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書籍紹介

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蔵書です。 個人の所感ですので、悪しからず。
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#ハードボイルド

六本木射殺事件『クズリ』

六本木射殺事件『クズリ』

人々よ。

四半世紀以上前に、この世から消え死んだはずの殺し屋クズリが六本木射殺事件を期に蘇る。

チャイニーズマフィアの東北幇、上海幇、怒羅権、日本のヤクザにロシアマフィア、ウクライナにコロンビア。

銃に刀に、酒と女。

宗教と経済、愛と聖書と、死と虚無と。

ハードボイルド要素満載に、柴田氏の現実社会のジャーナリズムも散りばめて。

渋い。嗚呼、渋い。

『ハードボイルド・エッグ』浮気調査二割の迷探偵

『ハードボイルド・エッグ』浮気調査二割の迷探偵

人々よ。

固茹で卵。

フィリップ・マーロウに憧れ、ハードボイルド探偵を気取るも、ウィスキーストレート数杯で胃に穴が開き、ソーダ割にして、あてはおでん、請負う仕事は銃弾飛び交う修羅場とは程遠い、ペット探し八割、浮気調査二割の迷探偵。

助手は、はち切れんばかりの盛り上がった乳房に、山脈に似つかわしくないくびれ切ったウエストのダイナマイトバディ娘、の他人の写真で助手募集に応募してきた満州から引き上

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ハードボイルド臭

ハードボイルド臭

人々よ。

アウトシリーズ二作目。

マル暴ものを超えて、もはやアメリカアクションムービーばりの展開に。

シリーズ一作目を凌駕する展開とスピード感。

モデルになってるのは山口、極東、稲川、少し前、一世風靡した関東連合などを随所に散りばめ、メキシコマフィアに殺し屋と。

警察ものではあるが、なんだかハードボイルド臭が色濃いシリーズになってきた。

良作であるだけに、次作で失走しないことを期待した

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猟奇シーンの描写がこんなにもエグかっただろうか。

猟奇シーンの描写がこんなにもエグかっただろうか。

人々よ。

姫川シリーズ第一作。

誉田作品は久し振りに読んだけど、猟奇シーンの描写がこんなにもエグかっただろうか。

『歌舞伎町セブン』なんかの時はもっとハードボイルド色が強かったか印象だったが。

何にせよ、刑事物としては良いスピード感でした。

淡々と事務をこなす優秀な調査員

淡々と事務をこなす優秀な調査員

人々よ。

探偵もの短編集。

探偵ものだが、ハードボイルド感は皆無の実に静かな物語。

探偵というよりも、優秀な調査員といった方がしっくりくる。淡々と実務をこなしてゆくが、何とも味気ない。

キャラは立たせず、ただただ静かに物語は進んでゆく。無機質さというか、ドライさは申し分ない。
しかし、読み物としては緩急があった方が好みだな。

恋する組長

恋する組長

人々よ。

東西の指定広域暴力団と地場の組織が鎬を削る街に事務所を開く私立探偵。

案件依頼主はほぼヤクザ。にも拘らず、愛犬探し。
ハードボイルドでありながら、コメディ要素がふんだん。

初めて読む作者だが、他の作品もぜひ読んでみたいもの。

短編集の各話がこれだけ濃密な仕上がりになっているのは、かなりの手腕の持ち主だな。

キャラ立ちも秀逸でした。

妻子を失い超法規的措置

妻子を失い超法規的措置

人々よ。

元警視庁組織犯罪対策部の影野竜司。

在籍中、さる時間で妻子と相棒を失い組織を辞す。

10年後、超法規的な手段でトラブルシューターとして生きることに。

闇社会から「もぐら」と恐れられ、正義の名の下に警察には頼れない民の依頼を手がけてゆく。

元組対とは言え、凄まじいアクションだ。

プラスチック爆弾からサブマシンにショットガン。

王道中の王道なハードボイルド。
分かりやすくて非常

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コマ劇前 カセットテープ 骨太

コマ劇前 カセットテープ 骨太

人々よ。

KSP、歌舞伎町特別分署。

新署長が赴任の朝、署の正面玄関前で、容疑者を連行中の刑事が雑居ビルから狙撃される。

歌舞伎町、ヤクザ、チャイニーズマフィアと、一聞きすると手垢のついた構成だが、ハードボイルドの中に人情派が見え隠れし、骨太が好ましい。

しかし、登場する小道具がMDでもCDでもなく、カセットテープという時代を感じさせる描写が尚良い。もう10年もするとコマ劇前って何?なんて

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