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書籍紹介

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蔵書です。 個人の所感ですので、悪しからず。
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#太平洋戦争

第一次世界大戦から真珠湾攻撃開始までの二重スパイの攻防

第一次世界大戦から真珠湾攻撃開始までの二重スパイの攻防

人々よ。

『ジョーカー・ゲーム』シリーズ第二弾。

魔王こと結城中佐率いる諜報機関D機関の陰で、もう一つの諜報組織"風機関"が設立。

死ぬな、殺すなのD機関に対し、風機関は地方人とは異なる軍人エリートとして、躊躇いなく殺せ、潔く死ねを訓示とする。

第一次世界大戦から真珠湾攻撃開始までの二重スパイの攻防を綴る五篇の一冊。

テンポは変わらず、シリーズものでも勢いは衰えず。

ただ、第一作から読

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GHQにより封殺された日本の航空史

GHQにより封殺された日本の航空史

人々よ。

太平洋戦争が勃発する数年前。

1939年、世界一周飛行を果たすニッポン号を物語る一冊。

戦後、GHQにより封殺された日本の航空史を解き明かすヒューマンストーリーだが...

史実に基づく素晴らしいテーマなのに、恋愛色を入れ込み過ぎたため、全体像がかなり陳腐化してしまって非常に残念。

もっと、ジャーナリズムに軸を寄せれば、個人的には好ましい作品でした。

ただ、それがこの著者の良い

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日本海軍における二人のリーダーの光と影を軸に誕生から消滅まで

日本海軍における二人のリーダーの光と影を軸に誕生から消滅まで

人々よ。

戦争について大本営について書かれたものを読むと、陸軍について多かったが、海軍について読むのは気付けば少なかったな。

海の山本、空の山本。

日本海海戦で歴史に残る完全勝利をおさめた山本権兵衛。日本を破滅へと導いた真珠湾奇襲の山本五十六。

ペリー来航以来、日本海軍における二人のリーダーの光と影を軸に誕生から消滅までが書かれた一冊。

華々しいという言葉を使って良いのか微妙だが、海軍の

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八紘一宇

八紘一宇

人々よ。

国家の行為に関して、国家の機関であったがゆえに個人が個人責任をおうという法理は、古今東西に例をみないという弁護団の主張。

検事側が侵略思想とみなす「八紘一宇」は、太平洋戦争前の日米諒解案で「ユニバーサル・ブラザーフッド」(世界同胞主義)と訳され、同じく「皇道」は「治者と被治者が一心になること」、つまりは「皇道とデモクラシーと、二つの思想の間に本質的な差」はない。

清瀬弁護人の論が真

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公判370回

公判370回

人々よ。

日本の過去15年を裁く世紀の大裁判、極東国際軍事裁判。またの名を東京裁判。

戦勝国が敗戦国を裁く。
開廷以来2年半余り、370回に及ぶ公判。

戦史については読み聞きはしてきたものの、東京裁判そのものについて取り上げられたものを読むのは初めてだったが、その実情は何とも形容しがたい。

時代というか...

毎年、首相の靖国参拝がメディアに取り沙汰されるが、この裁判が素地にあると思うと

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