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成果発表2024現在 〜良い音の正体について〜
おはようございます!
普段はレコーディングやPAなどのエンジニアをしております、MaCoと申します!
オンラインミキシング!受付中です。よろしくお願い致しますっ!(^^)/
良い音
「良い音」とは、単なる周波数特性や音圧レベルといった物理的な条件では割り切れない、すごく主観的な価値です。
人間の耳と脳で感じる知覚プロセスが関わってくる。
人は特定の周波数帯域に敏感で、倍音構成や音色、アタック感などによって「心地よさ」を感じる傾向が異なってきます。
個人がこれまで聴いてきた音楽や音響体験、慣れ親しんだサウンドの記憶も「良い音」の判断基準となるはず。
つまり、「良い音」は、人間の知覚的特性や個々人の経験と嗜好が複合的に複雑に絡み合った結果として生まれる事だったりします。
というのを前提に、レコーディング、ミックスにおける商業音楽の中において体感した感想を書いてみます!
プラグインの威力
昨今のミックス事情として、ついつい新しいプラグインやテクニックに目が行きがちで、「このプラグインさえ手にはいれば、、、」って思いますよね?!
僕もすごく思います!
なんせ、今のプラグインはほんとに優れていて しかもコスパも良い。あの憧れの「質感」を、PCだけで忠実に再現出来るという実態が僕の周りからも続々と報告されております。
実際に使ってみると、本当にそうで。
少なくとも 自分のイメージした理想の音像に仕上げる事に対して、4、5年前から比べるとはるかにハイレベルな位置でプレイさせて頂けております。
(技術開発者さま ありがとうございますm(_ _)m)
まず、技術の進化がすごい。
それはPCのスペックも含めて、スピードと再現性、AIの最適化や処理能力。
ミキシングにおいては、時短が進むことで自宅録音の素材を頂いてのご依頼であっても「補正」にかける時間がかなり縮んだので、純粋にミックスに充てれる時間が増えております。
タイムリミットの恐怖
何かを作る時はいずれ完成がくる。
その時を目指して、今までの経験や技術を駆使して 今できる自分の最短ルートを完成までの限られた時間に詰め込んでいます。
その限られた時間の内容ですがオンラインの場合、
まずはトラックの管理と整理をし、プロジェクトファイルの形式やテンポの確認とリリース先の形式の確認をして打合せ。
次に、録音データの補正(ピッチ補正やノイズ除去処理)をしてミックス素材を綺麗に下ごしらえする。
そして、いよいよミックス。
例えば、この内容を オンラインミックスの「歌ってみた」のご依頼で頂く場合は「2mix(オフボーカル)+ボーカル」のプロジェクトで考えると3時間に詰め込みます。
オンラインミックスの内訳は ザックリこんな感じです。
①データ管理、確認 20分
②録音データの補正 40分
③ミックス、マスタリング 60分
④修正対応 60分
やり取りは、基本チャットやメールなので お互いに確認と要望などの時間を考えると早くても2日〜3日での完パケになります。
そして、スタジオで録音から立ち会える場合には ②が録音になります。(ボーカルピッチ補正はあったりなかったり
録音の段階で、ミックスを視野に入れて録るので録音後にはミックスのカタがほぼ完成します。
その為に、マイクの種類やプリを選定して スキル「マイキング」と掛け合わせて録音をしていきます。
歌みたミックスであれば、完パケまでは約5時間くらいです。
僕たちは録りで頑張る
つまり!
結局のところ一番大切なのは「素材」なのでは?!
どんなに良い機材やプラグインを使っても、元の録音が良くなければ それ以上のニュアンスや質感は得られない。
クオリティは素材の調達時に80%は決まると言っても過言ではないです!
録音の段階でしっかりとした音とニュアンスが録れていれば、ミックス時に過度な編集やエフェクト処理をしなくても済むという流れです。
録りで適切なマイクを選び、適正レベルでプリを使い、さらに美味しいマイクポジションで録音すれば、実はEQやコンプレッサーを多用せずともリッチで自然な仕上がりになります。
そうです!!僕たちは録りで頑張ります!
