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ひとりで働く、ひとりで稼ぐ。~2人のフリーエンジニアからひも解く「フリーランス」とは~
11月18日、billage OSAKA内にて株式会社div主催「Freelance Engineer Conference in Osaka - 未経験から稼げるフリーランスエンジニアになるための最短ステップ -」が開催されました。
このイベントは毎月開催されているフリーエンジニアのためのイベント。
現役のフリーランスエンジニアを本業として活躍されている方からお話を聞けるということで、プログラミング未経験の方も含めて60名を超える人が集まりました。
今回は現役フリーランスエンジニアの 大島祥裕さん と 堀江健太朗さん のお二方をお呼びしてトークセッションをしていただきました。
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写真の左側が堀江さん、右が大島さんです。
フリーランスになろうと思ったきっかけ
まずはお二人に経歴もざっくり含めてフリーランスになったきっかけを伺いました。まずは堀江さんから。
堀江さん
「もともとは大阪の大学の商学部出身で、理系分野とは関係なく生きてきた人間でした。はじめは自分で01から始めたくてスタートアップをしようと考えていたのですが、周りにエンジニアがいなかったため、自分で勉強しはじめたのが自分がエンジニアなったきっかけです。TECH::CAMPで最初は勉強して、それをベースに創業に関わったり、仕事を受けたりしながら、技術を身に着け、食べるのに困らなくなった、という経歴です。」
フリーランスになろうと思ったきっかけは学生時代にあるといいます。
堀江さん
「最初に仕事を受けたのが学生時代だったのですが、普通のバイトや仕事よりも時間に対する粗利が圧倒的に良かった、ということと、仕事があって稼げた、という経験があったことがきっかけです。」
続いて大島さん。
大島さん
「私はもともと大学では文学部で英語を専攻していて、貿易会社に就職しました。3年くらいたって、もっと自分の生活をより豊かにしよう、もっと自分の給料や時間に対して自由にできる仕事をしたい、と思ったのがフリーランスを志したきっかけでした。もともとは営業をしてたのですが、思い切ってITの業界に転職しました。」
営業職からIT業界への転職。不安はなかったのでしょうか。
大島さん
「スキルも経験もありませんでしたが、当時は未経験でも雇ってくれる会社だったので。そこの会社で2年ほど実務経験を経てから、フリーランスに転向しました。今はフリーランスとしてのキャリアが2年目くらいになりました。」
これまでのキャリアについて
大島さんは正社員経験もあり、参加者も気になるところだろう、ということで大島さんのキャリアについてまずお伺いしました。
大島さん
「もともと物流会社の営業をしていたのですが、大学卒業後3年ほど経ったころ、給料や仕事のやり方に対して疑問を感じていました。自分が今一番にできることは何なのだろう、と考えた結果入ったのがIT業界。退職した当時は知識もスキルもなくどうしようかと悩みました。」
いざIT業界に飛び込んだものの、どうすればいいのか右往左往した大島さん。
大島さん
「動画などで無料で勉強できるところはあったのですが、それほど発展はしておらず、今のようにプログラミングを教えてくれる、自分にフィットする会社もありませんでした。なので、未経験でも雇ってくれる会社に就職して勉強しながら働いていました。」
そこではシステムの拡張や機能の拡張というような仕事をしていました。そんな中、1年ほどたったある日…。
大島さん
「1年ほどたって、一通りの仕事ができるようになってから『会社で働いているのもフリーランスで働いてるのも変わらないな』と思ったんです。それなら、フリーランスになって仕事をしようと決めました。
しかし、やめたのはよかったのですが、そのあとフリーランスとしての自分を売り込むことに壁を感じました。そこで出会ったのが『crowdworks』でした。」
crowdworksは今では大手のクラウドソーシング会社。大島さんはそこで仕事を見つけないかと誘われました。
大島さん
「crowdworksは個人 対 個人で依頼者とフリーランスの人がいる、という形ですが、もう一つ別のサービスのcrowdtechに登録しました。個人と企業を結びつけるサービスです。そこと契約をしてから、小さな企業の仕事を経て、今では大手の飲料会社のシステムを担当しています。」
未経験でIT業界に飛び込んだ大島さんですが、どのようにスキルを上げていったのでしょうか。
大島さん
「未経験の僕でも優しく教えてくれる先輩がいたので、その人に教えてもらいつつ、休日も自分で勉強もしていました。また、会社の中にも若手を育成するためのプログラムもあったので、積極的に参加しました。」
大体一年くらいで一人でできる手ごたえを感じたそうです。また、crowdtechで登録するときにこんなことを言われました。
大島さん
「『実務経験は1年ありますか』と聞かれましたね。クライアント側からは実務経験が1年あるかどうかで線引きされることが多いらしくて。」
堀江さん
「実務経験の代わりにポートフォリオでもいいんですか?」
大島さん
「ポートフォリオでもいいんですけど、やっぱり実務経験のほうがポイントとして高いと思います。クライアントが必要とする人材のことを考えると、ポートフォリオだけでは相当頑張らないと厳しいと思いますよ。」
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ここで堀江さんから大島さんに質問です。
