<お米バンクプロジェクトVol.3>いよいよ収穫の秋!&寄付を目前に見えてきた、いろいろな課題について
こんにちは!一般社団法人オフィスkiyoharuです。
北杜市は朝晩の気温がぐっと下がり、コスモスが咲き、ススキが揺れ…
そして何より、田んぼが黄金色に輝く、収穫の秋がやってきました!
稲刈りを始めている田んぼも多く、稲小積みに秋の空、とてもいい風景です。
お米バンクプロジェクトで育てているお米も、いよいよ収穫の時期を迎えています。
今回は、いよいよ収穫から寄付に向けての準備のこと、そしてその中で見えてきた課題についてお話したいと思います。
お米の収穫が始まりました!
農業法人こぴっとの三井社長にお米の生育状況についてお伺いしたところ、「今年は台風の影響で雨が多くて、実はちょっと収量が落ちそうで…」とのこと。
今年、こぴっとに前払いし、納品してもらおうと設定してたお米の量は、59袋(たい)。
「袋」というのは、一般の方にはなじみのない単位かもしれませんが、1袋=30kgのこと。つまり、59袋は1.77トンのお米です。
1.77トンのお米って、具体的にどのくらいの量か想像できますか?
農林水産省の統計によれば、1人当たりの米の年間消費量は50.8kgとのことなので、約35人分の年間のお米の消費量ということになります。
収量が落ちてしまった影響で、当初予定していたコシヒカリだと、予定の量を納品できないかもしれないとのことで、三井社長からは代わりに「五百川」という品種での納品を提案していただきました。
五百川は山梨県産の新品種で、コシヒカリを選抜して作られた、生育の早いお米です。
http://www.gohyakugawa.jp/
前払いを行った時点では品種の指定などはしていなかったので、
相談の上、五百川での納品をお願いすることにしました。
五百川は8月27日から既に収穫作業に入っているとのこと。
新米を寄付先のみなさんにお届けする日が楽しみです!
さて、プロジェクトが進むにしたがって、いろいろと考えるべき課題も見えてきました。
ここでは大きく2つの課題についてまとめておきたいと思います。
課題①返済期限と量の設定
今回のような天候条件等による納品内容の変更は、今後も十分考えられうることです。
例えばコシヒカリから五百川に品種を変更した場合、品種により市場価格も違うので、前払金に対応するお米の量も当然変更する必要があるでしょう。
コシヒカリは1袋=1万円の価格設定で計算していましたが、三井社長にお伺いしたところ五百川は1袋=1.1万円程度とのこと。そのため、今年度59袋としていたお米の納品量を、53袋に変更することにしました。
また、納品する期間は、何かしらの根拠に基づいて設定すべきとの考えから、購入した機械の減価償却の期間で設定しています。今回は中古の機械を購入したため、2年間という設定にしました。
しかし、納品期間が2年間しかないと、例えばそのうちの1年が過度の不作だった場合、不作の年に少ないお米の中から無理に納品するか、または残りの1年でより多くのお米を納品しなければならず、結果的に農家さんの負担となってしまいます。
前払いをした側(本実証実験ではオフィスkiyoharu)としては、絶対にこの期限内にお米を納品してもらわなければ困る!というものでは必ずしもないと思います。銀行の融資などでは期限を守らなければなりませんが、そうではない手段としてお米バンクのような存在があればいいとも思っています。
例えばもう少し余裕を持って納品する期間を設定し、収量に余裕がある年には繰り上げて納品することも可能にするなど、災害等の不測の事態に備える制度設計が必要になるかもしれません。
課題②精米・袋詰め・輸送のコスト
二つ目の課題として浮かび上がってきたのは、お米を生活に困っている方へ届けるためのコスト。
玄米の状態から精米して白米にし、また各家庭への寄付となると2kgや5kgの袋への小分けが必要となります。
さらに、北杜市の農業法人こぴっとから精米所や袋詰めを行う場所、さらに今回の寄付先であるフードバンク山梨さんに運ぶには輸送のコストもかかります。
実証実験で小規模に…と始めた今年度当初は、1.7トンものお米を実際に動かす想定ができておらず、こうしたコストを完全に計算に入れていませんでした…。
寄付先であるフードバンク山梨さんは、全国に先駆けてフードバンク事業を行ってきた認定NPO法人。フードロスや貧困問題に長い間取り組んでこられ、山梨県内で幅広く活動されています。
https://fbyamana.fbmatch.net/
お米の精米や輸送についてフードバンク山梨さんにご相談したところ、今回は大口の寄付ということで、北杜市まで玄米を引き取りに来ていただき、精米・袋詰め・輸送等の手配をしていただけることになりました!
今回はフードバンクさんのご厚意で、また幸いそうした制度が整っている団体さんへの寄付だったということで、こうしたコスト面はクリアできましたが、今後お米バンクプロジェクトを制度として確立させていくなかでは、おそらくもっと多くの量のお米が動くことが予想されます。
精米等のコストも、返済量を設定する際に加味して考えるべきかもしれないということは、この実証実験を行ってみてわかった一つの課題となりました。
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実証実験を始めた当初には思いもよらなかったことがいろいろと浮かび上がってきて、やってみることの大事さを実感する今日この頃です。
次回のnoteでは、いよいよフードバンクさんへの寄付の様子をお届けしたいと思います!
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