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一月に一度、人と会う。

2020年7月より、踊るさぶすくマガジン「くまのつべこべ」内で毎月一人、気になる人と気になる事をとことん話す。という趣旨で「MONTHLYくまがい」という自作番組を始めました。さぶすくを定期購入して下さっている方々に、それぞれのゲストの生き方から、これからの歩き方のヒントを見つけてもらえたらと思ったのが最初のきっかけでしたが、僕もしっかりとゲストの方々から、ヒントやエネルギーやうなずきを頂いています。

この企画が始まった昨年の初夏は、日本中が、世界中が、春を感じることも無く気がつけば辺りが夏ばんで来た頃でした。

初めて体験する緊急事態宣言が解除され、さぁ、傷は痛むがこれから何処に向かいましょうか…   
そんな気配があちらこちらから感じられ、少し足取り軽く次へと顔を向けている方々をゲストに招いてみようと思ったのでした。

7月のゲストはタップダンサーの村田正樹さん。 撮影場所は我が家…               まさにゲストを招いてのトーク番組…

基本的に踊るさぶすくマガジンのコンテツは全て僕一人で創るのだが、MONTHLYくまがいに関しては、バンドネオン奏者の仁詩くんに、撮影をお願いしている。

バンドネオン奏者の仁詩くんが撮影?と思うのはもちろんのこと、彼とは元々、踊る人と奏でる人の関係で出会っていたのだが、昨年の2月くらいから彼自身のライブが徐々に中止になり始めた頃、いち早く配信機材を揃え始め、知識を集め始め、自分で演奏ライブ配信を始め、今では配信業までこなす、正にとんでもなく早いタイミングで前を見た男である。

そんな彼に、我が家にカメラを3台持ち込んでもらって、その場でスイッチングしてもらい、そのデータに僕がテロップを付けた。
(現在は彼が配信の為に借りたお部屋を利用させてもらって、カメラの数も増えまして…ほんとに凄い。)

ムラっちとは付き合いが長くなりつつあるが、
タップはもちろんのこと、自分をプロデュースする力とセンスがとにかく好きなんです。
ムラっちは、すでに多くの事を楽しみ、多方向から自分の「やりたい」を実現させていくエネルギーは、細身の身体とはかけ離れた太さを感じ、むかし彼が過ごす家が火事になり、全てを失ってからの、きっと沢山大変だったはずなのストーリーを、スルスル語るところが彼の才能とキャラクターを物語っていた。

村田正樹さんのダイジェスト


8月にはダンサーのKEITAさんをお招きした。
僕が踊っている踊りとはジャンルは異なる方ですが、とにかく優しく、大きなスタンスで「ダンス」を捉えている彼は、コンテンポラリーをやっているとか言っている熊谷拓明を優しく受け入れて下さり、かつ沢山の熱で興味を持ってくれる熱い人。
全国を飛び回り、子供たちへ踊りを伝えるワークショップを行う行動力のお話は、ドラマでも見ているようで本当に感動した。
多くのコンサートやライブが無くなり、全国へのワークショップが難しくなった今でも、踊りへの熱を持ち続け、オンライン発表会や、オンラインライブの活動を続け、「今はエラーしても大丈夫。トライが大切だ。」と本当の目で語ってくれたことは、心が温かくなった。

KEITAさんのダイジェスト


9月にはシンガーソングライターのツチヤナナミさんが来てくれた。
彼女は僕が一人ダンス劇を2017年に10日間公演させてもらった、アポックシアターのカフェスペースで、美味しお酒と、料理を作っていた。
髪の毛がアキレス腱まで伸びてる彼女は、雨の日の初対面、とにかく機嫌がわるく、目を見てくれなかった。
この人がいる劇場でよりによって10日間…
僕はゆっくりと、毎晩彼女がお酒を作るカウンターで少しずつ話をした。
結果的には凄く良い奴だ。そして凄く仲が良くなり。
嘘のない彼女の言葉を聴く度に、誰にでも初対面から明るく話しかける風で、実は色々思っている自分を恥じるのだ。

