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SHAKILAMO!忘備録①

あけおめ2025

俺やでっ

と言うわけで、今回から我々SHAKILAMO!が結成から解散に至るまでを、全て包み隠さず、面白おかしく文字にしていこうと思う。
まぁおせちでもつまみながら、TVの特番見飽きたぐらいで読んでください。

序章:SHAKILAMO!結成前夜


時は遡り2018年11月某日。俺は当時、前身バンドのキーボード兼ラップ担当でチームの裏方にも携わる、いわゆるバンドにとって「2番手」みたいな存在だった。

当時のわい

突然だがオレは激怒した。

メロスのように激怒した。周りが引く程、いわゆる激おこである(古い)。
メンバーの1人が夜のスタジオ練習に来ていない。予定の集合時間は軽く10分ほど超えている。ただ、怒っている原因はそれじゃない。10分遅刻など許容範囲だ。他メンバーといそいそと楽器の準備していると、そいつから突然連絡が入った。内容は、バンド脱退したいという、打診。いやもう打診というか、ほぼ確定で報告してきた。俺は抜けるぞと。しかもLINEで。それも「THE昭和の男」みたいなリーダーが。そりゃキレる。内容はざっくり要約すると「自分はこのバンドを続けられない。続けるなら俺なしでやってくれ。」との事。実際の文章はメンヘラ女の発狂ラインの如く長ったらしいものだったのでここでは割愛させていただく。というか遡って見てもあの日の怒りが再燃するだけなのでこれまでにする。とにかく、突然の告白にメンバー全員青天の霹靂、阿鼻叫喚。色々表現出来るが2文字で表すと

は?である。

突然のリーダーからの告白に全員が、何言ってんだコイツ?という怒りの渦に巻き込まれた。そもそもリーダーの脱退報告がLINEて。学生バイトが飛ぶ前のムーブやん。そんなヤツに今まで付いてってたんか…。なんだか言い表せない全ての負の感情がグチャグチャに混ざった。
ここまで書いといてなんだが、そんな過去の話、どうでも良くない?と思う人もいるだろう。俺だって結成秘話なんだから、出来ればハッピーに進めたい。だがSHAKILAMO!というバンド名はそもそも、ゼロイチで決めた名前ではない。
ややこしい事に、この脱退したボーカルが所属していたバンド名を"改名"するというテイで、元々あったバンド名にアレンジを加えつけた名前が「SHAKILAMO!」である。つまりこのボーカルありきのバンド名なのだ。

改名して心機一転!のつもりが、なぜかリーダーがいなくなって名前に名残だけ残って新バンドになっちゃった★(白目)

(白目)

なぜそんなややこしい名前で現在まで活動していたか。前のボーカルに対する恨み?ボーカルに戻ってきて欲しい?いや違う。単に響きが気に入っていたからだ。シャキラモってなんか、語感もええやん?みたいな。
細かい話になるが、既にその名前でリリースする予定のアルバムやツアーが組まれていたというのもある。なので、フツーに手順を踏んで「俺辞めるわ」なら100歩譲って分かるが、先々の決まっている、または決めようとしている予定、どうすんの?という想いも相まってブチギレていた。今となっては終わった事だし、本人とも後日話し合ってわだかまりはない。彼には彼なりの正義があり、守りたいものがあった。今更咎めるつもりもない。ただ確実に、当時より5年前なら瀬戸内海の藻屑にしていた。亡骸をタコくらいに喰わせていただろう。お互い大人でよかった。

まぁそんな感じで、リーダーが抜けてから今後どうするんだと、無駄に抑えただだっ広い貸しスタジオの中で、大人4人が雁首揃え緊急ミーティングが開催された。どうする…?どうしたい…?が飛び交う中、1人が「ヤス、お前ボーカルやったらええやん」と言ってきた。これが地獄の始まりである。
複雑な感情だが嬉しい提案ではあった。昔からボーカルに憧れていた。というか過去、自分がボーカルのバンドもやって、それなりに遠征ライブもしていた。

