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インナーチューブの選択肢

割引あり

 ハーレーの修理、カスタムはやはり難しい。その要因の一つとして挙げられるのが、社外パーツのあまりにも低いクオリティだ。ハーレーはありがたいことに数多くのアフターパーツメイカーが存在し、手に入らないパーツはあまりない。それ故に何かパーツが欲しい時にはいくつかのメイカーからそれを選択するケースが多々ある。選べるという事はありがたいことだが、実際には幾多のはずれの中からあたりを引くゲームのようなものである。

 はずれとは全く使い物にならないパーツ、加工すれば何とか使えるが手間が非常にかかるパーツ、物自体は良いが肝心な部分が錆びていたり傷が入っていたりするパーツなど様々で我々業者はそれらを総じてゴミパーツと呼んでいる。そしてあたりとはその逆で使えるパーツを指すが、日本人の感覚なら当たり前に製造された部品ということになるだろう。だがこのハーレー業界ではその感覚は通用しない。時に手間はかかっても何とか使えるパーツがあたりに該当するケースもある、こんな世界観だ。

 そもそも何を目指して物作りに取り組んでいるのだろうか?と心底疑問に思うことがあるが、そんな頓珍漢なパーツはそこらじゅうにばらまかれている。国内のパーツディストリビューターが在庫を持っていない場合の納期は通常約一週間。やっと来たかと作業を開始するもゴミパーツを引いてしまうとそこから再注文でさらに一週間待たされる。そして次はゴミパーツではない100%の保証はなかったりする。そんなこんなでいたずらに時間を消費してしまうことは多々あり、納期が定まっている場合は本当に厳しい状況になることは言うまでもないだろう。我々の経験値というのはこういったパーツ選択においても如実に表れることになるが、メイカーの倒産、材質の変更や製造工場の変更など予期せぬ変化は常に起きているためこのパーツは間違いないという保証はどこにもないのだ。

 そんなこんなでこの度引いたゴミパーツを紹介しよう。

 1974年から1977年のFX、XLに採用された外径35mmのKAYABA製フロントフォーク、通称ナローフォーク。このフォークの特徴はシングルキャリパーモデルであるということで通称三角キャリパーが装着される。ちなみに1973年はFL同様にバナナキャリパーがこのフォークに装着されるナローバナナと呼ばれるワンイヤーオンリーモデルであるが希少価値はあまりない。そして1977年からはSHOWA製の35mmフォークへと変更されダブルキャリパーモデルとなる。このSHOWA製フォークに関するパーツは未だに純正パーツが一部供給されたり、社外パーツの品質が落ち着いていたりするため作業しやすいが、問題は画像のKAYABA製フォークだ。

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