ツチヤナナミさんのダイジェスト

10月はダンサー/振付家の青木尚哉さん。
尚哉さんとはこれまた素敵な踊り手、演出家、でも面倒なお友達(愛情表現ですよ)の柳本雅寛さんのユニットである+81(プラスエイティーワン)に出演させてもらった時に、尚哉さんと初めて同じ舞台で踊った。
その前から僕は一方的に知っていたが、とても柔らかく、静かで、愛のある人で、とにかく僕はすぐに、凄く好きになった。
踊りがとにかく上手い。本当に上手い。

そんな尚哉さんが今行っているカンパニー活動「zerO」でのお話をはじめ、今感じている彼自身の表現の未来についてお話してもらった。
真摯に丁寧に、そして脱力していた。

青木尚哉さんのダイジェスト

11月はダンスカンパニーBaobab主宰の北尾亘くん。
かれとは2015年に僕の故郷札幌で行われた、振付家育成企画でのゲストとして互いに参加したさいに、とにかくハキハキと、丁寧な挨拶をしてくれた。
そして舞台ではいかつく踊るのだ。
その姿が印象に残り、以後二人で踊る事はまだないが、様々な形で関わらせて頂いてる。

対談では、丁寧なその言葉とらウラハラに野心や、怒りや、希望が燃えていた。それを少しでも画面の向こうに届けられたらと感じながらの収録。
これからもきっと、エネルギーを届け続けるであろう北尾くん、これからも、やはり好きだ。

北尾亘さんのダイジェスト

12月は僕の公演があり、その「舐める、床。」のアフタートークという形、コンドルズ主宰/近藤良平さん。
まさかさぶすくを始めた頃、アフタートークという形でも、MONTHLYくまがいに近藤良平さんが来るとは思っていなかった。以前から細切れに色々な機会で一緒になる事はあったが、僕の憧れが強すぎて…
しかし、いざ当日舞台上でお話させてもらうと、もちろん緊張も憧れもありながら、温かさと強さを感じる事が出来た。
一つ一つが優しく、一つ一つが頼りになる言葉だけだった。
僕も何処かの誰かを、柔らかく導く事が出来たらいいなと思いながら、この対談の日から過ごしている。
それは誰かの為ではなく、僕のこれまでを肯定して昇華させるためにも、少し衿を正して、楽しもうと思う。

近藤良平さんのダイジェスト


そして、2021年最初のゲストはダンサーであり俳優の喜瀬篤くん。
彼と僕は、同じダンスイベントでそれぞれの回は違うがMCをやった事が出会いであった。
当日言葉を使うダンサーは多々いたが、僕のように言葉を使い過ぎるダンサーはあまりいなく、特に辛くはなかったが、熊谷くんまた今回も喋るんだねー。とか、もっと踊ればいいのに。この意見にはいつも「踊ってるわ!」と心の中で反抗していましたが…
とにかくそんな僕が、MCをやるダンサーに親近感を覚えて、沢山お話をしたことを覚えている。
彼は出会う以前からBluePrintというダンスエンターテイメント集団でお芝居もバリバリ経験していて、なるほどだったらそうだよね。と言う事で、どこかでいつも意識してきた存在なのです。

こちらの配信は2021/1/28からスタートなのですが、すでに収録済であり。
とても素直な回になった。
こんなに素直な人なのか…といか印象と、僕も彼のように、自分の「辛い」や「悔しい」と向き合う時間も必要なのだと言うのとを、タイムリーに教えてくれた。
これからテロップを入れる作業に入るのだが、今から楽しみである。

このように月に一度、人と話をする。
という行為は、その時の自分の体調や思考によって、本当に全ての方々のお話がタイムリーに僕の身体に沁み込んでくる。

さぶすくの会員の方々へと考えて始めた企画は、
やはり僕に多くの事を与えてくれている。

人とは言葉を発してコミュニケーションをとります。
でも、目を見たり、息づかいを感じたり、座り方から何か感じたり。
沢山の情報を受けています。

このように、色々な方と対談をするのと同じように、様々な事柄と丁寧にコミュニケーションをとっていこうと思う。

何かが変わるのではなく、すでに変わっている。

だから、このまま続けて見ようと思う。


ダンス劇作家/熊谷拓明

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