ボーカルしてた頃。チャラい。

が、それもとうに昔の話だ。センターで歌うにはブランクがあるし、そもそも自分のやりたい事ってバンドか?とも考えた。単身東京や大阪に出てラッパーに転身し、勝負しようか…。田舎を出て新たに挑戦しようか…。
だが当時のメンバー、ベースドラム(現しゅーちょー)は俺の誘いでバンドに入ったという経緯もあり、俺の身勝手で解散というのも、それはそれで不義理のように感じていた。
わい「みんなどうしたい?」
他メンバー「ヤスがボーカルやるなら、面白そうだしついて行きたい」

満場一致で可決となった。ならもう、これが俺のラストチャンスだと思い、自分がボーカルのバンドを、新たに結成する事を決意した。

ただ、ここから心機一転スタートするには、だいぶ腰が重い。メンバーもある程度キャリアを積み、中にはアラフォーまでいる。金もない時間もない。そのくせ移住は出来ればしたくない。拠点は香川県、プロモーションしようにも土地柄的に時間がかかりすぎる。スタート時点でわりと詰んでる。絶対にメンバー全員を納得させて、勝負できるタイミングで都市部に出る必要がある。
色んな懸念点が頭に浮かんだが、どれだけ条件が悪くても、やると決めたらやるしかない。「分かった、じゃあやるとして、俺はやるなら売れたいし稼ぎたいと思ってる。だから前のバンドのように、やりたい事をやるバンドじゃなく、売れる為に何でもやるバンドにする。そしてスタートして3年で何かしらの成果を上げる。売れる為のキッカケなのか、曲がバズるなのか、とにかく何でも良い。売れる為に特化して3年で成果がなければ、このチームは解散する。そしてこのスタンスは、多分活動初期は叩かれると思う。前とは別ベクトルでしんどい思いをすると思う。だけど絶対軌道に乗せてみせるから、そこだけ信じて付いて来て欲しい。」俺の話は快諾され、2018年11月、SHAKILAMO!は人知れず結成された。
同時にこの時、自分の胸に誓った。他の誰が辞めようと、俺からは絶対先に投げ出さないし無責任に諦めない。自分のような想いをする人間は、自分だけで充分。

先述した通り、このミーティングの後、ボーカルと2人で話をした。2018年いっぱいのライブ活動を以って、前バンドは活動休止する。残った俺たちは2019年から、新バンドSHKILAMO!として活動開始する。実にややこしいが、双方にとって、これが1番丸く収まるし、誰にも迷惑をかけない。両者合意した。

SHAKILAMO!活動開始


さて、新バンド結成に際し、売れる為なら何でもすると決めた。プライドなんぞゴミ箱へポイだ。まず取り掛かったのはステージ衣装。見た目が派手な方が目に留まりやすいし、キテレツな格好は注目を浴びやすい。まぁ、単に俺以外のファッションセンスが絶望的に終わってただけなんですけどね。曲よりも何よりも、まずここをクリアしないと売れるもんも売れん。
そりゃできればオシャでイケてる爆モテヒューヒュー!なファッションアイコンバンドで行きたかったさ。

オシャでイケてる爆モテヒューヒュー!1
オシャでイケてる爆モテヒューヒュー!2

そんな事言って、実は地味めなフツーの服装なんでしょ?とか思うだろ?うちの初期メンをナメるなよ?全員大学生ファッションで止まってんだからな?しゅーちょーに至っては「靴はクロックス一択、しま●らが至高」と豪語する人種だぞ?アウターでも何でも、生まれてこのかた服に一万円以上払った事がない。もはやイケてるイケてないのレベルじゃねえ。

