葬送のフリーレンのおもしろさ
11月に榊ばーらさんが、フリーレンおもしろいですよと言っていたので、漫画を買って読んでみた。
Amazon prime Videoでアニメもあったのでみてみたのだが、おもしろいやん!ということで、一気に単行本を11巻まで読んで、12巻が先日出たので早速買った。
主人公はエルフという数千年生きる人類タイプの種族の女性で魔法使いだ。フリーレンの世界は魔法が使える世界で、まあ言えばファンタジー小説の世界観だ。私はロード・オブ・ザ・リングが好きで、もう30年以上何度も読んでいるので、昔からファンタジーは好きなのだが、ロード・オブ・ザ・リングも瀬田さんが訳した叙述詩的な淡々とした文体が好きだ。
フリーレンは主人公が、秘めた熱さはあるのだが、普段は淡々と生きているなんかこれが、いいなあと思って世界観に引き込まれる。
ネタバレ的になってしまうので、気になる人はこの先は読むのはやめよう!
なんとしてもこれをやるの薄さ
例えばドラゴンクエストだと、竜王を倒して、姫を助けるというミッションなんだけど、フリーレンの場合は魔法の収集を地味に続けていたりして、すごく淡々と生きている。路銀がなくなると、魔法をつかって海の清掃を引き受けたり、鉱山で鉱脈を探したり。また民間魔法でかき氷を作る魔法書などを報酬に魔物退治を引き受けたりする。
これからはこういう時代ではないかという予感を確信に変える作品
いま、この漫画・アニメが人気があることに、時代性を感じる。フリーレンはやる気がない感じで淡々としている。魔王を倒すぞ!とかミッションを追いかけている感じではない、
フリーレンが師匠の魔法使いフランメと共にフランメの師匠の魔法使いを訪ねたエピソードでは、エルフの魔法使いであるゼーリエが
「望む魔法言うがいい。一つだけ授けてやる。」
と魔法を自分で学ばなくてもすぐにつかえるように与えてやろうと言ってくれても、
「いらない。魔法は探し求めている時が一番楽しいんだよ。」
と言い放ち、ゼーリエは呆れて
「フランメやはり駄目だこの子は。野心が足りん。燃えたぎるような野心が。」と言う。こういった恬淡としている部分に共感する。
フランメは、師匠が戦闘的な魔法使いであることを伝えたあとに
「フリーレンは平和な時代の魔法使いだ。」とゼーリエに言い放つ。
なんかね。このエピソードですが、団塊ジュニアに刺さるんですよ。
競争競争でやってきた、団塊ジュニアのワタシに刺さるんです。
クスリとわらえるユーモア
服が溶ける薬とか、クスリと笑えるエピソードも混ぜながら、物語は魔法が使えるファンタジー世界なのだが、今に生きる人生観というか世界観をハッと気づかせてくれるエピソードが多い。
まとめ
岡田斗司夫チャンネルで、攻殻機動隊の漫画はクスリと笑わせてくれるコマがあるが、押井守も神山健治も原作者士郎正宗が描く笑いまで入れた世界観じゃないだよと、士郎正宗の世界観を絶賛していたが、わたしもこれに同意する。そういう意味では、葬送のフリーレンは、人生観や世界観を語りながら、クスリと笑うユーモアも交えているすごい作品ではないか。
あと、時空を超えていくような、世界観も別の機会に語りたい。