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SHAKILAMO!忘備録④

おもちって買うと高いんですね

三が日過ぎてこんばんは

俺やでっ

おもちなんて誰かしらの家でもちつきしてたり、お寺で配ったり、餅投げがあったり、割とどこにでもあるもんだと思ってた。しかもタダで。田舎ならではかもなあ…。

お正月やし、ぜんざいが食べたくなり、最寄りのスーパーであんこを探し、おもちを買おうとしたら、この量だった

こんなにいらん

わしゃフードファイターか

あと、親父の同級生に和菓子屋の息子がいて、毎年正月になるとおもちを持って来てくれた。

50個くらい。バット二段重ねで。

比率:白餅25、あんこ25

何でも適量が一番ウマいよね。

さて今回から、コロナ禍に突入したばかりの混沌とした世の中で、悪戦苦闘しながら前進する我々をご覧いただく。前記事でもあったが、自分の主観をブチまけているので、人によっては読んでて心苦しい面もあるかと思う。なるべくマイルドに、それでいて優しく綴ることを心掛けるので、よければぜひ読んでください。

それでは!!

超問題作!ファッ菌リリース!

ごめん無理かも優しく書くの。

時系列的には、正体不明の病原菌が「新型コロナウイルス」と命名されたと思えば、あれよあれよと豪華客船に幽閉され、ライブハウスはディスられ始めた頃。混沌の始まり的な、そんな感じ。まだそんな「コロナで曲作ろう」なんてイカれたバンドはいなかった。せいぜい「自粛しようね〜♪るんるん♪」みたいなのが、チラホラ弾き語りで上がっていたくらいだ。ぬるい。ぬるすぎる。やるなら徹底的にやる。ライブハウスが槍玉に上がっている中で、バンドマンの俺らが徹底的にやる。

せかしながら出来上がったしゅーちょーのコロナデモソング。聴いた時点で充分良かったが、さらに展開のポップさを追求したり、鳴らしているコードの擦り合わせなどを行った。急いでいるとは言え楽曲クォリティは落としたくない。とは言え急がなければ二番煎じになる。俺らは、なかば訳の分からん使命感を抱きながら、必死で制作に臨んだ。MVも同じく、制作やそれぞれの予定の合間を縫い、慌ててスタジオを抑え、未完成のデモ状態の曲に合わせて撮影した。

「ファッ菌」を撮影したスタジオはよく利用していた近所の貸しスタジオ。「やりたいだけ」を撮影した場所だ。物腰柔らかいイケおじが気前よく対応してくれていて、日々何かしらと戦っていた俺は彼のマイルドな口調に癒されていた。「すみません!いつも急に予約して…」「ううん!コロナの影響で、結構キャンセルされちゃったからね、逆に助かるよ!なんぼでもつこてー!」笑ってはいるが、店主の背中がいつもより少し小さく見え、なんだかすごくやるせなかった。我々は急ピッチで撮影を終え、そのまま編集。出来上がったのがこちら

うん、いい感じの粗さだ。とても「やりたいだけ」を撮影した同じ場所と思えないクォリティだ。カメラと編集で、こうも変わるもんか。だがこの曲に関しては粗ければ粗い方がいい。即作り即出しました!の方が、より生々しく映る。OK、上出来だ。YouTubeに動画を貼り付け、アップロードしようと思ったその時、ふと我に返る。

マジでこの曲出して大丈夫か?

前記事でも書いた通り、俺は一連のコロナ騒動にキレていた。緊張感を助長するマスコミにも、ライブハウスを犯罪者扱いする声にも、抗わずに泣き寝入りする無名のアーティストにも。感情を歌に込め魂で叫ぶのが、我々の仕事だと思ってここまで走って来た。けど、果たして仲間はどうだろうか。本当に俺と同じ気持ちだろうか。俺は嫌われてもいい覚悟で、今も昔も変わらず活動して来ていた。別に慣れっこ。だが他のメンバーは、小さい街ではあるが、大なり小なり自分が積み重ねてきたものやコミュニティがある。この曲を出す事によって、仮に大炎上でもしたら、彼らが嫌われたり、煙たがれたりしないだろうか。他メンバーの人生を考えれば考えるほど、怖くなりいつの間にかYouTubeのアップロードボタンが押せなくなっていた。

数日後、スタジオ練習で集まった際、しゅーちょーに言われた。
しゅーちょー「MV出来てるけど、出さんの?」
わい「おぉ、うん…編集とか、上げるタイミングとかどうしよかなおもて」
しゅーちょー「折角ええもん出来とんやけん、出さな!早よだそ!」
ベースS「もったいないっすよねえ、折角出来たし」
ギターO「みるみる状況も変わって来てるしな」
なんか、多分何も考えずに喋ってるんだろうなとも思ったが、わりとその軽口に救われた。よし、何かあれば俺が全部責任取ろう。そもそもそう思っていたが、再度腹をくくり直した。問題作「ファッ菌」をYouTubeにアップロードした!

