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【過去作品倉庫】DQシンフォニー第四楽章_20110109a

【概要】
・今後販売する予定のない過去の制作楽曲を公開。
(YouTube個人チャンネルを経由します)
・局所的/限定的に使用したもの、あるいは未発表のもの。

【御了承下さい】
・制作当時の音源データなので、音量や質感等はまちまち。
・インスト曲/BGM/お蔵入り楽曲のバックトラック/etc.。
・音作りやアレンジ、ミックスを「ミスってる」ものもあります。

ざっくり解説。

第一楽章 / 第二楽章 / 第三楽章

シリーズものはお好きでしょうか?俺は大好きです。
簡潔にどうぞ、とか、三行で教えてくれ、とか、
シンプルさとか、要約の重要性ってのは要求が上がってますよね。
最近の楽曲も、なんとなく短めになってきてるものが多い気がします。
自分もそうかなあと思う。昔は「4分ぐらいの曲がいいよねー」
みたいな目測はあったけど、今はもっと短めです。
そういったトレンドに逆行する、大長編四楽章構成。笑

さ、第四楽章。終楽章です。
ラストにふさわしく、言うなれば「バトルラッシュ」。
主に戦闘系・勇ましい系の楽曲アレンジをまとめたのが今作。
クラシック要素もかなりたくさん出てきますよん。

・冒険の旅(DQ3)
ドラクエ3代表、みたいなのがこのフィールド曲だと思ってます。
(いきなりバトル曲じゃないんかい!なんだけど。笑)
冒頭は言わずもがなのワーグナー「ワルキューレの騎行」風。
DQのフィールド曲って意外と切ないorほのぼの、なんだけど、
3は勇ましいんですよ。のっけから4人体制だからか?

・戦闘のテーマ(DQ3)
これはメロディががっつり乗ってる感じではないんだけど、
三連符系のまま突入。半音階の上下がエンカウントのSE的な。
メインメロディを食っちゃう勢いで混ざってるのは、
ホルストの組曲惑星「火星」。戦の神マルスが語源なだけあって、
まあイカつい曲なんですよ。笑 後半とかはモロ。
トロンボーンやホルンを思いっきり鳴らし上げる。
あとすごい地味になんだけど、ラヴェルとかチャイコフスキーとか。
自己満足程度に。

・呪われし塔(DQ4)
「火星」要素が最も濃くなってるとこで、塔のBGMに。
3もそうですけど、塔のBGMはちょっとトリッキーな雰囲気が多い。
罠とか謎解き要素が多いからではないかと思ってるんですけどね。
ただそのまんま使用するんではなくて、前記事二楽章で出てきた
「街角のメロディ」と紐づけたメロディに寄せて使ってます。

・戦闘(DQ1)
ほんの一瞬!ホルンが吠えてるとこ。
ディミニッシュコードで半音降りしてる感じが、
戦闘時の焦りを演出してるんでしょうか。

・死を賭して(DQ2)
一瞬チャイコフスキー「白鳥の湖」風の展開を挟んで(頻出。笑)、
ラスボス「シドー」戦のBGM。ここもトロンボーン・ホルンなんかの
金管楽器を鬼鳴りさせつつ、平行五度で攻める(楽典ではご法度?)。
クラシックのハーモナイズじゃなくて、ギターのパワーコード的な、
そういった鳴らし方です。これもほんの十数秒のパート。

・洞窟に魔物の影が(DQ5) - ジプシーの旅(DQ4)
・冒険の旅(DQ3) - 遥かなる旅路(DQ2)
明確に「白鳥の湖」メインテーマの匂いを撒き散らしつつ、
2曲同時展開を二連撃。いやー、こういうのがやりたかったんだ俺ぁ。
当時の俺、よく思いついたなとちょっとは自画自賛しておきます。
こういうのがね、自由にやりたかったんですよ。
過去作のBGMと絶妙にリンクさせながら曲を生み出していった
すぎやまこういちさんが神、ってのが前提なんです。すごいです。

