【中小企業診断士】GMROIと交差比率(交差主義比率)【運営管理】
交差比率(Cross Ratio)は、商品分類別の販売比率を横断的に分析する手法の一つで、特定の商品分類の売上高が全体の売上高に対して占める比率と、その商品分類の在庫金額が全体の在庫金額に対して占める比率を比較します。この二つの比率が一致していれば適正とされ、偏っている場合はその商品分類の在庫運用の改善が必要であると判断されます。
具体的には、売上比率が在庫比率を上回っている場合、その商品は売れ筋であると考えられ、在庫を増やす可能性があります。逆に在庫比率が売上比率を上回っている場合、その商品は滞留在庫となっており、在庫の削減や販売促進が必要であると考えられます。
一方、GMROI (Gross Margin Return on Investment)は、在庫投資に対する粗利益のリターンを表す指標です。具体的には、粗利益を在庫原価で割った値です。この値が大きいほど、在庫投資効率が高いと言えます。
GMROIは、商品の選定や在庫管理において重要な意思決定ツールとなります。商品の粗利益率と売れ筋度(商品回転率)を同時に評価することで、どの商品が最も効率的に収益を上げているかを判断することができます。
つまり、交差比率とGMROIを組み合わせて使うことで、各商品の在庫管理と収益性を同時に把握し、在庫の適正化と収益性向上を図ることができます。これらは、中小企業診断士の試験における財務・会計分野だけでなく、経営戦略やマーケティングの観点からも理解する必要があります。