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ホイールベアリングのアップデート ミッドスターハブ

 ホイールのベアリングと聞くと誰しもがそれは重要な部品だと思うだろう。モーターサイクルにおいて唯一地面に接しているのが前後ホイールに履かせたタイヤだ。そしてそのタイヤは転がりながら移動を可能にする。転がるということは回転の中心(軸)が存在し、その部分にはその回転をよりスムーズなものとするためにベアリング(軸受け)が用いられる。これがホイールベアリングである。このベアリングがスムーズに回転すればホイールは円滑に転がり続けるだろう。しかしベアリングは永久に使用できるわけはない、当たり前だ。負荷を受け続け寿命を迎えると壊れる。だが走行中にそれが壊れるという事態は、コントロール不能に陥る可能性もあり出来るだけ避けたい。であれば定期点検が重要なのだが、ベアリングの持つ寿命が長い物を使用することも並んで重要だろう。

 ショベル~エボまで長らく使われたテーパーローラーベアリングはmade in USA のTIMKEN 一択であるように、ロングライフかつハイクオリティなベアリングを常に選択することは非常に重要だ。スターハブから始まり、TC以降のボールベアリングも確かな物というのは決まっている。しかし非常に残念なことに、ミッドスターと呼ばれる1967年~1972年まで採用されたホイールハブのベアリングに確かな物は用意されていない。当時組付けられた純正ホイールベアリングはUSA製で、触感からも恐らく最も信頼性の高い物であるように思える。

ミッドスター純正ホイールベアリング 

 現在リリースされるのはチープなアジア製ばかりで、もちろん触感から信頼を置けるものではないと分かる。しかし当時のベアリングを使い続けることもやはり不安であり、仕方なく廉価なそれを使い、より定期点検を心掛けようと誓うしかない。これが現状だ。だが、これで納得は到底できない。今回はそういった思いから、チープワンから確かな物にアップデートする方法を解説しようと思う。

 ベアリングは各部の寸法が国際的に標準化されており、固有番号さえ分かればメーカーを互換して使用する事ができる。その固有番号を呼び番号と言いベアリングの側面などに刻印される。画像の通りミッドスター純正ベアリングには3203 と呼び番号が刻印されているのがわかる。本来ならこれが分かれば信頼性の高い日本製の物を探すこともできるのだが、3203に限っては全く検索にヒットしない(ヒットはするが全く違う形状のものだったりする。)。したがって諦めながらV-TWINやDSからロークオリティのそれを買うしかないわけだ。

 しかし、よくこの純正ベアリングを見てみよう。

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