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重要な慣らし運転とその方法

 慣らし運転という言葉をご存じだろうか?慣らし運転とは新品や修理後のエンジンなどにおいて最初からフルの性能を使うのではなく、ある程度抑えて使用することである。目的としては言葉の通り”慣らし”でありエンジンなどの使用寿命を延ばすことに有効である。新品はいざ知らず、オーバーホールなど修理する場合は各部クリアランスは慣らし運転を前提に詰めたりもするので必須である。

 最近の車、バイクの新車は慣らし運転の必要はないなどと言われ、その理由が部品の精度が上がったためなどとされるが、それは間違いであろう。慣らし運転の手間を無くし、誰でも簡単に気軽に何も考えなくても乗れる物を造る場合に目指すものは、慣らし運転が終わりさらにしばらく運転された各部のクリアランス値で組立てる新品だろう。つまり寿命は短いということだ。現代の消費社会において一つの物を長く使うという発想は消え去っているので当然といえば当然だ。企業は一定のスパンで買い替えてもらわなければならない。

 そんな事情の中、修理後においては慣らし運転が未だ必要だ。少なくとも当店で修理した物は慣らし運転が必要だ。それは全て長く使用できるようにするためである。

 慣らし運転の方法を紹介しよう。慣らしが最も重要な場合はシリンダーをボーリングしピストンを交換した際だ。その他、クランクピンやピニオンシャフトのローラーなどを交換した際ももちろんで慣らしを進めていくと明らかに回転が変わってくるのが解るだろう。

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