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入水自○しようと海に行ったけど


夜勤明け、僕はその日の勤務のストレスや色々な葛藤が溢れ返り自暴自棄になった。過去最大レベルに眠剤を飲んでも全く寝れず、自暴自棄になり狂いに狂っていた。

そして思った。「ずっと海が見たかったし昏睡するレベルの強い眠剤を持っていってそのまま海に還ろう」と。寝ずにお台場の横浜公園に2時間くらいかけて行った。電車内で「地の糧」を読んでいた。

まあ横浜公園は行ってみたら海ではなくリゾートに近く、浅かった。けれど行ってる途中でフォールガイズというゲームのグッズを買ったりしてたらワクワクしてきて、そこに着く頃には希死念慮は薄れていた。

可愛い


横浜公園に着いてまず砂浜に座ってじっとした。とにかく綺麗で、波の音がとんでもなく心地よくて、感動する余り泣いていた。

数年前からずっと海を見たかった。大学時代友達と静岡だかで海を見た事はあったが、あの時の記憶がずっと残っていて、いつかはまた見に行きたいと思っていた。海は広大で、ただただ旋律の様な静けさを纏っており、他には無い何か惹かれる物がある。思い出にしたくて、甲子園の終わりのように砂をパケに入れて持って帰った。


なんでさざなみはこんなに美しいんだろう。曇天で夜になっても月が出てこなかったのが惜しいけれど、行ってよかった。桜と海が個人的にツートップで美しい。幸せだった。本当に幸せだった。

合間にさざなみを遮ってヨルシカの「靴に花火」と「月光浴」を聴きながらタバコを吸った。「こんなに綺麗な物を貰っていいのか」と思ってしまうくらいだった。ヨルシカは木々や海、月の様な純粋な"自然"だ。「生きてて良かった」と思えるほどに感激をする。

「自殺するなら絶対に海に入水がいいな」と思った。僕はそれらの様に綺麗になれないからせめて落とし前はそこを選びたい。花と、海と、月と、ヨルシカが、社会の、人間の、薬で塗れた僕の汚さを浄化する。

僕が海に飲まれるのはいつだろうかとぼんやり考える。

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