Le Pitet Princes 大園桃子卒業セレモニー
最初は、面食らいました。
これまでは卒業するメンバーの名を冠したコンサートではその人が主役で始まるところ、いたって普通の『真夏の全国ツアー』で始まり、ずっと進んでいったからです。
コンセプトと演出とのズレに対する違和感は、アンコールで解決しました。
20~40分くらいのアンコールこそが彼女にとってのセレモニーになっていました。
まるで、”小さな王女さま”のようで、これがずっと等身大の大園桃子さんだったんだなと。
特に印象に残ったのは、齋藤飛鳥ちゃんの贖罪の言葉と梅澤美波ちゃんのお別れの言葉でした。
いつもは、どこかヘラヘラしているような掴みどころのない飛鳥ちゃんが涙をのんで、苦しみを分かち合えなかったこと、解き放ってあげられなかったことを真摯に語りかけていたのはファンとして胸に来るものがありました。二人が抱き合い涙を流す中で、tuttiのコーラスが「やさしさとは」を奏でる姿は交響曲のフィナーレのようでした。
梅澤美波ちゃんは、ずっと大園桃子ちゃんの近くにいて、プライベートでも仲良く、ファンも「梅桃」と呼ぶほど公認でしたから、一際別れが辛かったのではないかと思いますし、それを感じさせる語りでした。でも彼女は、3期生が12人ではなくなって、11人になってからもあなたがいた頃と変わらないように頑張っていくと誓った姿は、これこそが彼女の真髄だなと痺れるものがありました。
正直、9th. Birthday Live 3期生ライブの完成度を観た時に、
「最高の到達点であり、もう、折り返し地点なんだな。」
と寂しく感じました。12人であることが乃木坂46 3期生のアイデンティティの根幹でもありましたから、大園桃子ちゃんの卒業はその流れを確信に変える事実でした。
だけど、美波ちゃんは「まだ終わりじゃない。」とファンにも語りかけていたんじゃないかなと私は受け取りました。
トリプルアンコールを除いて、最後のパフォーマンスとなった桃子ちゃんと与田祐希ちゃんのダブルセンター「逃げ水」。
二人が光を浴びながら、前に進み出るところで、始まるのですが、祐希ちゃんの歩み出しがコンマ遅れたんですよね。
そういう言葉にならない、別れを惜しむ姿は心を揺さぶるものがあります。それにしても、谷村庸平さん作曲のこの楽曲は、音楽的に素晴らしい。オーケストレーションによるサウンド感、構成、すべてがパーフェクトです。
さて、以下は、ラストは本編をみて感じた雑多な感想の羅列です。
以上、乃木坂46 真夏の全国ツアー2021 大園桃子卒業セレモニーの感想、ご一読いただきありがとうございました。
佐藤楓
彼女のあだ名、「でんちゃん」は桃子ちゃんがつけましたし、最初に仲良くなった者同士だから、寂しさは物凄いものがあった筈ですが、彼女は最後まで笑顔で、いつもと変わらないアグレッシヴさと、細かなニュアンスを活かしたダンスでパフォーマンスし続けました。彼女は、桃子ちゃんの親友であり、盟友である前に、プロのパフォーマーなんだなと感動しました。のんびり屋さんにみえて、いつの間にか急成長し続けています。みんながパンチの振り付けをする中、一人だけお尻で「えい!」とする姿は、ユーモアある彼女らしくて大好きです。
松尾美佑
多くの乃木坂メンバーは、かわいいな、美しいなと思いますが、
何回みても彼女がステージに現れた時の圧倒的な存在感と鳥肌が立つような美しさは新鮮ですし、他の追随を許さない唯一無二のものを感じます。早く乃木坂46のセンターになった姿をみたいですね。憧れの生田絵梨花ちゃんに人見知りへのアドバイスもらえてよかったね。
山﨑怜奈
音楽家(アマチュアですが…)として、彼女の歌声の貢献を語らずにはいられません。ボアのある響きが一気に安定感をもたらし、倍音を増強させ、響きが豊かになります。彼女の歌声が乃木坂の表題曲に加われば、音楽的により豊かになるので、選抜にセレクションしてほしいと願うのは私だけでしょうか。
…サラサラショートヘア、外ハネ、ウィンク、指ハート。
ん~っ、好きぃい…‼( ˙꒳˙ )
失礼。つい、カワイイ感情がショートしてしまいました。
山﨑怜奈さんは、マジでかわいいっすよ。
山下美月
「映像研には手を出すな!」の齋藤飛鳥、梅澤美波、山下美月のユニットの際、飛鳥ちゃんが萌え台詞をくじ引きで言うことになった際
「アッ、ハッハッハッハッハッハッハッハッ…!!」
と、どこか悪魔的に爆笑する姿や、アンコールに大粒の涙を流す姿など、感情のままにパフォーマンスする姿がみられるようになったのは彼女がアイドルを続けるなかで辛い想いや喜びに出会いながら変わってきたものなのだろうと思うと、愛おしくてたまりません。
賀喜遥香、4期生
彼女達のライブで一気にトップギアに持っていく実力は、他の期生にはないもので、特筆し続けるべき素晴らしさです。全体ライブだと他のジェネレーションやユニット、選抜、アンダーとパフォーマーの枠組みが変わるので薄れてしまいますが、トップギアのテンションのまま突っ切ることができるスタミナを持ち合わせているので、早くそのカラーを先輩にも波及させてほしいなと思います。
また、思い出すことがあれば加筆します。
では、この辺で。