新しい資金調達の形とは?~billage OSAKA×FUNDINNOイベント第一弾~
11月2日(金)、billage内にて株式会社日本クラウドキャピタル、billage OSAKA(株式会社MJE)主催の「請求書の電子化システム開発で事業拡大! 〜Bank Invoice株式会社の新しい資金調達の形〜」が開催されました。
このイベントは「新しい資金調達の形」と題し、billage OSAKAに集まるスタートアップ企業向けに、スタートアップや事業拡大の支援を行うために開催します。
今後はこのイベントから資金調達のサポートをしたり、FUNDINNOで資金調達した企業に対してbillage OSAKAがオフィス環境を提供したりします。
今後のFUNDINNOとbillage OSAKAの資金調達サポートにご期待ください!
というわけで、今回はその第一弾イベント。
FUNDINNOで資金調達に成功したBank Invoice株式会社さんをお呼びしてトークセッションを行いました。
今回の登壇者はこちら。
手島 太郎 さん (Bank Invoice株式会社 代表取締役社長)
早稲田大学社会科学部卒業後、国内メーカーの本社経理部に配属。業務改善活動を通じて、経理業務の効率化を追求したノウハウをもとに2015年に起業。請求書を原本のまま送受信、データ共有ができる「Bank Invoice」を開発し、17年11月より有料版の提供を開始する。日本初の株式投資型クラウドファンディング「FUNDINNO」の第1号案件としても注目を浴びる。
大浦 学 さん (株式会社日本クラウドキャピタル 代表取締役 COO)
明治大学大学院グローバルビジネス研究科でマーケティングを研究し、同研究科で代表取締役CEO柴原と出会う。 ベンチャー企業の育成に貢献するというお互いの理念が一致。2012年5月にデジタルコンテンツの企画、立案、製作、開発を行うシステム会社を創業し、2年目には黒字化を達成。地域活性化アプリの開発から自治体との関係性が深まり、箱根町の支援を受け2014年1月に一般社団法人はこねのもりコンソーシアムジャパンの理事として創業し、 同法人の会員管理システム及び、UI/UXの設計を含めての包括的なWEBシステムの開発を行う。イベントの集客から WEBマーケティング、SNSマーケティング、CRM(顧客関係管理)などユーザーの満足度、ロイヤリティを高める実践マーケティングに従事。
まずは日本クラウドキャピタル代表取締役の大浦さんがFUNDINNOの紹介をしてくださいました。
新しい資金調達の形、株式投資型クラウドファンディングとは
大浦さんは以前、自身でIT系の会社を立ち上げて働いていましたが、アメリカの新しい資金調達の形としてWeb上での資金調達を知りました。
最初期に日本でWeb上の資金調達サービスを展開。しかし、ベンチャーキャピタルや銀行などの金融機関から資金調達をするには、実績や免許など信用を得るためのものが必要であることが多かったため、資金調達には苦労されたそうです。
当時の大浦さんと同様に、これから起業する人や起業して間もない人たちがどれだけ面白いアイデアを持っていても、なかなか資金調達まで結びつかない現状があります。そんな、資金調達をしたいと望んでいる起業家たちに「チャンスを提供したい」という想いで大浦さんは株式投資型クラウドファンディング「FUNDINNO」を立ち上げました。
株式投資型クラウドファンディングとは、Web上で行われる、資金調達をしたい企業の株を投資家が購入することで資金を集める方法です。
FUNDINNOに登録している投資家の特徴として、商品・サービスに新規性と独自性があるかで判断している投資家が6割ほどいることに対し、安定性があるか、という判断基準で投資をしている投資家は実に14%程しかいないそうです。(数値はJCC調べ)
そういった「新規性」「独自性」という判断基準で投資する人が多いため、画期的な商品・サービスにおいて高額な資金調達が成功しているのかもしれませんね。
大浦さんのお話は、自社のサービスだけではなく、資金調達という点で投資家の特性や今のクラウドファンディングについてとても分かりやすかったです。
「紙をなくす」ことで「経理をなくす」
続いて登壇していただいたのはBank Invoice株式会社 代表取締役社長の手島さん。
手島さんはもともと経理として働いていたそうですが、当時から「なんで紙でやっているんだろう」という疑問を持っていました。
経理の業務改善をするにも、紙で行っていると限界もある。
ここ15年でMAや分社化などの手段で会計、経理部門は大変効率化されてきたが、それでもどうにもならないこともあり、当時「経理は会社の中で一番ブラックだ」とまで認識していた手島さんは、「仕組みさえ整えればよい」と考え、どうするかを考えました。
自身が経理であったという経緯から、ITを活用した事務処理サービスを展開した手島さん。
Bank Invoiceさんは、「経理のすべてをBank Invoiceさんで請け負うこと」でこの問題を解決するといいます。
『「紙をなくす」ことで「経理をなくす」』といいますが経理をなくすことは決して悪いことではありません。
より正確に、より簡単に、より負荷なく経理処理ができ、そして経理とかかわっている営業からなにからがすべてよくなるからです。コスト削減にもなりますしね!
