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副業PMがモデレートするグループワークの進め方

「Offers Q&A」のプロダクトマネージャーをしています、松本です。
Offers PM Advent Calendar、17日目の投稿です。

Offers PM Advent Calendar 16日目は
tanamakoさんの「Notionでのスクラム・アジャイル開発」 でした。

この記事を読んでいただきたい読者

  • 副業でプロダクトマネージャーを担う方

  • 副業プロダクトマネージャーと協働されている方

  • グループワークのやり方や進行に悩まれている方

自己紹介

「Offers Q&A」のプロダクトマネージャーをしています、松本と申します。
これまでミクシィ、はてな、クックパッドでプロダクトマネージャー、マーケティングマネージャーとして従事し、現在は株式会社フィナンシェでプロダクトマネージャーを務めると同時に今年10月からoverflowで副業プロダクトマネージャーとして働いています。

副業プロダクトマネージャーの働き方

「Offers Q&A」ではOffersのtoC領域全体のプロダクトマネジメントを担当する中野と連携して、プロダクト戦略やグロース戦略を整備してプロダクト開発のビジョンやプランに落とし込む作業を行っています。
基本的には非同期で作業を進め、定期的に中野との1on1やチームMTGでsyncを取りながらプランをまとめていく流れで業務にあたっています。overflow、フィナンシェ共にフルリモートでフレキシブルに動けることから業務の振り分けも効率的に出来ています。
特にoverflowは副業メンバーでも社内情報へのアクセスが比較的自由に行えるなど、フルタイムメンバーとの垣根が少なく、存分に業務にコミットできる環境が用意されています。
今回、副業メンバーの私がグループワークのモデレートをするというのも一般的には珍しい例かと思いますが、overflowの「垣根のなさ」の一端とも言えるかと思います。

今回のグループワークについて

「Offers Q&A」は今年6月にβ版をリリースし、機能改善や運用改善を繰り返しながら知見や課題認識を積み上げてきました。
βリリースから3ヶ月を経てそれらを一旦整理し方向性のアップデートを図ろうとしていたのが、ちょうど私がjoinした10月頃の状況でした。
その後、中野と現状を整理しながら一定の仮説を得た段階でチームメンバーとのワークショップを企画することになりました。
中野と私の仮説検討の過程をチームメンバーとのワークショップで追検討し、仮説検討をよりMECEなものにし、且つチーム内の共通認識を作っていくことが狙いです。

タイムテーブル

  • 前提・背景の共有:10min

  • ワークショップ説明+ユーザーストーリー共有:10min

  • ユーザー心理や行動の背景を書き出す:20min×3(3チームローテーション)→実際には80min

  • 書き出した心理や背景の共有:5min×3(最終ローテのチームが各発表)

  • 休憩10min

  • How(どうすれば)を書き出す:30min→実際には40min

  • Howをグループ分けしてラベル付け:10min

  • Howの投票:5min

  • 投票上位のHowをユーザーストーリー上に配置する

1.ユーザーストーリーに沿って「ユーザー心理や行動の背景」を網羅的に書き出す

3つのペルソナに対するユーザーストーリー(上図)を事前に用意し、それに沿って「ユーザー心理や行動の背景」を書き出す作業を行います。
今回は9名と少し多めの人数でのワークショップとなったので、9名を3名ずつの3チームに分割しました。各チームでそれぞれ1つのペルソナに対する書き出しを行うのですが、それを3チームでローテーションしながらペルソナを変えて書き出しを行います。
全員が全てのペルソナに対しての考察を行えるようにした結果、事前に用意したmiroのスペースが足りなくなるくらい山のようなカードを書き出すことができました。

用意したフレームからはみ出てカードを書き出している様子。(上図)
隙間なくカードが貼られてしまったので、ペルソナ毎の境界が分かるように途中で線を書き足したりしています。

また、今回は「ユーザー心理や行動の背景」を想像する助けとして、既存のQ&A投稿から参考になりそうな過去例をピックアップして事前にmiroに貼付しておきました。(上図)

2.How(どうすれば)を書き出す

書き出した大量の「ユーザー心理や行動の背景」を元に「Offers Q&A」が”目指すべき状態”や”作り上げる状況”を「How(どうすれば〜できるか)」という形式で書き出します。
「How Might We(どうすれば私たちは◯◯できるか?)」形式で解くべき問題を定義する方法はDesign Thinking や Design Sprint などのワークショップにも組み込まれているメソッドです。
今回も「Offers Q&A」が取り組むべきissueのフォーカスを定めるために、この方法で問題の整理を行いました。

既にカオスだったフレームにさらに「How Might We」カードが追加されていきます。(上図)
流石に収拾がつかないのでカードが貼り出される側から、次々に整理用のフレームに移動するようにしていました。

3.Howをグループ分けしてラベル付け&投票

整理用のフレームに移動した「How Might We」カードを一斉にグループ分けしてラベルを付けていきます。この際もラベルはなるべく「How Might We」形式で書き出すようにします。
ラベル分けが済んだら、一通りグループ分けとラベルの内容を確認していきます。内容を把握できたところで各自で投票します。

今回は1人3票として、特に重要と考えるカードに●を付けてもらいました。(上図)
グループでまとめたラベルカードに付けても、個別のカードに付けても構いません。より多く●を集めたグループが「Offers Q&A」として取り組むべき問題ということになります。

4.抽出した「How」をユーザーストーリーに当てはめてプロダクト施策のフォーカスを定める

投票で上位となった「How Might We」をユーザーストーリー上の最も関連する位置に置きます。
これによって「Offers Q&A」が取り組む問題が、どのペルソナのどの行動や心理に関わるものかが明確になります。

今回は「問題の定義」までを一連のワークショップにて整理することができました。この整理によってプロダクトバックログの優先順位を見直したり、新たに必要な施策を検討する土台が整ったことになります。

グループワークをする意味

私は「ブレストやグループワークから最良のアイデアが生まれる」ということは実はなかなか難しいと考えています。どちらかというと「最良のアイデアや施策」は個人の思考の積み重ねによって生まれることの方が多いのではないかと。
グループワークはそうした個人の思考の材料になったり、個人の思考をより深める部分にその価値があると思っています。
今回は私と中野で先行して進めてきた仮説を検証する意図も含めてワークショップを実施しました。結果、メンバーとの考察から仮説の補完ができた部分もありましたし、今回のワークショップで得られた大量の「ユーザー心理や行動の背景」は今後の思考の貴重な材料になると思っています。
またワークショップを経て得た認識は参加メンバーそれぞれの担当領域でも活用できるものになると考えています。

グループワークのメリット

  • 漏れのない、多角的な考察を行う

  • チーム内での共通認識の醸成

  • チームビルディング(メンバー理解、一体感、チームの士気)

この辺がグループワークを実施する意義なのかな、と個人的には思っています。
今回は普段リモートワーク主体で活動しているチームですので「チームビルディング」観点もやはり外せない要素でした。(よってmiroを使用しながらも今回はオンサイトでの実施としています。)
もちろんmiroを使用していますので、同様のワークショップはリモートでも実施できますし、事前に段取りを整理すれば非同期&リモートで実施することも可能です。(個人的にはメンバー負担や調整も軽減できるので非同期&リモートでの実施はおすすめです。)
その時のチーム状況や目的を勘案しながら様々な方法を試行してみるのもグループワークの楽しみの一つと私は思っています。
以上、「副業プロダクトマネージャーがグループワークをモデレートした話」でした。

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