マジで放っておくと全員こんな格好で来ます。ゾッとする。

そうだ、いっそコスチュームにしてしまおう。毎回ライブで着る服を選ばなくて済むし、異世界感も味わえるし、ファッションセンスも問われない。

コスチューム先輩1
コスチューム先輩2

試しに民族衣装を買って着てみた。メルカリで。奇跡的になんだかしっくり来たので、全員民族衣装で統一した。

メルカリで買えます

衣装の色は統一せず、あえてバラバラにする事で、コミック感を演出した。残念ながらズバ抜けたビジュアルのヤツもいなかったので、衣装の派手さで紛らわす事にした。うん、何だかアイドル感もあって良い。推しカラーみたいな打ち出しで、グッズもカラバリ展開出来るし。更に俺としゅーちょーはサングラスにして、ミステリアスな印象を持たせる事にした。

ミステリアス先輩1
ミステリアス先輩2


1番初めのコンセプトは"絶海の孤島四国からやってきた謎の部族バンド"だ。何だそれは。出来上がったのがこちら。

SHAKILAMO!初期アー写

そういや俺ジャケット着てたな

なんか信号機みたいでうるせえな(白目)

まあとにかく、コンセプトはあらかた決まった。何でも見た目から入るのは大事だ。ワクワクする。
本来バンド結成からライブ演奏するまでに、楽曲制作やグッズなど、ある程度準備が出来た段階で、ライブ日程を決めていくのだが、我々は前バンドで決まっていた先々のツアー日程など、キャンセルせずに全て引き継ぐ事にした。現段階で、まだ何も決まってない。決まっているのはメルカリで買った民族衣装のみ。ライブまで残り約1ヶ月。ヤバくない?生き急ぎ過ぎてない?鬼の所業であるにも関わらず、当時の俺はメンバーに追加で提案する。
「レコーディングもして、ミニアルバムリリース&お披露目ツアーしよう」
鬼超えてバカの所業だ。と言うのも、先述した「先々の予定」の一つが、とあるレーベルのオムニバスアルバムのリリースツアーであり、そのアルバムに我々も参加していた。勿論それは前バンドでの話だ。しかもそれをタワレコなどで全国流通する事が決まっていたので、そうすると色々話が変わってくる。オムニバスに入れようとしてたアーティストが、いつの間にか衣装しか決まってない生き急ぎバカ4人に変わったんだから。
レーベルの人間に事情を説明すると「ヤスがボーカルなら手伝うし、それなら新バンドで音源も作って、そっちもタワレコとか置けるか聞いてみようよ」と、快諾どころか逆に新しく提案までしてくれた。良かった先方もバカだった(やめろ)。もとい、先方の漢気で入れてもらえる事になった。え、マジかよ。バンド一発目の音源タワレコ置けるんかよ。奇跡かよ大感謝なんだけど。
レーベルの人「でも現実的に厳しいよな…」
わい「いややる!やりますやらせてえええええ!!」

まだ何者でもない俺らのCDがタワレコに並ぶなんて、そんなチャンスみすみす逃すわけにはいかない。結成してわずか数日、何も定まってない中、完全見切り発車で制作に臨んだ。

暗中模索の中での唯一の救いは、先々決まっていたイベントの主催やバンドマンが「ヤスがやるなら手伝うよ」「一緒にやろうよ」と言ってくれた事だ。元々決まっていた形での出演ではない事の謝辞、まだ曲も何も決まってない新バンドとの対バンを快諾してくれたのだ。仲間マジ大感謝祭

ここまで話しといて何だが、ぶっちゃけ時系列とか細かい話はきちんと覚えてない。話が前後してるかもしれないが、分からない程のスピード感で動き続けていた。制作しながら寝落ちするのがデフォ、ひどい時はレコーディング最中に白目剥いて寝落ち、そのままエンジニアに起こされ、家に帰ることなくバイトに向かったり。それくらい必死だった。また「売れる事に特化した音楽を作る」とは言ったものの、何が今流行ってるかも把握しないといけない。デイリーチャートを聞いたり、10〜20代と話したりとにかく調べまくったが、インプットして表現するにも時間がかかる。リリースまでに日がないので、俺たちは一旦、現状自分たちが今出来る音楽で制作を進めた。希望と絶望を往来しながら、必死で制作を進め、何とか間に合いリリースに至った。

1st.Single「やりたいだけ」

コンセプトは「お祭り」だ。バンド名も、お祭り騒ぎなバンドになるようにと願いを込めた。

Shake It Up,More!略してSHAKILAMO!

