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きおく。 祖母

うちは 貧乏でした。
理由は明白で、
父が売れない絵描きのくせして
子だくさんだったからです。
兄弟は全員で9人。
連れ子でもなく しっかりと 二人のDNAを継いだ
男6人 女3人 が 古い長屋にひしめくように
暮らしていたのです。

父と母は駆け落ち同然だったらしく、
祖父母の協力や親戚の援助など無縁の所にいました。むしろ、父方の祖母など、今で言うところの《LD》学習障害だとか、発達障害の類いだったと思われます。計算や文字の読み書きも出来ずに、近所の同級生の方からは『お宅のお婆さんバカだからねぇ』と聞いたことあります。それくらいの方でしたので、悪どい方のかっこうの餌食であり、詐欺にはよく合ってたみたいです。

その祖母に関しては 母もだいぶ手を焼いておりました。祖母は男がいないと生きていけないという人間だったらしく、私が物心ついた時には、知らない男の人の家で暮らしてる状態でした。
(当時おじいちゃんだと思ってました)

もちろん、父と祖母のソリなんか合うはずもなかった。