【セルフライナーノーツ】じゃんごーじゃんごー!
こんな時こそ家の中でしっかり働く!
今までとは別の可能性を見つける!
と思っているものの、やはりふとすると何とも言えない
無力感や無気力感に捉われる瞬間は正直、多いです。
ああ、自分弱いなあと素直に思うし、それでも
このままじゃ終わらねーぞ、という気持ちは常に胸に。
そしてその思いはちゃんと形にすること。
それでは書きましょう、シリーズ最後の曲ですね。
万貴音の2ndフルアルバム「Smile Co.」の11曲目になる
「じゃんごーじゃんごー!」。
サブスク登録してない方はこちらからサンプルを、
登録してる方は是非しっかり聴いていただけると嬉しいです。
CD買って聴いて下さってる方も、ありがとうございます。
今週末から万貴音、二週連続で配信リリースがありますので、
そちらもなにとぞ、ご贔屓に!
・ラインナップ最古の曲をセルフカバー。その立ち位置。
「セルフカバー」は一般的には、
「他人に提供した楽曲を自分で演奏・歌唱する」ことらしい(wiki調べ)。
なんだけど、もうちょっと広い意味では合ってるみたいなんで、
分かりやすく「セルフカバー」として説明させてもらいますね。
この曲、なんと初出は2007年。
手焼きCD-Rでリリースした1stシングルのカップリング曲でした。
2007年はミニアルバム1枚、シングル2枚をリリースした年。
「アンケート」「最後の嘘」などなど、今でも人気の高い楽曲は
この年に作られたものが多かったりします。
お客さんとライブで一緒にシャウト出来る曲なのもあって、
万貴音といえばこの曲、ぐらいのポジションになりました。
主催ライブのタイトルも「じゃんごーじゃんごー!」ですからね。
みんな大好きじゃんごーじゃんごー、
おれも大好きじゃんごーじゃんごー。
アルバムを聴いて感じた方もいらっしゃるかと思いますが、
このアルバムは、前曲「Answer」で一旦完結してます。
なので立ち位置的には、いわば「豪華なおまけトラック」
とも言えるんだけど、結果、入れて良かったかなと思います。
あんまり神妙なアルバムにはしたくなかったので。
やっぱ楽しい!で終わりたかったんだな。
・「じゃんごー」って一体なんぞ?
未だによく聞かれる質問です。そりゃそうだろう。笑
改めて書いておきましょか。
とあるライブ現場へ行くため、車で向かっていました。
広島のちょっと奥まったところの現場だったので、
途中でがっつりな山道を走ってたんですが、
(森の中の道を走ってる感じです)
運転してたチーム万貴音のメンバーが、
「もう景色がじゃんごーじゃんごーじゃねー」
と一言。それが妙なツボに入り、一同爆笑。
文章で書くと当初の熱意がまるで伝わらんな。
どうにか伝われー。。。笑
そう、つまり語源は「Jungle Jungle」です。
それを「間違った外国語風」にして、平仮名で書く。
あら不思議、何とも吸引力の大きな言葉になっちゃった。
そんな経緯で生まれたタイトルなもんで、
ちょっとギャグ要素のある曲になるかと思いきや、
意外とシリアスなテーマでまとまったという奇跡。
曲の中での「じゃんごーじゃんごー」は、
「もう何だかよく分からない感情の昂り・混乱」
を表す言葉、として使っています。
「うわー!」とか「あーもー!」とか、その類。
あれ、説明したらギャグ要素に見えるぞ。笑
・音の特徴。
ごめんなさい、これ当初はアレンジパーツ撮影してなかった。
前の項目では「セルフカバー」と書きましたが、
実は「セルフコピー」と表す方が近かったりもします。
一から音を作ってアレンジして、レコーディングしたんだけど、
楽器陣のアレンジは8割方、2007年の演奏を忠実に模しています。
ドラムのフィルから、それこそギターソロのフレーズまで。
これはちょっとしたこだわりです。
なんだけど、もちろん違いはあって、アルバムバージョンは
よりロックっぽいサウンドに仕上げました。
旧版はもうちょっと四つ打ちの雰囲気の強い、
ファンキーな雰囲気。こっちが好きって人も多いです。
同じフレーズや演奏でも、音作りやミックスで随分違う。
この変化については二つ理由があって、
「当時やろうと思って出来なかった」ことと、
「当時出来たことが出来なかった」こと。
当時はMTR(マルチトラックレコーダー)を使って制作してて、
今ほど自由な音作りや、音の重ね方が出来なかったんですね。
これこれ。ZOOMのMRS-1266。なっつかしー!
