食道アカラシアという病気の話(前編)
この記事は明日退院を控えた病室から執筆しています。
1週間の病気とたたかう時間がまもなく終わろうとしています。この約40年間の我が人生で間違いなく最も困難な時間だったということは間違いありません。
先ほど主治医から先日行った手術の内容説明を再度していただき、今後再発のおそれは比較的少ないこと、早期発見できたことがよかったこと、この手術をしたことによって生じるリスクなどについて教えていただきました。
個人的には術前は本当にこのまま死ぬ覚悟をしたし、妻とも僕が死んだら幼い子どもたちとの今後の人生をどう立ち回るかなども話し合ったりしたほど、辛く苦しい期間を過ごしていました。そんな僕の場合でも比較的早期発見だったということに驚きを隠せませんでした。
やはりこの病気の怖いところは、発見がしづらいというところにあるかと思います。僕の場合、最初に異常を感じたのは就寝時に起こる胸痛でした。
ある日寝ていると胸のちょうど真ん中あたりがズキズキと痛むという感覚がするようになりました。30分位するとその痛みはすっかり治まりその後また眠りにつく事ができるという日が、数日おきに起こるという感じでした。
僕は幼少時、川崎病を経験していたので胸の痛み=もしかしたら心臓と関係しているかも?という考えになり、当初心臓のMRIを受けたりして食道の病気とは一切疑いませんでした。
しかしながら当然いくら心臓や胸部を調べても何も異常は発見できず、むしろ健康体ですとのお墨付きをいただくほどで、その謎の胸痛を抱えたまま生活を長く続けることになります。
後編へ続く