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人生は暇つぶし スピード違反で止められました

 11日の昼、広島運輸支局まで持ち込み継続検査(車検)に行った帰りの事である。長らく作業していた車両はこの継続検査の合格でフィニッシュを迎えるということもあり気分よく帰路についていた。場所は広島市西区から安佐南区へと渡る祇園大橋。解る方はピンとくると思うがこの橋上は片側二車線で右車線は速度の速い車、運転スキルの高い車、そして右折する予定の車しかいないことが多い。この橋を含むR183は古くからある国道なため車線の幅員が狭く、右折用レーンは局地的であるのにもかかわらず右折する車は頻繁にいる、そして交通量は上下ともに多い。そのため右車線は右折車のために塞がることが多く結果として右車線を嫌い左車線に車が集中し流れが悪くなるという傾向にある。そんな状況で比較的空いている右車線を意欲的に使うのは上記した棲息速度域の高い人、運転スキルの高い人というわけだ。

 私はそのどちらと言うわけではないがR183は主に右車線を走行するのでこの日も右車線を軽快に走行していた。祇園大橋のふもとから右車線はがら空き、上り坂なのでハーレーを積載したハイエースはアクセルをより踏み込んで上っていく。そして橋の中間に差し掛かったところで脇の歩道に不自然に椅子に座っている人を確認した。その瞬間から数秒の出来事であるが全てを察知した。橋の北詰で白バイに止められそのまま土手へ誘導され車を降りるよう指示された。もちろんこの時の心情は苛立ちと諦めとが一触即発な状態であった。

 警察官に案内され警察車両の後ろまで。そこで小さい機械からレシートの様に印字されて出てきた紙の66の文字を見せられ、これがあなたの走行スピードですと告げられる。R183の指定速度は50km/hであるので66km/hは16km/hオーバーということで速度超過違反の中では軽微な部類に入る。この後はすみませんでしたと青キップにサインをして反則金の納付所を手渡され放免。反則金を期日までに納めて終了となる。しかし、この時の私はそういう気分ではなかった。
 
 諦めの気持ちもあったので出来るだけ早く済ませようと歩きながら考えてはいたが、その小さい機械からでた紙を見せられた時に引っかかってしまった。「この印字された数字が私が実際に走行していたスピードであるという根拠は何ですか?」と。今思えばただの屁理屈である。しかしその場にいた6人の警察官は誰一人として論理的に根拠を言語化できなかった。

 私もそれを示すのは無理ゲーと思いながら平行線をたどる口論がスタート。このまま裁判まで持ち込むのも経験としていいかと思いその場は頑なに否認し、供述調書を取ってもらい解き放たれた。

 警察官はいろいろな権限を持っているが我々一般市民も権利がある。この否認も権利の一つだ。まずスピード違反などの取り締まりで止められた際は軽微なものだと青キップ(交通反則告知書)にサインするよう求められる。その前には免許証や車検証の提示も求められる。そのうち免許証の提示は義務だがサインや車検証の提示は拒否できる。なので疑問に感じる場合は我々の権利を行使すべきなのだ。

 ここからシステム的な話をすると、是認する場合は前記した通りで否認する場合は、青キップにサインしない→半ば強引に手渡される反則金納付書での反則金を支払わない→事象の有った日から概ね2週間目の日に警察本部長が公示して通告→反則金の納付を通告する通告書が手元に届く→ここで反則金を納める場合は特定の警察署に出頭する必要がある。納付期限は10日。→これも無視すると刑事訴訟手続きに移り裁判所に出頭するよう求められる。

 この一連の流れで我々が不利益を被ることはなく最終的に裁判で争い勝訴すると無罪だ。だが敗訴してしまうと有罪となる。今回、この裁判まで持ち込んでもいいかと思ったが、争う以上はこちらもそれの根拠が無い、または不明だという客観的な証明をしなければならないという点と、有罪となった時には罰金を支払らなければならないし、前科が付くという点で、好奇心的な興味でやるにはコスパもタイパも悪すぎると思い昨日あっさり反則金を納付した。

 事実として警察官と口論した際に私はかなり憤りを感じていた。それは私の違反を棚に上げているのだが、6人もいて誰一人論理的な回答が出来なかったことと、義務教育の現場で行われるような”ダメなものはダメ”という全く論理性のかけらもない、到底納得しようのない返答しかできない警察官に憤っていたのだと思う。所謂警察官の格好や警察手帳といった物に敬服し何でもかんでも言いなりという人間にはなりたくない。そうした人間はマイノリティではあると思うが一定数は確実にいる。是非、警察の方にはそうした人間を認識し、それに見合った対応をしてもらいたいと願う。

 最後に、違反は違反です。16km/hの速度超過をして申し訳ありませんでした。

ODA SYCLE
小田

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