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投資の考え方8/DeepSeekの影響波及で仮想通貨1000億円級ロスカット:市場の動きと私の視点

DeepSeekの影響波及で仮想通貨1000億円級ロスカット:市場の動きと私の視点

ニュースの、中国AIスタートアップ「DeepSeek」が、従来の30分の1以下のコストでOpenAIのGPT-4に匹敵する大規模言語モデルを開発し、無料版をリリースしたニュースが発端となり、AI関連銘柄や仮想通貨市場に大きな波紋を呼びました。

この波紋が引き起こした結果として、仮想通貨市場では1000億円規模のロスカットが発生しました。特にAI関連の仮想通貨銘柄やマイニング株が下落の中心となり、市場全体が大きく揺れ動きました。


市場の動きと仮想通貨の「通常レンジ」への回帰

1月27日13時30分ごろ、私の主力銘柄であるXRP(リップル)は**通常レンジ(482円~493円)**に戻りました。この回復の背景には、一時的なパニック売りが収まり、次の買い需要が徐々に増加したことがあります。しかし、この動きの中で、市場には非常に多様なプレイヤーが存在していることを改めて感じました。

市場には、以下のような人々や取引ロジックが入り乱れています:

  • 今日どうしても現金が必要な人

  • 今買いたくてたまらない人

  • 売買注文を弄りたいだけの人

  • 他人より先に注文を確定したい人

  • 相場の主導権を握りたい人

  • 単なる操作ミスによる誤発注

  • 自動売買ロボット

これらの要素が絡み合い、仮想通貨市場の価格は短時間で大きく変動します。そのため、プレイヤーの意図や市場の構造を深く理解することが重要です。

ロスカットとは?なぜ1000億円もの規模になるのか


ロスカットとは、損失を限定するために、一定の価格で自動的に取引を終了させる仕組みのことです。投資家が「これ以上の損失は耐えられない」というラインを事前に設定し、そのラインに達した時点で、保有している資産(ポジション)を売却または反対売買することで決済します。この過程を「ポジションを手放す」と表現します。

ここで言う「ポジション」とは、投資家が現在保有している取引の立場を指します。たとえば、以下のような場合があります:

  • 買いポジション:価格が上がることを期待して、仮想通貨や株式を買って保有している状態。ロスカットでは、この資産を売却して損失を確定します。

  • 売りポジション:価格が下がることを期待して、売りから入る(空売り)取引をしている状態。この場合は、買い戻しを行って損失を確定します。

ロスカットは、損失を限定するための重要なリスク管理手段ですが、仮想通貨のような価格変動が激しい市場では、ロスカットが連鎖的に発生するリスクがあります。


ロスカットが連鎖的に起こる仕組み

たとえば、ある投資家が「ビットコインが500万円を下回ったらロスカット」と設定していた場合、価格が500万円を割り込むと自動的にその投資家のポジションが決済されます。この大量の売り注文が市場に流れることで、新たな売り圧力が生じ、さらに価格が下落します。

すると、次のライン(例:490万円)でロスカットを設定していた投資家のポジションも自動的に決済され、これが連鎖的に続くことで、市場全体が一気に下落するという現象が起こります。今回の1000億円級ロスカットは、このような連鎖によって発生したと考えられます。

ロスカットは損失を限定するための仕組みですが、市場全体においては大きな価格変動を引き起こす一因にもなります。このため、特に仮想通貨市場のようなボラティリティ(価格変動)が高い市場では注意が必要です。


ビットコインの押し目買いは継続か?できるだけ早く注文を出すことのメリット

現在、私の仮想通貨への投資戦略は押し目買いです。市場が急落した際、どのタイミングで買い注文を入れるかが非常に重要です。経験則から言えば、できるだけ早く注文を出すことにメリットがあります。これにより、急激に反発する場面を早期に捉えることができるため、利益を最大化できる可能性が高まります。

また、このタイミングで重要なのは「先契約権」を持つことです。価格が戻りつつある時に、いかに早く注文を入れるかが、今後の相場での優位性を保つための鍵となります。特に1円を大切にする戦略が、リスクを抑えながら確実に利益を得るための方法となります。
複数のプレイヤーが同じ金額で注文を出した場合、先に出した人の分から成約します。その値段を境に相場が逆向きになると、その値段なのに買える人と買えないひち売れる人と売れない人が出てくるのです。


私の経験:高速取引の裏をかく戦略

市場が複雑であることは、株式市場においても同様でした。2000年代初頭のニューヨークでは、証券会社が高速取引の優位性を追求するために、光ファイバーの地下トンネルを敷設し、取引速度を競ったというエピソードがあります。この時代、私は日本の株式市場でも、コンピューター取引の裏をかくような取引を実践していました(と、勝手に思っていましたが)。

具体的には、以下のような戦略を取っていました:

  1. 相場のプレイヤーが迷う瞬間を狙う

    • 明らかにプレイヤー全員が「買うべきか売るべきか」を迷い、取引量が極端に落ちる瞬間がある。この「静寂」の中で先鞭をつけ、相場の流れを引き寄せる。

  2. 信用取引を活用したトリガー戦略

    • 高速取引が全盛期を迎える前の市場では、取引の「タイミング」を制することで、高確率で成功を収めることができました。相場を動かすような取引を仕掛けることで、私自身のポジションが有利な方向に動くこともありました。

地下トンネルの「1メートル」がもたらす優位性

2000年代初頭のニューヨーク証券取引所では、光ファイバーの地下トンネルを敷設し、取引速度を競うエピソードがありました。この背景には、高速取引(HFT: High-Frequency Trading)の特性が関係しています。

高速取引では、取引の速度が勝敗を決めると言っても過言ではありません。取引所に発注を送るまでの距離が短ければ短いほど、注文が他の投資家より早く執行され、相場の変動に迅速に対応できます。

光ファイバーのトンネルが「1メートルでも短い」方が有利である理由は、光が光ファイバー内を進む速度(約秒速20万キロ)が非常に高速である一方、取引の世界ではそのわずかな時間差が収益に直結するからです。例えば、他のプレイヤーより数マイクロ秒(1秒の100万分の1)早く注文を出せるだけで、有利な価格で取引を成立させる可能性が飛躍的に高まります。

このため、金融機関や高速取引を行う企業は、取引所に最も近い場所にデータセンターを置いたり、トンネルを掘って最短距離を確保したりと、莫大な費用をかけてまで「スピード」を追求してきたのです。


高速取引と仮想通貨市場:変わるルール、変わらない心理

現在の仮想通貨市場では、株式市場以上に「高速取引」や「ロボット取引」が重要な役割を果たしています。取引が百万分の1秒単位で行われる中で、人間の心理や意思決定の時間が取引結果に影響を与える場面は限られています。

それでもなお、市場には「人間の心理」が深く影響しているのも事実です。市場の一時的なパニックや楽観的なムードは、相場の変動を加速させる要因となります。このため、投資家が冷静さを保ち、市場の動きの背景を正確に読み解くことが重要です。


結論:DeepSeekの波紋から学ぶ市場の本質

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