ダンスが上達しない理由と、シンプルな解決方法

こんにちは、オドルです。

社会人になってダンスを始めて約20年、試行錯誤の末に公演ではセンターを取ることもできたし、その後に舞台やCM、MVにも出演できました。

その一方で同じく社会人なのに全く上達しない、ただ熱意はすごくあるダンサーを沢山見てきました。

「どう練習すればいいんですかね?」
「ダメ出ししてもらえませんか?」

スーゴク言われます。
目の付け所もいいし、熱意もある。
なぜ上達しないのか?

そう思った私は何度か後日一緒にスタジオを借りて自主練してみました。そこで理由がようやく分かってきました。


今回はその理由と、そんな閉塞状態を打破するための分析と解決を紹介していきます。

1.上達しない彼が心がけていなかった事

じゃあ一緒に練習してみよっか!って事でまずは練習予定合わせ。まずここからダメだった。

オ「今日この後は?」
彼「明日早いので今日は帰ります」
オ「だよね。じゃあ明日は?」
彼「明日はほかの先生のレッスンに行くので」

ちょちょちょ待てーい!
今日インプットした事を反復しないまま、次の違う人間のインプット増やしてどうすんですか。

レッスンはあくまでインプットの最初。
自分の脳にメモを走り書きしただけで、清書もできてなければ保存できてない状態です。
このまま他のレッスンを受ければ、全部忘れないまでもトコロテンのように押し出されて消えていくでしょう。

一回のレッスンの情報量ってすごいです。
メモろうとしても言語化では限界があって、速攻でイラスト図解と複数のカメラで撮影した動画解説と身体の軸だけレントゲン撮ったような解析を瞬時に作れでもしないと無理です。それらをふわっと覚えておける人間の脳ってスゴイ。

2.レッスンの復習はいつやるべきか?

私は当日レッスン後or翌日をオススメします。

理由はカンタン、記憶力です。
レッスンで習った事を練習する時、何が一番大事なものは自分自身の記憶です。記憶は習った直後から消失していきます。

これは頭の記憶力だけの話ではなくて、身体の記憶力もコミです。レッスンで習った音へのアプローチする感覚、これは先生がクリエイトした感覚なので、忘れる前に染み込ませましょう。

3.間違ったムービーへの頼り方

ムービーを撮影する事で、これでいつでも練習できるね!と安心して、自分自身の記憶を疎かにしてませんか?

先生の話してくれた感覚、コツ、聞いている音のポイント、音の掴み方、微細な動きのニュアンス、重心移動の流れ。

これらはムービーからは読み取ることは難しいです。ムービーがあればいつでも質の高い練習ができるというのは誤解です。

ムービーはあくまで思い出すためのキッカケでしかないのです。

レッスン中は自分の目と耳と肌と魂で全力で記憶してください。(ムービーは誰か撮影してる人のもらえばいいんです)

結果、先生の覚えもよくなったりするしね。ムービー撮ってるやつより生で感じて上手くなるやつが正義なのだ。

4.練習のポイントの絞り方

正直いって振付はおまけです。練習すべきは基礎。

大事なのはその振付を再現しうるパーツ、基礎スキルを育てること。基礎があればどんな振付でもどんとこいです。基礎を理解して体得している人は、どんな動きでも即座に理解して適応できます。

有名海外ダンサーが訪日してレッスンを開いた時なんか、生徒をざっと見るとこのあたりのスキル差は一目瞭然です。大体センターでドヤ顔してますね。後ろの方にいる方はパニクっていること多いです。

しかし教わった事全てを反復できるか?
といえば…

無理です。

というか、全体を網羅しようとすると、結局上っ面だけ触って、また上達しないスパイラルに落ち込みます。

なので、一個一個のステップを掘り下げていきましょう。時間がなくなったらそれでも構いません。薄く広く練習してても、一定以上のレベルに行けず停滞するだけです。

5.練習の仕方

ありがちなのですが、何も考えずにただ反復練習はやめましょう。ダルビッシュの言葉ですが、努力は平気で嘘をつきます。考えないと。

①音楽をかける(レッスン曲じゃなくてもOK。スピードとビートの打ち方が似てるもので)
②習った体内感覚が残ってるうちに反復
③そんな自分をムービーに撮る
④ムービー確認、違いを見つける

この違いを見つけるのが超〜〜〜大事です!
何が違うのか分からない、という状態から抜け出せないのは、観察眼が育っていないから。

そして⑤なぜ違うのか考える

これも大事です。
結果として、色々な事に気付けます。
・重心がおかしい
・姿勢がおかしい(から変な所に力が入る)
・音の取り方が違う(から次に間に合わない)
・前動作が足りない(から動作が開始できない)
…などなど。

これを繰り返す事で、自分の課題を明確に掴んでいくことができます。

まとめ

・復習してから次のインプットへ
・復習は当日or翌日、ダメならなる早
・復習は30分でも少しでもいい
・ムービーに頼るな、自分自身で全力で記憶しろ
・一気に全部復習しようとせず、一個一個掘り下げること
・脳ミソ使わない反復練習はNG、考えること
・違いを見つける力を鍛えよう
・なにが違うのか見抜く力を鍛えよう

以上です!

みなさんのダンスライフがより良いものになりますように。


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