するするエッセイ【踊ってくらす】#10【単品購入150円】
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外で踊るのがちょうど良い季節になりました。
こちらの、さぶすくマガジン内で配信する踊るロードショーの撮影もなかなか馴れてまいりまして、
三脚を持って歩き回り、「おっ」と思えばセットして撮影をして、そこからカット割を考えて同じシーンをなんどもカメラ位置を変えて繰り返す。
ということを1人でとぼとぼ行っているわけですから、夏はほんとに暑かった。
踊って汗だく、移動で汗だく。
そこから考えるとこの季節は、踊って少し汗をかくと、移動で風が心地よく汗をおさめてくれて、少し肌寒さを感じた頃にはまた踊る。
カメラの前でマスクを外し、演技が終わるとポケットからマスクを取り出してマスクをして(この作業も夏は暑い…)
外で踊ることを映像に収める事が多くなって半年ほど経ちますが、本当に1度も怒られた事がないんです笑。
客観的に考えたら無許可ですから、迷惑な場合もあるだろうとは思うのですが、不思議と受け入れられている感触があるんです。
「不思議と」とは言いましたが、どこかで狙いと、自覚はしっかりとあって。
「楽しませよう!」なんて思うとそれはもう、目もあてられない踊になりますから、そんな事は思わないのですが、「今日外を散歩していたら道で踊っている男がいたよ」というちょっとした、ハプニングにはなって欲しいと思って踊るんです。
この加減が難しいのですが、凄く大切で。
「八百屋さんの前を通りかかったら、凄く美味しそうな立派なスイカが並んでた。」とか、
「ビルとビルの隙間から見えた夕日が奇麗だった。」とか「お年寄りにとても親切にしている、モヒカンのパンクな兄ちゃんを見て、少し嬉しくなった。」とか。
そんな小さなハプニングと並んで【踊る】を存在させようと思ってるんです。
そうすると、人間って愛おしいなぁ。と感じるようになるんです。
どんな人にも「おっ」と思う事が存在します。
ちょっと不謹慎ですがお葬式でふとした時に、思わず笑ってしまうような事が起こったとき、きっとそれって残された方々のこれからの人生において、時間が経つととっても力になる思い出になったりして、僕はそれを亡くなった方からのプレゼントなのではないかと思ったりします。
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