ドラムは内部で打ち込み、あとは10トラック(正確には9トラック)
の中で録音して編集して、っていう作業でした。
CDのマスターもこれで焼いてましたねえ。
2009年にiMacを購入してLogicを導入するまで、この環境でした。
こういう環境だったので、今みたいに50トラックとか80トラックとか、
音を重ねてまとめることは難しかった。これが理由の一つ目。
二つ目の理由については、「昔出来たことがなんで今出来なかったんだ?」
って思いますよね。これは非常に単純で、
旧版で特徴的な音だった「ワウギター」が再現出来なかったから。
…実家にワウペダルを置いてきてしまって、取りに帰れなかった、と。笑
ワウペダル(Wah-Pedal)ってこういうやつね。
ちゃかぽこちゃかぽこ、わききゅんわききゅん、
っていう音が出せます。
1:42あたりからの音。こういう音ですね。
使うだけでサウンドが一気にファンキーになります。
当時はこのジムダンロップのクライベイビーを使ってましたが、
使いすぎで潰してしまって、今はVOXのワウを所持してます。
どうにも実家に取りに帰る時間が取れなかったので、
DAWのプラグイン「Waves GTR3」だったかな、
ワウのシミュレータを使って処理しました。
今思えば、数時間かけてワウのオートメーション書くより、
潔く取りに帰ったほうが早かった気がしている。苦笑
音の特徴、他の部分についても解説します。
アルバムバージョンで追加された音は「エレピ」なんです。
(=エレクトリックピアノ、です)
テンポディレイをかけて、コードの補強と浮遊感の付与。
ロックは大好きなんだけど、万貴音でゴリゴリのロックサウンドは
ちょっと違うよなとも感じていて。入れてみたら大正解。
ロックの鍵盤はやっぱハモンドオルガン!ってイメージだけど、
この曲はこのバランスが正解だったと思ってます。
旧版より歪みの強めのギターががっちりサイドを固めて、
上でエレピが鳴ってるので、アコギの存在感はうっすら、
リズム要因的な立ち位置に。役割も変わってるわけです。
アルバム大団円、としてのポジションなので、
ちょっとライブっぽい音作りをイメージしてまとめました。
「アリーナーーーーーー!!!」って言いたいよね、
いつか。すげーでかいとこで。
・実は意外と真面目な世界観だったりする。
タイトルは面白おかしく、
楽曲のテイストも盛り上げ系の四つ打ちポップロックなんだけど、
その世界観は意外にも真面目というか、なんというか。
テーマは「外面」、なんですよね。
人に文句を言わず、女の子には出来るだけ優しくしつつ、
他人から嫌われたくない「善人」を目指す主人公。
そうやって一生懸命生きてるはずなのに、自分の目に映る
「気が使えないやつ」が評価されたり、モテたりしてる現状。
そうして周りを下に見ながら、内心では羨みつつ、
頑張ってるけど、自分の内側の下劣さにも気づいていて、
「我慢すればいつか報われる」と思っている、そんな主人公。
つまりは、(当時の)自分自身。今はどうなんだろうね。
今でも自分のことは割と嫌いだったりするんですけど、
少なくとも当時の自分は、誰かと自分を「比較」することが
今より多かったんじゃないかな、と思います。
ありのままの自分、そのまま晒せる人はどれだけいるだろうか。
それがいいことなのか、は別のこととして。
そういうことを、歌った曲なんですね。
とはいえ、ライブではあまりシリアスに考えすぎずに、
一緒に「じゃんごー!」って叫んでもらうのが一番幸せ。笑
・影響を受けた人。
まあ全体の雰囲気はこれよね。笑 氣志團の「One Night Carnival」。
氣志團のバランス感覚って相当すごいと思います。
なんだけども、大元は別にある。
及川光博さんの「三日月姫」が全ての元凶です。
間奏の「じゃんごーじゃんごー!」のコール&レスポンスとか、
中学時代に出会ったこの曲が染み込んでるんですよね、俺。
ミッチーの楽曲はかなり影響受けてるので、
今後楽曲解説する際にはよく出てくると思います。笑
2曲、対極にあるんじゃないかと思う人もいるでしょうね。
どちらも素敵な音楽です。素敵な音楽を延々と飲み込んで、
俺がいます。そりゃ繋がるよ。
色んな音楽や人の影響を受けて、
自分や自分の音楽は出来ている、ということです。
アルバム「Smile Co.」のラスト、
「じゃんごーじゃんごー!」のセルフライナーノーツでした。
会えない時間が積み重なっているけど、
会える時がきたら、みんなで全力で「じゃんごー!」しようね。
それが俺の希望です。
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