少女漫画における動のヒーローと静のヒーロー、そして吉田くん。今こそ立ち上がれ！全国の吉田くんファン！

フィクションの世界、主に少女漫画の世界には大きく分けて二通りのヒーローがいる。
少年漫画だと、花道と流川。茂野吾郎と佐藤寿也。日向と影山。彼らはビジュアルから思考まで真逆に位置する。いうなら、朝と夜、Ｓ極とN極、つぶあんとこしあん。決して交わることはないけれどそれぞれの輝きで見るものを魅了する。
少女漫画では道明寺と花沢類、おしりたんていとかいとうU、しゃおらんとゆきとさん。
そして、竜平と吉田くん。

そう、吉田くん。

こっちむいて!みい子における吉田くんはいずれ主人公みい子と結ばれるであろうキャラクターなのだが、ここ数年、彼は何かがおかしい。
彼のスペックは他のキャラクターの追随を許さない。

↑ちなみにこれは○クシブに載っていたプロフィール。なんだこれは。今だかつてこんなにやる気のない紹介があっただろうか。気を取り直して、

さすが、○ィキペディア。よくわかってるじゃないか。そうなんです、吉田くんは欠点という欠点がない全国のちゃおっ娘の夢みたいな男の子なのだ。
こんな素敵な男の子が、主人公みい子(鈍感女児)に全身全霊でアプローチする姿を月額680円ほどで見れるなんてすごいじゃないか。
ちなみにわたしがKIDSだった頃、ちゃおは450円とかだった気がする。

吉田くん→みい子に対する気持ちや姿は
ジャニーズが歌うラブソング→ファンの図式によく似ていると思う。
これはどういうことかというと、
容姿端麗、頭脳明晰な男の子は本来ならばこの世の全てを手に入れられるくらいのパワーを持っているはずだ。海賊王も真っ青なパワープレイで。
なのに、自ら叶わない恋へと身を投じてしまう。
異性にモテないはずがない、君が本気を出してアプローチすれば狸は木登りするし、猫はお手玉するし、女の子は君のことを必ず好きになる。
君の本気の恋が叶わないなんてことは万にひとつもないはずなんだよ。

　　
はずなのに、君はなんだい吉田。

好きな女の子と会話をして顔芸を披露するような、そんな安っぽい男にいつからなってしまったんだ。
好きな女の子に乱暴しちゃったり、冗談を言ってからかったり素直になれないツンデレボーイ竜平が、花より男子における道明寺ポジションなら、吉田、君は主人公のピンチを駆けつけ、時には叱咤し、まるで月のようにいつまでも彼女を優しく見守り続ける花沢類のポジションじゃないのか…？

こっちむいて!みい子30巻【みい子大パニック！！】

その日はまりちゃん、ユッコ、ケンタ、竜平と映画を観る予定だった。(ナチュラルハブの吉田くんに目頭が熱くなったのは言うまでもない)
みい子はおろしたての財布、理恵ママが作ってくれたおにぎりを持ち、待ち合わせ場所に行くがなんとリュックのチャックが空いており中の荷物を全部落としてしまっていた。(さすがのみい子クオリティ。両津勘吉が部長にシめられるのと同じくらいの予定調和)
事態に気づいたみい子はみんなに気を遣い、自分一人で探しに行くと走り出した。
もちろん、照れ顔の天才竜平もみい子に内緒で探しに行くのだった。
どこを探していいのか迷ってるみい子に救いの神、吉田くん降臨。いきなりの出会いに驚くみい子に、「塾に行く途中で見かけたんだ…」とホラ吹く。嘘いうんじゃないよ、君だけに巡り会うために寂しさと共に生まれたんだろ？？君だけを抱き締めるために生まれてきたんだろ？自分に正直になりな。
みい子と吉田くんは交番に行き事情を説明することに。(ちなみに落とし物ならば交番に行くべきと知恵を出したのは吉田くん、本当に頼りになる。この万能さは味の素に匹敵する)
一方、終始圧巻の照れ顔を披露する竜平はなんと、道端でみい子のおにぎりと財布を発見！

おい、なんでだ！！

何が起こったんだ？？？しかし、そこにはなんと野良犬がいるではないか。
人類皆が恐れる空腹の野良犬VS好きな女の子の探し物。これは、勝負ありですわ。
小学生の男児には野良犬に立ち向かうハートはないのです。当然、私にもありません。菌を持っているかもしれない、怪我を負うかもしれない。そう思ったら諦めるのが正しき道。犬が居なくなるのをゆっくり待つか、大人に連絡しましょうね。
しかし、次のページ

薄汚れた竜平。お、おい、、まさか、お前…？、

動のヒーローを甘く見ていた。彼は野良犬と戦い勝利を手にしていた。傷は男の勲章をやってのける男である。ここまでされては、吉田くんに勝ち目はないのか…と思ったが、なんと！！

傷だらけの竜平が交番に行くと、そこには！みい子と吉田くんがいるじゃないか！しかし、竜平が野良犬と死闘を繰り広げている間ずっと交番にいたなんて事情聴取長かったね。いっぱいいっぱいおにぎりとか、お財布の特徴をお話したんだね、偉いね吉田くん。
財布を無くして心細いみい子とずっと一緒にいてあげればいいものをこの吉田という男、口を開けば塾塾塾塾第一優先であることが伺える。なんと交番を後にすると塾があるから、、、、
と塾を理由に一緒にいれないことを匂わせる！！
どうせこの後塾に行ったって頭に何も入らないんだから行かないほうがいいのに、サボるということに知らない吉田くんは塾へ向かうのだった、、、、。

この選択は最悪の結果を生むことになった。

割愛するが、財布は見つかり無事みい子のもとへ。お巡りさんから届けてくれた男の子の話を聞き、もしや竜平くんなのでは、と勘づくみい子。なんでここだけ勘がいいんだよ、、、、、。
傷だらけの竜平を手当てするみい子。

これなのよ！！！動のヒーローはこういうイベントがあるからずるい！！

無茶をしたヒーローを手当てをするヒロイン。これは
動のヒーロー×ヒロインだから発生するイベントであって、静のヒーロー×ヒロインではありえない。
なぜなら静のヒーローは無茶をしないので、起こりうるイベントは無茶をしたヒロインを手当てする静のヒーローになってしまう。

手当てされながらも最後までツンデレを遺憾なく発揮する竜平。
「ねぇ、届けてくれたの竜平くんなんでしょ？？、」の問いかけに
「知らねーよ、！」
とシラを切り続ける。物語はこんな感じで終わるのだが、吉田くんがこの結末を知ったらどう思うだろうか。みい子のことだから吉田くんの前で
「実は竜平くんがね～」と喋ってしまいそうだ。怖い。吉田くんを当たり前に傷つけてしまうこの世界が怖い。
どうか、君にとってこの世界が優しいものでありますように。