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刺網漁業短期研修レポート②~令和6年3月21日~

前回の記事で江之浦漁港での研修の様子をお伝えしましたが、今回は、2日目として小田原漁港で実施した研修の様子をレポートします。

小田原漁港にて

研修生は市内のホテルに宿泊し、3:30に出発。
前日遅かったので起きれるか不安でしたが、なんとかみんな間に合いました。
4:00前に小田原漁港本港に到着し、親方と合流しました。

今回お世話になった親方は、刺網漁業を営む一方、シラス漁も営む漁業者です。3/11にシラス漁が解禁になったこともあり、今回は刺網漁+シラス漁の研修となりました。

日の出前の暗い時間から、出漁

親方、研修生・・一緒になって網を手繰る。

4:00頃に小田原漁港を出港し、10分程度で漁場へ到着。(近い!)
はじめは親方から見せる形での指導でしたが、徐々に「やってみるか。」と、親方から声かけがあり、網を手繰るところから研修が始まりました。

「手が反対だぞ」「上から引くんじゃなくて、下から、こうだ!」

親方からの指導の様子
漁獲されたアンコウ

段々と親方の指導にも熱が入り、研修生も一緒になって、懸命に網を手繰りました。

親方、研修生が一緒になって網を手繰る姿に、今後の希望を感じました。

今いる漁業者・若い人が一体となって、この地域の刺網漁業を支えていく事ができたら・・・と、そんな事が期待できる背中でした。

合計で6網くらい引き上げた後、気づいたら日も出ていました。

海上から見る日の出は格別です

日の出後、シラスを探しながら漁の準備に入りましたが、この日はあいにくシラスを見つけることが出来ませんでした。

親方、研修生でシラス漁の準備

残念な気持ちもありましたが、親方からは「また来いよ!シラスが入りだしたら連絡するから、すぐ来い!」研修生も「すぐ行きます!」とのやりとりがあり、企画した私もなんだか嬉しくなりました。

本来は、シラスが獲れたらその後の釜揚げ作業などを行う予定でしたが、獲れなかったため、漁終了後、解散となりました。

2日間という短い時間でしたが、熱心な研修生で、親方や我々にとっても新しい気づきがあり、充実した時間になりました。
ご参加頂き、ありがとうございました。

ありがとうございました!

研修の感想

研修後、参加した学生さんから感想を教えて頂きました。

― まずは、研修の感想を教えてください。

研修生A
 漁業者の対応や態度がかなり親切だったので、とても印象が良かったです。刺網漁業の現状を知ること、海ぶどう養殖などの新しい漁業を知ることの2つの視点があったと思います。若い人からすれば、後者の体験は刺激的だと思います。
 また、個人的な感想ではありますが、漁業だけでなく、農業、林業、観光業など業種を縦断して小田原という地域全体や、その地域のすごい人をもっと知ってみたいと思いました。

研修生B:
 初めて小田原に足を踏み入れた私も、小田原のことや仕事のことを丁寧に教えて頂いてとても感謝しています。親方の家で地元の魚や獲れたてのアンコウを使った夕飯をご馳走になったりと食の面でもかなりお世話になりました。
 他にも小田原では柑橘類の農園を見る機会が多く、海と山両方の魅力を感じることが出来ました。
 海ぶどう養殖では、商品の海ぶどうに付け合わせているタレに自身の農園で獲れたレモンを使用しているようで、海の幸と山の幸が融合した小田原ならではの味だと思いました。

― 研修を通じて、小田原の刺網漁業の課題と感じた点や、強みと感じた点を教えてください。

研修生A
 課題としては、後継者がいないこと。強みとしてはアンコウが獲れること。珍しいと思いました。

研修生B
 課題として1番に感じたのは、やはり人手不足です。
 研修初日にお世話になった親方からは、漁で使う網を自身で修理しながら利用しているといったお話を伺いました。
 私も古い網を解体して、使える部分を取り出す仕事をお手伝いしましたが、それだけでも想像以上に手間と時間がかかり、漁に出る以外の仕事量の多さに驚きました
 強みとしては、2日目の研修で、港を出てから10分程度で漁場に着いたことに驚きました。短時間で水揚げできるだけではなく、消費地も近いので新鮮な魚介類を届けることはとても良いと思いました。
 また、刺網漁では、ヒラメやホウボウだけではなく、アンコウやタカアシガニなどの深海の生き物を見る事が出来て、とても楽しかったです。
 小田原で販売している「小田原あんこうカレー」は相模湾らしさを押し出していて、魅力的だと感じました。

ーありがとうございました。

今後の予定

小田原の刺網漁業における短期研修は令和6年の夏、令和7年の春にまた実施する予定です。
募集などの詳細については追ってまた情報発信をします。

この記事を読んで、興味を持った方がいらっしゃいましたら、是非応募して頂けると嬉しいです。

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