いかに新鮮な素材を調達出来るかで、味付けした時に素材そのものの風味や甘味を引き立てれるか。
むしろ、味付けは隠し味。
なんだかんだで、やっぱり素材が大事。
ミックスだけでなく、音楽制作全般に言えることだと思います。良い素材を手に入れるために、録音時にどうすれば理想に近づけるか。を日々探し続けるのが僕たちの仕事と言っても過言じゃ無い。。
なんの仕事をしているの?って聞かれた時に良い音を探しています。って答えはやばいヤツですが。笑
出勤時間も定時も曖昧な仕事ですが、音の事を考える時間と体感する時間を加えると全ての時間が仕事になります。
スーパーのBGMが歪んでいたら気になるし、どこか部屋に入ると自然と残響特性を頭で測って「この部屋でドラム録ると良いなぁ」とか思います。
マイク選定の考えかた
話しがそれて申し訳ないです、、、
2024年までの現時点では。音楽制作においてマイクの選定が完成度を上げる重要な要素の1つです。
なので、目的に応じた選定がめちゃくちゃ重要だと思ってます。
分かりやすいとこだと、ボーカル録音ではコンデンサーマイクが主流で、クリアかつナチュラルな音を狙うために、指向性や周波数特性を理解して利用したマイキングスキルが必要です。
傾向としてですが、高価なマイクが必ずしも最高の選択ではなく、用途や録音環境に合った適切なマイクを選ぶことも重要なポイントとなります。
初心者であれば扱いやすい価格帯のマイクからスタートし、徐々に自分のスタイルに合った機材へとアップグレードしていくのが良い戦略だと思います。
ただ、安すぎるマイクは安いという事の他に、魅力があまりないのが個人的な印象です。
というのもあって、¥30,000〜 とかがオススメです。
それよりなりより、マイクを選ぶにあたりマイクの特性を理解して、スペック値から照らし合わせた時に自分のスタイルに合っているかの判断が出来れば、なんとなく録れる音質も予想できますよね?!
1.音源に応じたマイク選定
2.指向性の違い
3.感度とSPL(最大音圧レベル)
4.周波数特性
5.使用環境と価格
の5点から、僕の経験と体感をもとにはなりますが、傾向と対策を書くので 少しでもイメージが共有出来たら幸いです!
1. 音源に応じたマイク選定
マイクの選定は、録音する対象に応じて変える必要があります。例えば、以下の音源にはそれぞれに適したマイクが存在します。
ボーカル
コンデンサーマイクが一般的です。特に中高音域をクリアに拾うものが好ましいです。
たとえば、Neumann U87は、ナチュラルでありながら、ボーカルの存在感を強調する特性があります。
ポップフィルターの使用を推奨!!
ギターアンプ
ダイナミックマイクが適しており、Shure SM57が代表的です。このマイクは耐久性が高く、ギターアンプの音をパワフルかつタイトに捉えることができます。
ドラム
キックドラムにはShure Beta 52AやAKG D112が定番ですが。選定ポイントは低域をしっかり拾う!という事で力強いサウンドを目指します。
スネアやタムにはSennheiser MD421やSM57が使用されることが多く、アタック感を強調した録音が理想です。
オーバーヘッドにはコンデンサーマイク(AKG C414やペンシル方micなど)が推奨され、シンバルやアンビエンスをナチュラルに捉えます。
という感じで、音源の何をキャプチャーしたいのかでマイクを考えていきます。
音源をタイトにカチっと録りたいのであれば、ダイナミックマイクを発音源に近づけて録る。
その音の傾向はどんな周波数特性なのか を踏まえてマイクの周波数特性と掛け合わせて考えると理想に近づけるはずです。
2. 指向性の違い
録音環境や目的に合わせて、マイクの指向性を選ぶことで音像を表現や環境ノイズの調整がしやすくなります。
単一指向性(カーディオイド)
ボーカルやギターアンプに最適です。
前方の音を集中的に拾い、背後の雑音を抑えるため、反響が多い部屋やライブ録音でもクリアな音質が得られます。
双指向性
音源の正面と背面の音を強調したいときや、ステレオ感を生かした録音に最適です。リボンマイクに採用される事がほとんどで楽器で使うとナチュラルなサウンドを拾うのに優れている印象です!
