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ブレーキラインの組立て

 現在もブレーキの主流なシステムは油圧を用いたものである。このパスカルの原理を応用した油圧ブレーキシステムの整備は日常茶飯事というぐらいバイク屋の日常業務だろう。車検整備毎に行うブレーキフルード交換からはじまり、ハンドル交換に伴うブレーキライン交換、油圧ブレーキスイッチ交換の伴うブレーキラインのエア抜きなど、内容は多岐にわたる。そんな中から今回はブレーキライン交換によるラインの組立てと、ラインのエア抜きについて解説していこうと思う。

 デフォルトのブレーキラインからの変更は様々な選択肢があるが、まずは大きく2つある。ワンオフでブレーキホースを製作するか、既製品を使用するかの二択だ。以前の記事で書いたように、私はリスク管理や効率面から既製品を使用している。まあワンオフで作るメリットがさほど無いと感じるからだ。ワンオフでも既製品でもマスターシリンダーからブレーキキャリパーまでのホースの取り回しをデザインすることからスタートする。もちろんノーマルと同様でも良いし、最短経路で繋いでも良いだろう。ただバイクの性質を理解したデザインにしなければならないことに留意しよう。

 それは具体的にどういったものか?というのは、フロントなりリアなりにしろ可動する物の移動量を考慮するということ。フロントはフロントフォークの伸縮、ステアリングの可動域、リアはスイングアームの可動域のことだ。たまにフロントをジャッキアップするとブレーキホースがパツパツでキャリパーを外さないとホース損傷の恐れがある車両に当たることがある。これはこの状況を想定していないか、デザイン重視でこの状況を無視されたかのどちらかであろう。走行中にフォークが全伸びすることは無いとは言えないため非常に危険である。

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