ごめん、ちゃんと意味あんねん。
俺が徳島出身で阿波踊り大好きというのもあるが、夏祭りって世代問わずみんなの思い出の中にあると思う。小ちゃい頃に親と、学生時代に友達と、恋人とデートで、など、世代ごとの思い出が。また、お祭りは多種多様な人達が一堂に集まる場所でもある。目的は一つではない。出店があったり、踊ったり、雰囲気を楽しんだり様々だ。俺らが作る曲や場所も、お祭りのように色んな楽しみ方ができて、誰かの思い出になるようなバンドになれるよう名付けた。なにそれおしゃれかよ。

そんな思いを込めた1stシングル。
HIPHOPやレゲエ・ファンクなど、いわゆる"横ノリ"ジャンルを軸にラップしたり歌ったりなミクスチャースタイルで構成した。当時ベースのSが得意なジャンルだったので、Sと共に作曲を進め、作ったデモをスタジオで調整し完成した。もうCDも販売してないし、MVも公開してないのだが、折角なのでここでだけ限定公開しておく。

いやアー写の顔隠した意味よ。ほんで曲シブすぎん?
言いたい事は山ほどある。ツッコミたい事も。でも当時はこれでいっぱいいっぱいだった。流行りがとかバズるとか全部一旦後回し。現状手持ちの武器で精いっぱい楽しもうとした結果だ。今思えばもっと出来たと思うが、逆にあの短期間でここまでよく持っていったと、自分を褒めてやりたい。

こうして気が遠くなる程の紆余曲折を経て、驚く程ハイペースで組み上げ、前バンドを知っている人間からすると、かなり奇妙な形でお披露目となった旗揚げ企画では、予想通り、ちゃんと賛否両論上がった。

シャキラモ!始動企画

結成を祝う人、協力を約束してくれた人。逆に、前のボーカルに対する裏切りだという人。中には「ヤスが乗っ取ったもんな」と嫌味全開で言ってくる人もいた。まぁしょうがない。前のバンドの看板降ろしてるようで降ろしてないようにも見れるし、そういう意見が飛び交うのもメンバー全員分かっていた。周りに合わせるのが苦手な俺みたいな輩が、槍玉に上げられるのも仕方ない。田舎で出る杭が打たれるのはもはや慣習みたいな所あるので、その辺も込みでメンバーには事前に念押ししていた。「俺がリーダーで香川でバンドするって、相当風当たりキツいよ?」と。逆にそういうヘイトをバネに、ここまで頑張って来れた所もあるので、感謝している。悪口は言われる方が主人公だ。

こうして、心地よい逆風に晒されながら
2019年1月24日、SHAKILAMO!は始動した。

今いるお客さんに「どうやって結成したの?」と聞かれる度「俺が山で拾ってきた」とか「バトルして勝ったら仲間になった」とか軽口で誤魔化したり、あるいは配信ライブで断片的に話した事もあったけど、いざ順を追って話すとなっがいしややこしいので、今まで黙ってきた。こうして発信出来て良かったと思う。意外とおいでやすちゃんと考えてるって知ってもらえるしな!!ロジック持って考えてコミックバンドやってんねん!!!!醒めるから言ってなかっただけで!!!!ちらほらバレてたけどな!!!!!物販とかで「実はマジメやもんな」って言われてたしな!!うるせえ!!!!

SHAKILAMO!元年を色々語ったが、改めて自分の容量の悪さとバイブスの高さにゾッとしている。まぁ、これくらいの根気と体力ないとバンドなんかやってけんよねって話。ちなみにまだこれ氷山の一角だから。こっからすんごいんだから。世の中的にも俺ら的にも。今日はキリもいいのでこの辺で。

次回予告
転生!バンドからYOUTUBERへ
・絶望!これじゃ売れねえ…
号泣!しゅーちょー脱退の危機!?

いや予告おもろw
ほなまた!


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