踊る妊婦の出産:促進剤を使い悶絶3時間
予定日を過ぎて、子宮口は3cmほど開いているにもかかわらず、
赤ちゃんはまだ上の方でプカプカ浮いているということで、
予定日1週間後に入院し、促進剤を使って陣痛を起こして出産しました。
バレエをやっている人の出産については、
股関節が柔らかいから楽だとか、
運動している分体力があるから安産だとか、
腹筋があるからお腹あまり出ないとか、
引きあげる筋肉の使い方をしているから下に押し出すのが難しいとか、
色々な話を聞いていて、
私はどうなんだろうとドキドキしていました。
直前までレッスンに行っていたので、みんなから「きっと安産だね」と言われていたのですが、
最後の最後で体調が悪くなってきて、なかなか産まれない日が続いたので弱気になってきました。
入院した翌日に、朝8時から促進剤を入れて、
先生からは「初産だし、明日までかかることもあります」と言われていたのですが、
すぐに薬が効いてしまい、10時前にはもう声が我慢できない陣痛が始まりました。
11時前には子宮口が全開になり、バタバタと準備をしてもらって分娩の部屋へ。
そこから1時間半くらい、5分間隔でやってくる痛みと恐怖に耐えました。
陣痛の痛みは色々な人が色々な表現で語っていますが、
身体の中が何かすごい機械でかき回されるような、
トラックで轢かれるような感覚でした。
「出産のときは、ヨガのような呼吸が大切!」と友人から言われていて、
バレエの呼吸が役立つかと思っていたのですが、
まったくダメで、息を止めるか、うーっと叫んでいるかの大騒ぎでした。
ようやく分娩台に乗って足を広げて台の上に載せましたが、
やはり股関節が開きすぎてしまうため、うまく踏ん張ることができませんでした。
それでも頑張って踏ん張って、いきもうとしたとき、
片足のふくらはぎからハムストリングがものすごい勢いでつりそうになり、
悶絶の中でも「これは踊れなくなる!膝も壊れる!」ということが頭によぎり、
「手だけで産む!」と決意したのを覚えています。
あの痛みで朦朧とする中でそんなことを考えるなんて、
自分でも苦笑してしまうくらい、踊りたいんだなあと思います。
そして、本当に足は台から浮いたまま、
手の力だけで頑張って踏ん張り、30分ほどで無事に産むことができました。
(翌日、腕がものすごい筋肉痛でした。)
強い陣痛が始まってからは3時間位でしたので、
いわゆる安産の部類に入るのだと思います。
でも、間違いなく今までの人生で一番大変でした。
赤ちゃんは、3000g強と平均サイズでした。
人一倍強かった胎動から予想されていた通り、
産まれた直後からものすごい元気に泣いていました。