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刺網漁業のその先へ~短期漁業研修~

小田原市では、漁業後継者育成事業を実施し、漁業の担い手確保に向けた取り組みを行っています。

小田原の漁業は、定置網漁・刺網漁が主体となりますが、このうちヒラメ・イセエビ・アンコウなどを漁獲する刺網漁については、将来的な担い手が不足する可能性があります

刺網漁により漁獲されたアンコウ
(小田原市水産市場に出荷されている様子)

小田原の刺網漁業者は個人経営体が多く、また事業の規模も小規模であるため、第3者を雇用する余裕がある者は少ない状況です。

小田原の刺網漁業者は1〜2名で操業する経営体が多い


更には、現在の刺網漁業者で「後継者がいる」者は非常に少なく、何か手を打たねば、10~20年後には、コミュニティの存続が危ぶまれるとともに、ヒラメ・イセエビ・アンコウなどの地域の豊かな資源の漁獲が難しくなる可能性があります。

こうした危機感を共有し、昨年6月刺網部会では、担い手確保の先進的取組みである一般社団法人Fisherman Japanの取組みを視察しました。

令和5年6月に実施した視察の様子

視察した内容を参考に、「まずは出来ることから」ということで、
大学生等の若者を対象とした刺網漁業の短期研修を実施することとなりました。

短期研修を実施するねらい

短期研修の狙いは、3つあります。

①受入先の親方:若い人を雇うイメージを作る。

個人操業の事業者が多く、「人を雇う」ということを経験したことがない漁業者が多いため、まずは「どういった作業から任せられるか」、「どういったプロセスで育成していくか」を考える契機を作ることが重要です。

また、「最近の若い人は・・・」と、よく言いますが、将来を担う若者が「何を考えてるかわからない」と思う親方も多いので、「若者を知ってもらう」ことも重要なことです。

漁業者と若者との対話を重ね、「若者を知る。」

②参加する若者:刺網漁業を肌で知る。

刺網漁業は一人で仕事をする内容も多く、できるようになればやりがいを感じる事の出来る仕事です。
ただ実際に、「どんな作業があるのか」を知らないと、その先に行けません。海上での作業、陸上での作業を学び、また、漁業者との交流を通じて、「仕事のやりがい」を学んで頂きたいと考えています。

実際に刺網漁業に従事し、「仕事のやりがいを知る。」

③それ以外の方:刺網漁業の課題を知ってもらう。

今、このnoteを呼んでいるあなた。
親方でもないし、参加する対象でもない・・・ですが、この課題は、地域の資源を守る・知るために、多くの方に知って頂きたい課題だと思っています。
この課題に対し、「自分に何ができるか」を多くの人に考えて頂きたいと思っています。

小田原の刺網漁業の「未来を考える。」

これからの取組み

令和6年度から本格的にスタートをしていく予定ですが、まずは取組みのイメージを掴むために、令和6年3月にトライアル実施を行いました。
トライアル実施の様子などのレポートをこれから発信していきたいと思います。

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