FTR250プロジェクト3
一つ一つ壁を乗り越えて進んでいるこのプロジェクト。何しろ私は長らくハーレーダビッドソン専科なためFTR250どころかHONDAのノウハウが無いに等しい。それ故にこれがダメならあれが流用できるなどのソリューションをゼロから模索しなければならない。暗中模索とまでは言わないが先の長い長い旅をしているような感覚で作業を続けていく。そんな今回はブレーキの話から始めていこう。
放置されたブレーキシステムは、その中にあったはずのブレーキフルードという液体は個体へと変わり果て通路を閉塞、腐食も相まって可動部であるピストンは固着し、完全に機能を失っている。FTR250は辛うじてキャリパーシール、キャリパーピストン、ブリーダーボルトなどの消耗品の供給がありキャリパーは再生の見込みがある。しかしマスターシリンダーは全滅。シール類が廃番である以上、いくら外観が綺麗な中古があっても中身を再生することができないため先は見えている。この点においても全くのオリジナルでのレストアが無理というか意味をなさないのであるが、このプロジェクトはカスタムへと方向転換しているため再生できないものは現行部品に換装することが出来る。お客さんのこの方向転換は私にとってかなりありがたいものとなったのは言うまでもない。
フロントマスターシリンダーは後記するハンドル周りのカスタムで紹介するとして、リアマスターシリンダーをどうしようか?FTR250のそれは形はありふれたものなので汎用品はいくらでもありそうだと高を括っていたが、その実非常に選択肢の狭いものであった。
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