…ん?

おい…

全然再生伸びんでないか

七転八倒!コロナ禍での格闘!

うん、おもてたんとちゃう。全然おもてた未来とちゃうなあ。あれれ〜?おっかしいぞお??

名探偵もビックリ

出来る事ならこのまま麻酔銃で眠らせてほしい。そしてそのまま埋めてくれ。炎上する未来を想像して勝手にビビってた自分とか恥ずかしいから全部記憶消してくれ。意を決して上げた動画の再生数が、待てど暮らせど全然伸びない。それもそのはず、我々は全然誰からも知られていない、驚くほど無名のバンドマンなのだ(ドーン)。自慢じゃないが登録者数はいまだに1000人行ってない(ツラい)。X(旧Twitter)のフォロワーだって今より全然少ない。ネット上でも現実でも認知されてないのに、そりゃどんな作品出そうが関係ない。炎上どころかロウソクの火レベルだ。それも意識高めのOLが寝る前に焚くアロマキャンドルくらいのヤツ。

意識高めのOLが寝る前に焚くアロマキャンドルのヤツ

知られてないなら逆に話は早い(ポジティブ)。知ってもらう為には、Youtubeにアップして、ハイ終わりではない。大切なのは商品を外に持ち出し、営業する事だ。次の作戦、題して"クソリプ作戦"に出たとにかくXでコロナ関係の事をつぶやいてる有名人やニュースにいち早く飛びつき、訳のわからないコメントと共にMVのURLを貼り付けていく。つまりド畜生のやり方に出た。メディアリテラシーもクソもない。ただもう俺は必死だ。片道燃料フルMAXで特攻している。倫理感がどうとかそんな事どうだっていい。俺の中の全道徳をドブに捨て、全力でクソリプを送りまくった。最終的に諸外国のツイートにもつっこんで行った。あんな、ネットって世界に繋がんねん(CV:アンミカ)

当時のクソリプ。気が触れている。

血眼になりツイートを探し、必死に貼り付けまくった。知ってくれ俺の想いを!!俺たちのことを!!!カオスな現世に魂の叫びを…!!頼む!!!

結果:ちょっと燃えた

「ファッ菌」コメント欄

ちょっとかい。
あんだけ貼ってちょっとだけかい。

あと意外にも「良い曲!」とか「スカッとした!ありがとう!」みたいなコメントも各SNSで頂いた。確かに改めて歌詞を見ると、別にそんな大々的に不謹慎なことを言っていたり、めちゃくちゃ怒りをブチまけている感じでもない。ただ起きたことを並べているだけにも見える…

あ、これミスったかも

自粛しようね〜♪るんるん♪系弾き語り女子と、内容に大差ない。せいぜい音が重くなりしゃがれ声に変わったくらいだ。

ディスりきれない人の良さが出てしまった(うるさい)

追加でクソリプ作戦も考えたが、すでに目一杯コメントしていたので、限界は感じていた。これ以上スマホとにらめっこするより、MV撮影や楽曲制作に充てた方がいい。俺の中のピエール瀧が、スワイプする指を止めた。

もうええでしょう(古い)

こうして問題作「ファッ菌」は"炎上"もとい"とろ火"に終わるのだが、悪い結果だけではない。嬉しいことに、しれっとライブハウス界隈に広まっていた。「いや、コメントせえよ」とも一瞬思ったが、ただでさえセンシティブな世の中なのに、不謹慎の塊みたいなバンドに誰も表立ってコメントせんわな。ましてライブハウス界隈が。俺らに対する応援コメなど、火中の栗を拾いに行くようなものだ。「MVをTwitterで拝見しました」という文言から始まり、エールだったり、ライブオファーだったり、各所色んなDMを頂いた。再生数はそこまで回らなかったが、それよりもライブできる場所や機会が増える方が今の俺たちにとって嬉しい。作ってよかったと、ホッと胸を撫で下ろした。

地獄の中に光…!コロナ禍での新たな出会い

"ファッ菌"リリース以降、コロナウイルスは猛威を振るい、せっかく決まっていたライブスケジュールも続々ポシャっていく。そして2020年4月7日、政府は初の緊急事態宣言を発令した。

