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オリンピック開会式が象徴する日本組織が抱える課題

開会式の所感

オリンピックの開会式は、決して感動はしなかったものの、一つ一つのパートには意味があり、それぞれの担当者がコロナ下の制約の中で精一杯頑張った結果であることは間違いないと思いました。

個人的な感想としては、
・有名選手だけでなく、コロナで頑張ってる人への配慮考えてるのは大事だよね
・ダンスでアスリートの気持ちを伝えたいという意図はよくわかるなぁ
・ドラクエー!FF!ゲームできたかー!
・入場行進ってそれだけでいいコンテンツやぁ
・ドローンすげー!近未来的!
・ピクトグラムシュールすぎ笑 
 ジワリくるけど海外の反応はw
・長嶋、王、松井かぁ。
 大坂は確かにそうなるかぁ。
・海老蔵のやつは、疫病退散を祈願してるのか。

などなど。

たぶん、
・感染防止は防ぎたい
・多様性大事だよね
・コロナに打ち勝とう
・日本ぽさ(よさというか、ぽさ)

このあたりを全体として大切にしてたのかな。
ちっと万遍なく散りばめすぎた感はありますが。

通常4年の準備がかかるものを1年で修正しなければいけなかったし、少ない追加予算だったこともわかる。その中で頑張ったんだとは思う。

開会式に感じたモヤモヤ


だけどモヤモヤする。

それは、この現場の個々の頑張りを組織としての一体的成果として発揮できていない感があるから。

そして、開会式のコンテンツを考える手前で、その原因が見て取れるからなのだと思う。

きっと、それは、開会式やオリンピックの問題ではなく、日本の、日本人の、そして、自分自身の課題でもあるのだと思う。

事実を追い切れておらず、最後は自身の価値観や考えに沿った物事の整理になっているとは思いますが、内省のため取りまとめてみる。

1.自己都合第一優先の組織は死ぬ

野村萬斎さん、椎名林檎さん、MIKIKOさんチームだったらどうしていたのかな?という気持ちがどうしても残ってモヤモヤする。

やれ自社の利益だとか、やれ誰誰さんの面子とか要望とか、入れ込んでいくと、組織がどこに向かっていくか、何を成果とすると良いかわからなくなる。

社会のことや顧客のことを第一に考えている人たちが、個人の欲望や組織の都合を第一ににする人たちに追い出された時に組織は死ぬ。

ここで大事なのは、どちらの価値観も組織にあってよいこと。ただ一点本当に大切なものは何か???という1番目の価値観が社会や顧客でなくなったときに組織は社会の中で機能しなくなるということ。

ピュアに社会へのメッセージを考えたら開会式はどうなってたのか?を自分は見たかったんだなと思う。

2.事業と組織のゴールの矛盾が引き起こす機能不全

開会式のチグハグ感だけでなく、表層的なメッセージ感の正体にモヤモヤした。

オリンピック組織の中でコロナ後に起きたゴタゴタで致命的なのがこのニュースだと思う。辞任解任祭りの更に手前の出来事。
※有料記事ですがほぼ全文読めます。

短い期間、低予算で、期日までに間に合わせるためには、一元化しかなかったというロジックはビジネスとしてはよく理解できる。

だけども、分断と団結、多様性をテーマと据えるので有れば、

分かり合えない非効率な対話の先にこそ、包括できる素晴らしいコンセプトが作れる。そして、最後は期日までにみんなで仕上げる

と信じる方向に舵を取った方がよかったのだと思う。

多様性が主題となる中で、様々な考えを取り込むことを放棄した時点でその組織が多様性を体現できなかった。
ということなのだと思った。

3.強い想いがなければ制約は突破できない

今回、個人的に残念なものの一つが、着物プロジェクトがなくなったこと。2020年時点までは着物もほぼ取り揃え、入場行進の際に使われる予定だったよう。

多様性を日本文化で表現しおもてなしすることで世界平和に貢献する。と自分は解釈した。既にコロナ前に準備されたコンテンツの中でも素晴らしい企画のひとつだったと個人的に思う。

コロナが起きた時点で、
・感染リスクの観点から採用しなかった
・費用を抑えるためには予算が超えていた
 (サンクコストではなかとか?!)
など、色々理由があり不採用になったよ模様。
(組織的ゴタゴタの影響も強いようですが、それは、ひとつ目に挙げたテーマなので端折ります)

この企画をなぜ採用しなかったのか?もったいない。
と、個人的見解を述べたいわけではありません。

ただ、制約やリスクを乗り越えるほどの大切な何かを定義できなかった以上、こうなるのは仕方がなかったのだろうと思います。

まとめ

何を1番大切にしたいか?を、社会や顧客への貢献を軸に組織として定義することが大切である。その際、常に自己適用できているか自問自答しながら、制約やリスクを超えてでも実現していく覚悟を持てるものであれば、より良いものや納得できるものが生まれたはず。

最後に

そして、いざ開会式が終わり、競技観戦すると、それぞれの選手の素晴らしい活躍・頑張りが見て取れ、スポーツってやはり素晴らしいものだなとか、選手もコロナ下で制約がある中で頑張ってきたんだろうと目頭が熱くなります。

やるべきか否かでいうと、やはり、やってよかったよねと改めて思いますね。

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