ポイントギャップの調整
ハーレーダビッドソンの点火システムには接点式と無接点式があり、前者はポイント、後者はセミトラ(セミトランジスター)又はフルトラ(フルトランジスター)と呼ばれている。機械式の接点であるポイントの開閉を使ってスパークプラグに火花を飛ばす方式は、ナックルからアーリーショベルまで、または1970年までのXLに採用されたディストリビューターに使われているし、1970年以降のギアケースカバー(カムカバー)上に設けられたサーキットブレイカーでも使われている。そして1978年後期から無接点の点火方式(セミトラ)が採用され1980年以降はフルトラに移行される。
ハーレーで言うところのセミトラ、フルトラの違いは、点火時期制御を機械的に行うか否かという意味合いが強い。ポイントは点火時期制御をカムシャフトの回転に伴う遠心力を利用したガバナーを使って行っている。セミトラは機械的接点こそ無いが点火時期制御を機械的なガバナーを用いており、フルトラになると完全に機械的な部品は無くなる。またフルトラになるとエンジン負荷についての点火時期制御を吸気管負圧を利用して行う様になり(VOES)より的確な点火時期制御を行うようになる。
セミトラの代表格と言えばDYNATEK社のダイナSだろう。ショベルの純正ポイントからのアップグレードとして圧倒的に支持されているのがこれだ。またショベルの純正フルトラからセミトラであるダイナSにダウングレードする場合も多々あるので一見ハーレーカスタムは不思議である。フルトラは様々なメイカーからリリースされており、DYNATEK社のダイナ2000i、Daytona Twin Tec社のツインテックモジュール、S&S社のHI-4Nなどが人気どころだ。ちなみに私はビッグツインならHI-4Nを、XLならツインテックを好んで使っている。
点火については本当に書くことが山ほどありネタに尽きない程なので追々書いていこうと思うが、そんな中でも今回は接点式であるポイントの調整方法を解説していこうと思う。自ら触りたいハーレーオーナーの中でポイント調整は”自分でやりたい整備”ランキングの上位に必ず入る内容なので是非参考にしてもらいたい。
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