病気へのラブレター
拝啓 愛しの病気さま
あなたとはじめて出会ったのは、
ちょうど半年前頃でしょうか。
もっと前から会っていたような気がして、
何だか不思議な気分です。
あなたに出会ってから、
わたしの生き方が変わりました。
あなたがもたらしてくれたものは
本当にたくさんあって、毎日驚きばかりです。
生きることへの執着が生まれるだなんて、
心身が満たされるような毎日を必死に送ろうとするだなんて、
本や映画の中の話だと思っていました。
「とにかく邪魔にならない。迷惑をかけない」
「周りからの要求やルールに従って生きていればよい。どうせ最後は大多数が信じるルールか権力者の言う通りにしなきゃならない。それならはじめから意見や作品なんて出したくないし出すのも恥ずかしい」
もともと、
「真面目で周り中心の気遣いすぎる人間」
が表面の顔。
「自己愛と被害妄想が強く、周りを納得させる勇気もなく、自分の心さえ殺せばどうにかなると思い込んでいる、困っている方々や立場の弱い人たち(だと勝手に思い込んでいるだけ)に手を差しのべることで自分の欲求を満たすだけの残念なヤツ」が中身でした。
でも、あなたが現れたことをきっかけに気づいてしまったのです。
「受け身で生きてもしあわせにはなれない」
「しあわせすら、他人に与えてもらうのか」
心がぺしゃんこになりました。
これまで殺してきた想いや不満が大爆発。
裏切られたような気持ちが溢れてきて、やっぱり少しは報われてほしかったと思いました。
しばらくして、
あなたとのつきあい方が分かってきてから、
今度は今が充実しつつあることに気づきました。
「わたし」が少しずつ素直に出てきてくれるようになったのです。
「シンプルにていねいに生きたい」
「みんなでワクワクしたい」
「支援のプロになりたい」
そのための手段を考え学ぶことも
トライ&エラーすることも
仲間を見つけることも今ならできます。
病院で働いていたときはお客さまだった方々と
今なら同じ立場で仲間としてお話できますし、
書籍の文字だけで分かっていたことも
以前より理解できます。
すごくうれしい!
だって、やりたいことを自分で考えて判断して
いくらでも創造して、全力を注げるのだから。
心が行方不明になることはまだあるけれど、
あなたのおかげで
わたしは今しあわせです。
本当にありがとう。
これからも、どうぞ、よろしくね。
2016.1.22
Tosa