のような日本という国があったなら、あの時欧米列強は座視しただろうかという一節、実に感

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13年5ヶ月で消滅した満州帝国。10歳の少年が戦地を独り生き抜くその奇跡は手に汗握る

13年5ヶ月で消滅した満州帝国。10歳の少年が戦地を独り生き抜くその奇跡は手に汗握る

人々よ。

日本人である福岡県柳川の旧家柳川藩立花家の名門一家の父と、ロシア帝国最後の皇帝ニコライ二世直属のコサック近衛騎兵を務めたロシア人を父に持つ母、サムライとコサックの混血、白系ロシア系日本人のビクトル古賀のノンフィクション。

41戦全て一本勝ちのサンボの生ける伝説のビクトル古賀の満州からの日本までの引き揚げを綴る。

満州関係の文献になるとどうしても、陰鬱にならざるを得ない。

が、この

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五権による政府の治権を、人民のもつ選挙権、罷免権、創制権、複決権の四権で管理する体制

五権による政府の治権を、人民のもつ選挙権、罷免権、創制権、複決権の四権で管理する体制

人々よ。

孫文は、中国に適した理想的な共和国の建設を目指した。

彼の言う「三民主義と五権憲法の国家」である。最も完美な国家であった。

欧米における議会制民主主義の欠陥を克服したものであり、またソ連型の社会主義国家をも超えるものであった。

孫文の目指したものは、主権在民の大原則下、五権分立の憲法と民権の直接的行使による地方自治の徹底。

五権分立とは立法、司法、行政、考試、監察の五権により、

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規範意識の希薄さと職業倫理なき拝金主義に彩られた国

規範意識の希薄さと職業倫理なき拝金主義に彩られた国

人々よ。

中国社会を彩る規範意識の希薄さと、職業倫理なき拝金主義に彩られた中国には今後、日本とはまったく異なるタイプの「資本主義」が出現することになるだろう。

一口に資本主義と言ってもタイプがあり、ライン型資本主義(旧日本型など)企業経営の重点が長期視点(安定発展重視)、企業は誰のものかが利害関係者全体のものと捉えるなど、ネオアメリカン型(市場原理主義)企業経営の重点が短期的視点(利益重視)、

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