無指向性
空間全体の音を捉えるため、クラシック音楽の収録やアンビエンス録音に適しています。例えば、DPA 4006は自然な空間の広がりを記録する際に利用されます。
ドラムのルームアンビエンスでステレオで使用すると、部屋の音も含めた自然な奥行きを狙えます。
3. 感度とSPL(最大音圧レベル)
感度(Sensitivity)
マイクがどのくらい小さな音しっかり電気信号に変換できるかの指標です。
たとえば、冬の深夜の静かな部屋で微かに響くネコの寝息(かわいい過ぎる)や、コンサートホールで奏でられる弦楽器のかすかな響きをクリアに拾いたい時なんかは、感度が高いマイクが有利だ!という感じです。
ただ、感度が高いマイクは、狙った音の周囲にある不要な環境雑音も拾いやすくなります。
SPL(Sound Pressure Level、音圧レベル)
音自体の大きさを表します。20dB程度のネコの寝息(かわいい過ぎる)から、60dB前後の会話声、その上は100dBを超える騒々しい街中や120dBを超えるロックコンサート、ジェットエンジンまで、音には大きさに違いがあります。
マイクには「最大SPL(Max SPL)」という、歪みなく拾える音の上限があり、この値が高いほど、大音量の音源(ドラムセット、ギターアンプ、花火の音など)をきれいに録音できます。
という事で、、、
たとえばアコースティックギターの繊細な音色や囁くようなボーカルを録音するときは、感度の高いマイクを使うと、小さな音まで細やかに記録できて。逆に、ライブ会場や花火の爆発音ような大きな音を扱うときは、あまり感度が高すぎると入力が大き過ぎて音が割れてしまうので、低感度で大音量に耐えられるマイクを選ぶ事になります。
身近な例で言うと、
20~30dB程度(非常に静かな環境)
・ 感度の高いマイクが必要。
60dB程度(普通の会話声)
・ 一般的なマイクでOK。
100dB超え(近くで通る電車、うるさい工事現場)
・ 感度が低めで、最大SPL値が高いマイクが安心。
120dB以上(ロックコンサート、強烈なドラムや金管楽器の近接音)
・ さらに高耐音圧(最大SPL)のマイクが必要。
これを知ってると、録りたい音源に合わせてマイクを選ぶことで、狙った音を最適な状態で録音出来そうですよね?!
4. 周波数特性
フラットな周波数特性を持つマイクは、録音する音源に対して忠実である一方、特定の周波数帯を強調するマイクは音源に独特の色を加えることができます。
• フラット特性: Earthworks QTC50は、極めてフラットな周波数特性を持ち、原音に忠実な録音が可能です。クラシック音楽やオーケストラなどで利用されます。
• 特定の周波数を強調: Shure SM58は中域を強調する特性があり、ボーカル(ライブでは,定番)で使われることが多いです。中域の強調により、声がミックス内でしっかりと前に出る効果があります。
5. 使用環境と価格
使用環境や予算も考慮する必要があります。スタジオで使う場合と、ライブやホームレコーディングで使う場合では選定基準が異なります。
• スタジオ用途: 高音質なコンデンサーマイクが好まれる傾向があります。予算が許すなら、Neumann U87のような定番の高級マイクが選ばれることが多いです。
• ライブ用途: Shure SM57やSM58のようなダイナミックマイクは、耐久性が高く、ライブでの使用に向いています。価格も比較的手ごろで、複数台を揃えやすいのが利点です。
• ホームレコーディング: 初心者向けには、Aston OriginやAudio-Technica AT2020などのコストパフォーマンスに優れたコンデンサーマイクがオススメです。
これらのマイクは、家庭環境でも扱いやすく、初めての録音セットアップに適しています。
マイク選定のまとめ
マイク選びって、録音のスタート地点としてめっちゃ大事なポイントだと思います。
ただ、最初から高級機材を揃えなきゃいけないわけじゃない!
むしろ、目的や環境に合ったマイクを選んで、そこから徐々に自分のスタイルに合わせてアップグレードしていくのが現実的だし楽しいです。
例えば、「音源に合うか」「指向性はどうか」「感度や最大音圧レベルは?」とか、マイクごとの特徴をちょっとずつ知っていくと、狙った音がどうすれば録れるかイメージしやすくなる。
「録音=実験」だと思って、いろいろ試してみるのが成長の近道かなっと思います!
ホームレコーディングの場合は特に、環境に制限があったりするんで、限られた条件の中でどれだけ自分のイメージに近づけるかを考えるのが面白いところ!
そのためには、とにかく録音して、ミスって、改善しての繰り返し。経験値が増えると、マイクの特性やテクニックが自然と身についていきます。
「どのマイクがいいかわからない、、、」とか「この環境でどう録ればいいの?」ってなったら、ご相談下さい!
僕も日々いろいろ試しているんで、実体験をもとにアドバイスできると思います。
一緒に“良い音”目指して頑張りましょう!
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