【するするエッセイ】おどってくらす#4
さぶすくマガジン「くまのつべこべ」初日のするするエッセイです。毎月15日と30日に更新されるこちらのエッセイ。
どんな事を書くのか…僕自身も楽しみにしておりますので、どうぞ宜しくお願いします。
最近、鼻から吸って口から吐くのを意識してるんです。
意外と忘れている事が多かったなぁと思いまして、意識を始めてみました。
何かがあったわけではないのですが、自分事の最たるもの「呼吸」を意識するようになったのは、人の事がとっても気になる我々ですが、じゃあ己はどうなんだって、誰かに言われている気がしたからなんです。
意識してみると色々と発見しますね。
野菜を切る時は息をしていなかったり、歩いている時は歩く速さに左右されていたり、人と話すときは相手の会話の速度に少し惑わされたりしているんです。
「空気を読む」って言葉が良いことの様に使われますが、あれってどうなのかなと少し思うんですね。
お互いに呼吸の仕方を惑わされ合って読んでる空気って、何処にあるんでしょう?
もしかしたら誰のものでもないかもしれない。
だったら、どんな時でも自分の呼吸をしてみる価値があるんじゃないでしょうか。
普段と同じ呼吸が出来ると、普段と変わらない思考ができる。
普段と変わらない思考が出来ると、冷静な判断ができる。
冷静な判断が出来ると、それぞれの判断がとても個性的で魅力的になる。
呼吸が出来なくなって追い込まれると、みなさんなかなか攻撃的な判断をしてしまいがちで、そうなるとまわりの人が傷ついて、結果自分に返ってくる。
そしてまた呼吸が出来なくなる……
自分の呼吸の速度がわかると、みんなそれぞれのタイミングがあるという事がしっかりと腑に落ちるんです。
なんであいつはこうなんだよ!なんでそんな事出来ないんだよ!
となりずらくなる。
だって、今は出来ないタイミングなんですよ。
自分とあの人とのタイミングが合わないだけで、違うタイミングなら出来た事もある。
「今日呑みに行かない?」
「あー。今日駄目なんだ。明日なら!」
「あー。明日仕事なんだよー。」
と同じ事です。
それくらいの事で腹を立てて自分の呼吸を忘れるのは、やはり最後は自分が困るわけですから、止めてみても損はない。
自分に一番近い「呼吸」に目を向けて吸ったり吐いたりしていると、こんな時でも悪い事ばかりじゃないなと、不思議と感じるものです。
自分の身の周りの平和って、自分でコントロール出来る事が多い事に気が付きます。
良い出来事ってわりと自分で作れるんですよ。
今日の出来事を最悪にするのも最高にするのも自分次第。
最悪も最高もわりと周りの空気を読んでる場合がるように思います。
「なんかさぁ。最悪だよね?」「ねぇ。ほんと最悪!」
ほんとかな?
「最高に楽しーねー!!」「うん最高!!」
ほんとかしら?
最悪も最高も人が決めるものじゃないし。
どんな時も同じ呼吸が出来ていたら、冷静で魅力的な判断と思考がやって来て、それは多くの場合あなたを助けてくれる「良い出来事」になるんじゃないかと思う今日この頃。
あなたの呼吸が良い出来事を呼び込む事は、自分勝手なんかではなく、むしろ人助けなんですね。 あなたが楽なら、あの人も救われる。
遠くの事に口を挟むより、まずは身近な平和を気楽に作る事を多くの人が好むようになるといいですねー。
ではまた来月。
ダンス劇作家
熊谷拓明
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ダンス劇作家「熊谷拓明」が、踊り続ける中で身に着けた【生きる】を楽しむ術を、■エッセイ■ダンス朗読劇■オリジナルダンス劇映画■ラジオ■対談…
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