[20230116]営業休止が意味するもの
破産直後に東京の不動産会社による事業承継で復活を遂げた丸うだが、2月末で営業休止に入るとのことである。
プレスリリースを読んでどのように受け止めるかは人それぞれであろう。
何が真実か。それはプレスリリースに書いてある通りだと捉えることもできるし、
「事情ご賢察の上、ご了承ください」という文言に込められた想いを(勝手に)汲み取るのもまた読み手の自由である。
経営側でないと、何が真実かは分からない。
ただ、事実として分かったこととして、
本店で製造されているのはだて巻のみで、
他商品は他社に製造委託されているということは、少し驚いた。
口コミ等を読むと、塩辛もまた看板商品として承継後の企業にも引き継がれていたはずではあるが、自社製造ではなかったということだ。
また、事業承継後はオンラインショップによる販売も注力されるという記事を読んでいたが、
今回駐車場の所有権移転を理由としていることから、
販売手法が依然として対面販売が主流だったことが伺える。
「多くの顧客(約1万5千)」という表現があったが、単位は「人/年間」であろうか。
とはいえ、こうした事情や背景を踏まえて、
異業種による事業承継は難しいものだと考えてしまうのは、時期尚早であろう。
本来、破産会社の事業承継という時点で、
破産の理由はあれど、一段とハードルの高いことであることは間違いない。
地元の企業ではない企業が手を挙げたという時点では、
市民に馴染みの味が守られる可能性があったわけである。
破産会社と不動産会社の間にどのような関係性があったかは不明だが、
その試みはある意味賞賛されるべきものであったと考える。
ただ図らずも、そうした目論見は厳しいことが露呈してしまった。
以下の文章に込められた想いを受けて、また手を挙げる企業は今後現れるであろうか。
文責:株式会社おだわらコンサルティング