堀江さん
「大島さんは大きく3つのキャリアの段階があると思うんですが、周りの人からはキャリア変更に関して何か言われて、どう対処しましたか?僕はメンタルが弱いので、周りの人に『転職します!』と言って何か言われたらシュン…ってなりそうなんですけど(笑)」
キャリア変更に対する周りの反応。確かに不安に思います。
大島さん
「そうですね…。最初の営業は3年勤めていて、これから伸び盛りなのに!と会社の人には止めれられはしました。けれど、自分の中には強い意志があったのでそこまでメンタルがへこむ、ということはありませんでした。次の転職先に入社するときも、最初から『フリーランスになって独立したい』と言っていたので、退職するときは頑張れ、と背中を押されました。」
スキルの身に着け方について
先ほどの話の中で大島さんは会社勤めで勉強をしながらスキルを身に着けた、とお話ししてくだあしました。
対して堀江さんは全くの未経験でフリーランスエンジニアに。どのようにして技術を身に着けたのでしょうか。
堀江さん
「僕は文系出身で、実はプログラミングの勉強は2回ほど挫折しました。ゴールの設定と周りに聞ける環境があるか、ということが、3回目の勉強で大切なんだと分かりましたね。特に周りに聞ける環境が僕にはなくて。理系の人やすでにプログラマーの人は周りにいるとは思うんですが、文系の僕は本当にいませんでした。一番最初に解決する課題だと思います。」
けれどいくつか方法もある、と堀江さんは話します。
堀江さん
「一つはお金を払ってプログラミングを教えてくれる場所を見つけること。手っ取り早いことがいいです。そして二つ目は、イベントに参加して師匠となるような人と関係を作ることです。プログラマーは引きこもりだと思われがちですが、実はそうではなく、結構アクティブに活動している人が多かったりするので、イベントとかは探せば見つかると思います。」
目的意識と周りの環境。初級者の人はまず、この2点を解決しましょう。
そして、初級者から中級者になるにはわからないこと、やったことのないことへの壁だといいます。
堀江さん
「やったことがないもの、わからないことに関しては自分で勉強しながら解決したり、あとはひたすら手を動かすことです。いわゆる銀の弾丸はないので、手探りしながらでもひたすらにやり続けることですね。参考にはならないかもしれませんが…。」
ちなみに周りにの人に教えてもらう、という環境という点では、最近SNS上で #駆け出しエンジニア というハッシュタグがあるようなので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
仕事の仕方について
フリーランスといえば対象の仕事に対して費用が提示されるイメージがありますが、IT業界では時間給(1ヶ月~3ヶ月)がメジャー。引き抜きだったり年俸の交渉だったり…スポーツ選手のような世界です。
そんな中お二人はどのような形態で仕事をしているのでしょうか。まずは大島さんからお話しを伺いました。
大島さん
「IT業界ではよくある業務体系ではあるのですが、準委託(SES)というものがあります。フリーランスとして初めての仕事の仕方でした。crowdtechに営業をしてもらい、様々な企業の中から自分の持つスキルに合わせてマッチングをしてもらえました。面談を経て契約となります。契約内容は会社には寄りますが、月一定の時間働いてその対価が支払われる、という契約内容がメジャーですね。」
一年契約が多いという大島さん。契約の更新も報酬もその時々の交渉次第といいます。今や売り手市場というエンジニア界。まさにスポーツ選手のような仕事ぶりです。
大島さん
「フリーランスは家で自由な時間を使って仕事をしているイメージがありますが、僕は今普通の社員と同じように会社に出社しています。そういう働き方もあります。」
堀江さん
「会社で働くときと家で働くときと半々という場合もありますよね。ただ僕は、出社することって結構大事だと思っています。僕みたいな怠け者が出社しないで家で働くと、働かない、みたいな時間ができてしまって…。仕事先に催促されるみたいなこともあったり(笑)。きちんと調整はしていますよ!もちろん!(笑)」
堀江さんのような時間を自由にできる働き方と、大島さんのような会社員と変わらない働き方と、フリーランスの働き方といっても多種多様ですね。
自分に合った働き方をしっかり選択すること、これが大切なんですね。
お金のお話
では実際にどのくらい稼げているのでしょうか。あまり具体的な話もできないので(笑)、たとえ話で伺っていきましょう。
大島さん
「そうですね…。IT会社で働いていたたときは大学の初任給くらいだったので月に一、二度飲みに行けるくらいだったのですが、フリーランスになってからは月に半分ぐらいは飲みに行けるようになりました。一年後に契約先を変えたときには毎日飲みに行けるくらいになりました。」
堀江さん
「僕は大島さんとは対照的で、準備なしでやってて最初は苦労しました。お金がない時、総資産が3桁円でした。マジで死ぬなと思って…。ひたすら『仕事くれ!』と周りに頼んでました。たとえ話で言うと、最初はよっちゃんイカを一日一枚食べれるかどうかだったのが、ご縁があって今は飲みに行けるくらいにはなりました。」
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その後はフリーランスに関することからプログラミングに関する質問まで10人以上から質問があり、大変参加者にとって有意義な時間でした。
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billageではこれからもこのようなイベントを随時開催していきます!