Bank Invoiceさんの仕組みはシステムとシステムをつなげること。
請求書を発行する側と請求書をもらう側の企業と企業をつなげることで、紙でやり取りしていた膨大なやり取りを1システムで行うことができるのです。
ではなぜ紙をなくすのか?
紙は膨大な物質的な量を伴う媒体です。膨大なデータの中から必要なデータを探したり保管にも場所をとってしまいます。企業間のデータ連携も阻害してしまいます。
そこで、昔はその紙のデータを検索しやすくしたり、保管をしやすくしたりしようとしていましたが、手島さんはその先を超えて、紙の上のデータを一元で管理出来、データベースに保存し、みんなで共有できるようにしようと考えました。
しかし、ここで壁となるのが「原本」問題。
一取引一請求という考えのもと、原本がないと振り込みができないという考え方が今まで経理の中にはありましたが、Bank Ivoiceさんを介することで、送り手がデータを確定し、受け手が閲覧する、というデータが原本の役割を果たせるようにしたのです。
こうして、紙がなくてもしっかり経理処理が行えるような仕組みを考えたのです。
普段あまり意識しない経理の効率化について、そのことが持つ意味や意義も併せて考えられるお話でした。
さて、ここからは質疑応答を交えた、大浦さんと手島さんのトークセッションです。
「Bank InvoiceさんがFUNDINNOさんの初めての案件ということで、その裏側を知りたい!」という質問に対し、お二人は苦笑いしながら口をそろえて「大変だった。」と答えました。
手島さん
「どんなことであれ初めてのことをなすときは反対意見など突っ切る必要がありますよね。僕が最初に思ったのは、FUNDINNOさんはとてもコンプライアンス意識が高いということでした。もともと僕がいた会社もコンプライアンス意識が高いほうでしたが、それ以上に高かったです。そんなFUNDINNOさんだったからこそ、この株式投資型クラウドファンディングが成り立っているんだろうな、と今でも思います。」
大浦さん
「最初のほうの案件は深夜であろうが電話していろいろとやり取りしていましたね。それに、この仕組みで資金調達したいっていう会社なんてないよ、と言われたり、いたとしても投資する投資家もいない、と当初はすごく言われました。けれど、第一号案件としてBank Invoiceさんが募集を公開した時、朝5:00にゲリラ的に情報開示したにもかかわらず、8:00には上限の1500万円が集まったのを見て、やっぱり投資家たちの期待値が大きかったんだろうなと実感しました。」
手島さん
「最初、4:00にスタートすると聞いていたので、4:00になっても始まらなくて、3時間後くらいに開始されるかな、と思ってうとうとしてたんですよ。そしたら友人から5:05くらいに電話がかかってきて、『何人か投資家から投資があったよ!』と聞いてすごく安心したのは覚えてますね。それまではすごく不安だったのですが、実際に投資してくれているを目の当たりにするとすごくうれしかったです。」
ここで手島さん、なんとベンチャーキャピタルを当時は知らなかったといいます。
手島さん
「当時はただのサラリーマンだったので、資金調達という考えもなかったんですよ。かといって、当時100社のベンチャーキャピタルの100人の担当者にBank Invoiceのことを説明しても理解はされなかったでしょうね。当時自分の改善体質からも、いろんな人に無駄に話はしないと決めていたのですが、新聞でFUNDINNOさんを見たとき、直感的に電話をしていました。そういうきっかけがあるんですが、そういう点で運が良かったかもしれません。
また、FUNDINNOさんは今後資金調達という点で様々なベンチャーのすそ野を広げると、勝手ながら思ってます。」
新しい資金調達の第一号案件。なんとも素敵なエピソードとともに、今後資金調達を考える人々に良い刺激が与えられたのではないでしょうか。
FUNDINNOさんのホームページ
Bank Invoiceさんのホームページ
billage OSAKAはこれからもこのようなイベントを随時開催していきます!
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