1980:最強戦士の休息ココア[後編]
(連作短編「茶飲みともだち」#02)
朝、なんとなく一緒に登校するようになった。
いつも渋谷トモミが早く、僕が遅く家をでていたのだが、どちらからともなく時間をずらすようになり、やがてお互いの距離が百メートルという僅差にまでなった。そうして、肌寒い日が増えてきたころ、とうとうお互いが並ぶ時間差になった。
「……うす」
無言もおかしいので、なんとなく挨拶をする。
「うす」
渋谷トモミはにこりともせず、ミントの香りを漂わせるガムを噛みながら言った。
へんなやつだ。辛くて