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えびちゅうって良いよなー②

 こちらは先日書いた記事の続きみたいなもの。
 簡単に説明しておくと、私立恵比寿中学の楽曲の中から好きな5曲を選び、1〜5位まで順位付けして投票する、というファン有志企画「えびちゅう楽曲大賞」が行われまして、そこで私が投票した5曲についてちょっとだけ語ったのがこちら。


 今回は個人的な6〜10位について好きなところを語ってみます。こちらの5曲です。

⑥蛍の光(Demo)
⑦新未来センセーション
⑧ヘロー
⑨藍色のMonday
⑩DRAMA QUEEN


⑥蛍の光(Demo)

作詞・作曲・編曲:尾崎世界観

 伴奏はアコギ1本。しかもほとんどただコードを弾いてるだけ。1発録り。その場の空気感と全員の息遣いがぎゅっととじ込められてて、本当にズルい。コードチェンジの合間に開放弦の音が鳴っちゃうのがとてもリアル。

 声質も響きもバラバラで、ピッチもダイナミクスの加減も、歌い始めるタイミングや声の伸ばし方・音の切り方も不揃いだけれど、それぞれがこの歌を自分の歌、自分たちの歌として歌っているように感じられる。
 それぞれ違った人生を歩んでいて、ひとときにたまたまそこに居合わせただけ。そこで何かが起きようと、あるいは何も起きなくても、それぞれのその後の人生には影響はないかもしれない。本当は全て、神様みたいなものによって運命付けられているだけなのに、自分で決めたと思い込んでるだけかもしれない。
 それでも、そこに居合わせた人に誠実であろうとする。それが周りには虚構だとか演技だとか思われるかもしれないけれど、この人生を自分のものとして正面から引き受けようとする。
 そこに起因する緊張と興奮と照れ臭さと安らぎと充溢感。

 言いすぎかしら。


⑦新未来センセーション

作詞・作曲・編曲:けんたあろは

 No.1最高ペンラドラム楽曲(次点は制服"報連相"ファンク)。
 イントロ・間奏・サビ中盤のダッダッダダン!ダダダダン!ッドタン!とBメロ後半とサビ前半の高速ダッタカダッタカダッタカダッタカのとこ、ペンライトでエアドラムするのめちゃくちゃ楽しいのでみんなやりましょう。ほんとに。

 私は2サビの後のCメロがめちゃくちゃ好きなんですけど、というかたぶんきっと絶対みんな大好きだと思うんですけど、特に好きなのは小久保柚乃さんの「創ー造ーしてーごらんー」と桜木心菜さんの「見たことない自分に夢中ー」の歌声。
 柚乃さんのパートは、「創ー造ーしてー」のところで、彼女の独特で硬質な声と1オクターブ上の笛(?)の音が綺麗に溶け合っていて、耳から一瞬で全身に浸透していって、血を洗濯してもらってるような感じがする。「ごらんー」のところでちょっとあどけない声になってなんだかほっこりする。
 心菜さんのところは、あまりカッコつけずにストレートに歌ってる気がするけど、グルーヴみたいなものを感じる。不思議なワクワク感がある。期待に胸が躍る感じ。武者震いというか。『スラムダンク』で、桜木花道がジャンプシュート2万本合宿中に、自分のシュートフォームを録画したビデオを夜に1人で見ていて、上達を感じてワクワクしたような表情でビデオテープのケースをぎゅって握るシーンがあるんですけど、それです。いや、「桜木」だからとかじゃなくて。

 このCメロ、勝手に「Cメロ」と呼んでますが、ただのCメロと思わせておいてラスサビでは2段サビの2段目みたいになるのズルい。これ結構革新的な気がしてるけど、こんな構成の曲って今まであったんだろうか。コード進行が変わったわけでもなくて単純にサビの前半と後半の間にCメロを入れ込んだだけなのに、こんな開放感をめちゃくちゃ増幅させられるの凄い。
 解き放たれたベースのせい?それともベースに対して「さぁ暴れろ!」と言わんばかりに、シンプルなビートを叩いててしっかり支えてるドラムのおかげ?

 あまり聞かない単語の組合せが多いのに、全体的に一つ一つの単語がすっと入ってくる感じがするけど、メロディーの上下とフレーズのイントネーションが近いのかなぁ。どうでしょう。

 歌詞もめちゃくちゃ良いけど、特に好きなフレーズだけ載せておきます。

止められない!ほら
時代の扉が壊されて
溢れ出す 光の先に
僕らがいた いたよね!

