2022年12月の記事一覧
『ドS刑事 朱に交われば赤くなる殺人事件』
シリーズ二作目。
今回は浜松署の代官山が、ドS刑事マヤの管轄、警視庁へ出向。
新たな新キャラ、ドMのキャリア刑事浜田が登場。
女の嫉妬による殺人、波及伝播する殺意。
構成的には、前作と同じ。
シリーズ化すると、ダレてくるからな。
次作はどうか。
『ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件』
『死亡フラグが立ちました』の著者の一作。
中盤辺りまで、なんの変哲もないあまりにもオーソドックスなミステリだと飽き始めていたが、ミッシングリンクものだと気付いてからは中々面白い。
負の連鎖。負の感情のカオス理論。
バタフライエフェクト、つまり風が吹けば桶屋が儲かる理論で殺人事件が繰り広げられる。
ドSでツンデレな猟奇マニアの超美人デカという設定でなければ、かなり暗いハードなミステリだったん
車椅子の殺し屋『抹殺』
人々よ。
特別養護老人ホームの施設長と難病にかかり10年後には寝たきりになる車椅子の殺し屋。
東作品のハードボイルド殺し屋ものにしては異色な感があるな。
ただ、榊原シリーズなんかに比べるとやや物足りない。
西の歌舞伎町と呼ばれた町田。『まほろ駅前番外地』
人々よ。
前作『まほろ駅前多田便利軒』のスピンオフもの。
六つの短編集。
西東京最大の歓楽街まほろ町。ま、言わずもがな町田ね。
前作では、主人公の多田の目線を通して語られたが、本短編集では前作の脇役達の目線で紡がれる。
中でも、曽根田のばあちゃん編は中々良い。
町田にまだ、原町田駅があって、今の仲見世商店街が戦後の地元の最新のアーケードだった頃が描かれ、ばあちゃんの一代恋愛記が語られる
『ザ・ロング・アンド・ワインディングロード 東京バンドワゴン』
人々よ。
シリーズ11作目。第1作から12年が経つ。
一作目では小学生達だった曽孫達も、今や受験を控える高校生に。
一作一作で着実に齢を重ねてゆく経過が温かい。
本作では、堀田家、初渡英。
安定のハートウォーミング家族物語。
次作まで、また一年待つのか。