・不死身の的に挑む(DQ5) - 戦闘のテーマ(DQ3)
雰囲気はもっぱらボス戦へ移行。
この辺からはオリジナルのアレンジを崩すのが難しくなってきました。
全編通してそうなんだけど、ピアノやフルートのカウンターメロディで
魔法なんかのSEの要素を付加していく、ぐらいの抵抗を試みる。笑
原曲を何十回も聞き返して、どんなハーモニーなのかを分析してました。
楽譜買えば解決したのかもしれないけど、逆にこれが経験値になった。
次の曲のモチーフをうっすらつなぎに使いつつ、

・勇者の挑戦(DQ3)
自分のDQ史のボス曲最強は、やはりゾーマでした。
「おい光の玉ほんとに意味あったのかよ!」とか騒ぎながら、
ずっと震えながらゾーマ殴ってた小学生の小田。
メインメロディに入る前に組み込まれてるのは、
小学校の音楽の教科書でお馴染み、ハチャトゥリアン「剣の舞」。
分かってもらえてたら嬉しい(勇者の挑戦も似たアプローチなんで)。
合間に「戦闘のテーマ」をまた拝借しつつ(使い回しすぎ?)、
テンション最高潮のまま、とにかく引っ張りきる。

この曲の特異点は「ただ絶望的な雰囲気、ではないこと」だと思ってます。
気持ちを逸らせるような高速パッセージを終始走らせつつも、
メロディ自体は分厚く四分音符で鳴るように設計されてるし、
巧みにメジャーコードが鳴って、邪悪な雰囲気の中にも「神々しさ」、
一筋の「希望」のようなものが含まれている。
アレフガルドのフィールド曲「広野を行く」がモチーフになってて、
ボスに辿り着くまでの旅を内包している、と感じられるんです。
あくまで自分なりの解釈なんですけどね。。
だからこそのカタルシスだし、のめり込んでたんだろうな。
ドラクエ含め、ゲーム音楽ってすげえ。。

・序曲(DQ)
同曲のマイナー展開を転調させつつ、一度雰囲気を落として。
本来はファンファーレとしてあまりにも有名なメロディなんですが、
ピアノのバッキングを主軸に沿えて、あえてのバラード風に。
ボスを倒した勇者って、きっと疲労困憊だと思うんですよ。
大喜びでガッツポーズしながら凱旋だー!ではなくて、
長い長い戦いを噛み締めながら、帰還したんじゃないかなあ、
というイメージで作りました。
今思えば、なんだけど、DQ2エンディング曲「この道わが旅」
の記憶がどこかに引っかかって出てきたものかもしれない。
(メロディの引用はありません。)

・エンディング(オリジナル)
ここは雰囲気の総集編みたいな感じだったんですけど、
アレンジやコード展開は、実は「ディズニー」なんです。笑
広げに広げた雰囲気をどう畳むか、って結構大事なことで、
特に「中世」をモチーフに作られたドラクエの世界、
言い換えると「ファンタジー」を終わらせるための楽曲の規模感、
を考えた時に必要な展開でした。ちゃんと広げ切って幕を降ろす。
「序曲」を通常のファンファーレにしてたら、いらなかった部分。

とはいえ、完全にオリジナルなわけでは勿論なくて、
最後の最後に駆け足で出てくるのが、
・武器商人トルネコ(DQ4) - 呪い・データ消滅(SE)
という。呪って終わるって、どーゆー終わらせ方や。。笑
メジャーコード転換したんで、ちゃんと浄化されたでしょう(



壮大に解説しましたが、こんな感じで制作されたのが、
自分なりの「DQシンフォニー」でした。
薀蓄や御託は本当はいらなくて、ただ楽しんでくださったならば、
とても嬉しく思います。解説は壮大なオプションというか、
副音声の一部、ぐらいに思ってもらえれば良し。

作り手としての熱量の一部を感じてもらうこともそうですが、
何より、自分が好きなものを好きになってほしい、
というエゴなのかなあ、とも思っています。
なにしろ勝手にやってることなので、意味の有無は置いておいて。
自分の「好き」をただただ音にぶつけてみたことと、
それを受け取ってくれる人が一人でもいるのであれば、
それで満足です。


今はなかなか時間が取れなくなってしまって、
こんな壮大なシリーズに手をかけることが難しい。
けど、またいつか。こういうの、やりたいな。
音楽が大好きです。


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