"ファッ菌"で生まれた新たな出会いやお誘いも、全て一旦白紙になってしまった。田舎では外に向けての活動がただでさえハードル高いのに、家からも出られないとなると、いよいよ死活問題だ…。出来るだけモチベーションが下がらないよう、自粛中もメンバーとZoomで会議をしたり

背景Mステで司会気分

当時流行った、歌つなぎしてみたり

「めっちゃパニック」で替え歌してた

…自炊したり

なんかわりと楽しんでんな

自粛ライフエンジョイ勢やんけ

前回ブチギレおいでやすとか書いとった割に、まぁまぁゆるいやん…。思い返すと確かに当時、キレてはいたが表面上はずっとふざけていた。そっちの方がナメられやすいかなと思い、今後出るふざけた作品ともリンクするかなと思い、SNSなどではそのように振る舞った。まぁとにかく、この時期は身動き取れなかったが、取れないなりに制作など、やれる範囲で動いてた。緊急事態宣言が明けると、客数を限定したり、着席方式に変えたり、配信ライブなどで稼働するライブハウスも増えてきたので、俺らは出来る限りそう言う箱に出演し、配信カメラに向かって全力でふざけ倒しに行った。

換気用のうちわ。ナメてる。

とにかくやりたい放題やって、配信でどれだけ爪痕を残せるか、毎回"ライブ大喜利"状態だった。政府と箱のガイドラインに沿いつつライブをこなしていく中、楽曲の方向性はある程度固まっていたが、まだ自分の中で、ライブ運びに納得いってなかった。コロナだから、配信だからとかそういう問題じゃなく、自分達に与えられた演奏時間の中で何を見せたいか、ライブのコンセプトを模索中だった。その中でも、特に問題だったのが"JOURNEY"だ。今となってはライブの締めに必ずと言っていい程やっている定番曲。当時の持ち曲を見ると1番メッセージ性が強いのもJOURNEYだが、他曲とジャンルが違いすぎて悪目立ちしているのもコレだった。JOURNEYだけが手に余りすぎて、でもどうにか聞かせたいからという理由で、時にはセトリの1曲目にやってた(絶対違う)。色々トライするけど何か腑に落ちない。ふざけたコミックをやりたい気持ちと、みんなに届けたい気持ちの狭間で揺れ動いていた。

時は少し経ち同年10月、コロナウイルスは相変わらず猛威を振るっている。そんな中、香川でとあるライブに出演する。そこで出会った東京からのツアーバンドAが、俺らに目をつけてくれた。
A「今日は出てくれてありがとう。久しぶりに良いバンドマンに出会えて嬉しかったよ!俺らもコロナ禍で一緒に戦えるバンドマンを探してて、よかったら今後も仲良くしてくれんかな?」
わい「はい喜んで!どこでも行くんで気軽に声かけてください!」
A「了解、またどこか遠征ライブある時はすぐ誘うね!一緒にやろう!」
わい「マジすか!助かります!引き続きよろしくお願いします!」
マジで願ったり叶ったりなお誘いだ。なんせ東京に足掛かりがほぼなかったので、現役ツアーバンドからのオファーは俺たちにとって大きな一歩だ。新規の箱を当たるのも難しい今、東京に頼れる人がいるのはマジで助かる。嬉々として連絡を待っていると、数日後すぐにAから連絡が入った。
A「お疲れ様!こないだはありがとう!少し先になるんだけど、12月に一緒にライブしない?」
わい「(やったぜ!!すぐに東京ライブじゃん!!)お誘いありがとうございます!嬉しいです!ちなみに会場ってどちらですか?渋谷とか??」
A 「ううん!愛知!!」


わい「……アイチ???????」


ほいっ!!本日はここまで!!!!
前回ブチギレっつってたんすけどね、全然キレてなかったっスねwすみませんwいやでも、基本的にこの時期ずっとキレていたのは事実なんで、えぇ…。楽しみにしていた方すまん。

さて、我々は先輩バンドから、かつて嫌な思いをし、二度と行かないと誓った愛知県へ遠征ライブに誘われてしまいます。どうするおいでやす

行くのかいっ

行かないのかいっ

どっちなんだいっ!!!!

中山氏

次回予告
・逆境!愛知リベンジマッチ
・覚醒★おいでやすの乱
・ついに発見!?幻の5人目

うん、多分これ行ってんな。
次回お楽しみに!!
ほなまたっ!!

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