 もっとライブでやってください。


⑧へロー

作詞・作曲:harha
編曲:ササノマリイ

 8位に挙げたものの正直あんまり語ることがなくて困った。どう考えても名曲なので。
 一つだけ言うとすると、やっぱり最初の小久保柚乃さんパートにこの曲の全てが詰まってると思う。

let's go 今日はどんな
話をして歳を取っちゃおうか
しわくちゃになっても僕ら
変わんない馬鹿な暮らしをしたいだけだ


 当時の柚乃さんの、素朴だけど少し冷めた声と(難しい譜割りのせいで)ややルーズめなリズムと、歌詞の質感とが、あり得ないくらいマッチしてる。
 こんな歌詞を書けるharhaさんも勿論すごいんだけど、こんな歌詞今まで聞いたことないはずなのに「あーそうだよねぇ俺もずっとそう思ってたんだよね」って、柚乃さんの歌声で錯覚させられる。
 共感は得られないかもしれないけど、初めて聞いたときからこのフレーズに一切違和感とか引っかかりとかがなかった。肌に馴染む感じ。これって本当にすごいことだと思う。

 もっとライブでやってください。


⑨藍色のMonday

作詞・作曲・編曲:CMJK

 夢と現実との間の往来を描いたような歌詞と音作りが好き。
 同じような日々が繰り返し続いている中で、気づかないうちに(あるいは気づかないふりをしているうちに)思いの外遠くまで来てしまっていた怖さと、自分自身も進むこと・変わることを急き立てられる不安。甘くかわいい曲調の中にそういう苦さと酸っぱさみたいなものがある。
 「終わらない青春」がやっぱりどうしても虚構であることは否めなくて、それをじんわりと思い出させてくる。うたた寝から目覚めて、思い通りに体を動かせないときの苦しさ。


 ていうか「いつも色のTuesday」て。そんなフレーズ普通思いつかないでしょ。凄いな。

 もっとライブでやってください。


⑩DRAMA QUEEN

作詞:OHTORA
作曲:OHTORA・maeshima soshi
編曲:maeshima soshi

 「春ツアーでやってない」でお馴染みのDRAMA QUEEN。こういうギミック満載の曲大好き。

 まずメロディーのパターンが多すぎる。たぶんこういう構成。

1A(「逸らした視線の...」)
1B(「冗談効かないわ...」)
1C(「人目も憚らず...」)
1D(「あのときのままで...」)
1E(「トキハナテハピネス...」)
2F(「電波に乗せて...」)
2G(「やけに芝居がかった...」)
2D(「水平線の向こうに...」)
2E(「トキハナテハピネス...」)
3H(「駆け抜ける キミだけの...」)

 しかもリズムパターンも多い。
 1Aでシンセの音が8分刻みで鳴ってて、1Bからクラップが4つ打ちで入って、1Cからはキックとハイハット(?)が4つ打ち裏打ちかと思いきや、ポコポコしたタム(?)の連打も時折入ってくる。しかも連打はピッチの違う音がたくさんあって、ちょっとメロディを奏でてるようにも聞こえる。1Dでちょっと落ち着いてからサビに向けて加速する!と思ったら1Eでハーフタイム。2Fでキック4つ打ちになった後に、2Gでまた1Cと同じ感じに。2Dも、クラップ4つ打ちからまたサビに向けて加速したところで満を持して5つ打ち!!!!!!!!!!最後3Hでハーフタイムになりつつベッドスクイークとかいろんな音が入ってくる。なにこれおいしすぎ。これだけでもおいしい。

 歌メロの部分で「うおお!」ってなったのは「叫んでごらん 谺も高笑い」と「人目も憚らず 瞬く間に輝き羽ばたく」のところ。こういう、同じ音形のメロディーが続きそうなところというか、次のメロディーの予想がつくところで、それと違うメロディーが来られると「うおお!」ってなりますよね。ならないですかそうですか。

 その他の細かいことはわからないので、誰か分析・解説をお願いします。



 こういう統一感がなくてわけのわからない語りでいいと思うし、短くても長くても問題ないと思うので、ファンの方のポジティブな語りがたくさん増えると個人的には嬉しいですね。
 それを踏まえていろんな楽しみ方を取り入れられたら、もっと楽しくなりますし。

 それでは。

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